下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

再改訂版)平成の舞台芸術30本   「東京ノート」「三月の5日間」「わが星」……

再改訂版)平成の舞台芸術30本   「東京ノート」「三月の5日間」「わが星」……

f:id:simokitazawa:20190405091000j:plain
東京ノート

新聞社の企画した「平成の30冊」*1が話題になっているようだ。新たな時代(令和)を迎える前の総括として舞台芸術でも「平成の舞台芸術30本」を試みた。ダムタイプ「S/N」をどうしても入れたいため、「演劇」ではなく「舞台芸術」というくくりにしたが、30本を選んでいった最後の方では選びきれないものが続出して思わず後悔した。選び終わった直後に惑星ピスタチオ「破壊ランナー」を入れ忘れているのに気がついた。こっそり何かを外して入れ替えようかと思ったが、それも忍びないので泣く泣く諦めた。まだまだ、入れ忘れているものがあるかもしれないが、それは容赦してほしい。

 順不同とは書いたが、最初の10本は何度選んでも動かないだろう。平成は1989年から始まるが、94年に上演された平田オリザ東京ノート岸田國士戯曲賞を受賞した平田の代表作。現代口語演劇の典型だが、類似の群像会話劇が相次ぎ登場したことで、野田秀樹鴻上尚史らの作った80年代演劇の流れを一変させた。

TOKYO NOTES
こうした群像会話劇を私は「関係性の演劇」*2と名づけた。リストの中では松田正隆「月の岬」長谷川孝治弘前劇場「家には高い木があった」、はせひろいち(ジャブジャブサーキット)「非常怪談」がこの系譜に入る。この他にも宮沢章夫岩松了土田英生らが重要だが、1本を選びにくかったなどの理由もあり、今回の「舞台芸術30本」では漏れてしまった。

公演ダイジェスト:「月の岬」 | SPIRAL MOON
 一方、90年代は大規模野外劇でダンスと音楽、演劇を総合させた維新派やダンスパントマイムによる群像劇を駆使して人類の進化や滅亡への予感など壮大な主題を描き出した上海太郎舞踏公司、マルチメディアパフォーマンスの嚆矢といえるダムタイプなど世界でも類のない独自性の高いパフォーマンスも生み出した。これらの集団は海外でも高い評価を受けた。この本拠地が京都、大阪といずれも関西であったのも特筆すべきことだろう。

Dumb Type - S/N


維新派 - ishinha - 『呼吸機械』 CMムービー

 ケラリーノ・サンドロヴィッチナイロン100℃松尾スズキ大人計画いのうえひでのり劇団☆新感線などエンターテインメント性と芸術性を高度な水準で融合させた劇団が登場してきたのも90年代のもうひとつの動きだ。ケラと松尾は選ぶべき水準に達した作品が数多くあり、どの作品を選ぶかは苦渋の選択だった。それぞれ「1979」「カメラ≠万年筆」、あるいは「愛の罰」「Heaven's Sign」「ふくすけ」なども優れた作品だが、個人的な思い入れも重視し「カラフルメリィでオハヨ」「ファンキー!」を選んだ。
 平田らが作った現代口語の群像劇の流れは90年代演劇の主流となっていき、2000年代(ゼロ年代
*3に入ってもポツドール「愛の渦」、渡辺源四郎商店「月と牛の耳」などの後継を呼んだが、こうした流れを切断し現代演劇の流れを大きく変えたのがチェルフィッチュ「三月の5日間」岡田利規)と東京デスロック「再生」だった。
 チェルフィッチュの「三月の5日間」は役と俳優の乖離、東京デスロックの「再生」は身体に負荷をかける演出の導入でともにポストゼロ年代演劇への道を開いた。

チェルフィッチュ「三月の5日間」

 そうした流れはミクニヤナイハラプロジェクト「3年2組」やついにはひとつの到達点として表れ、それ以降の演劇に大きな影響を与えたままごと「わが星」の登場へとつながっていく。

『わが星』オープニング

星の記憶 ~わが星 小豆島滞在記_予告編

2010年以降(ポストゼロ年代)の演劇については綾門優季(キュイ)、山本卓卓(範宙遊泳)、額田大志(ヌトミック)ら注目すべき才能が現れてはいるがいずれも「この1本」という決め手に欠けるきらいがある。そんななかでこの世代の代表として山田百次(劇団ホエイ)「郷愁の丘ロマンピア」玉田真也「あの日々の話」を選んでみた。

東京ノート 青年団
三月の5日間 チェルフィッチュ
呼吸機械 維新派
S/N ダムタイプ
ダーウィンの見た悪夢 上海太郎舞踏公司
月の岬 青年団プロデュース(松田正隆)
わが星 ままごと
3年2組 ミクニヤナイハラプロジェクト
家には高い木があった 弘前劇場
天守物語 ク・ナウカ


再生 東京デスロック
カラフルメリィでオハヨ ナイロン100℃
ファンキー! 大人計画
阿修羅城の瞳 劇団☆新感線
じゃばら 遊気舎
非常怪談 ジャブジャブサーキット
サマータイムマシン・ブルース ヨーロッパ企画
愛の渦 ポツドール
耳をすませば シベリア少女鉄道
It was written there 山下残


Finks レニ・バッソ(北村明子)
四谷怪談 木ノ下歌舞伎
娘道成寺 きたまり(木ノ下歌舞伎)
フリル(ミニ) 珍しいキノコ舞踊団
夢+夜~ゆめたすよる~ 少年王者舘
あの日々の話 玉田企画
月と牛の耳 渡辺源四郎商店(弘前劇場)
郷愁の丘ロマンピア 劇団ホエイ
夕景殺伐メロウ デス電所
スチュワーデスデス クロムモリブデン

(順不同、同一作家は2本選ばず)

ロッカジャポニカ「ROCK A JAPONICA “FRONTIER” LIVE ~中野サンプラザ 平成最後のアイドルコンサート~」

ロッカジャポニカ「ROCK A JAPONICA “FRONTIER” LIVE ~中野サンプラザ 平成最後のアイドルコンサート~」

2019年4月29日(月・祝)東京都 中野サンプラザホール
OPEN 16:00 / START 17:00



OVERTURE
ダサくなきゃ信じない
放課後アフタースクール
ワールドピース
独特道徳ドクトリン
最the高
タンバリン、凛々
DIVE TO VIEWS全力大実験!
MUSIC FANTASY
Dreaming Road
NEW CROWN
Memories
SPARKLE TOUR!!
ぶっちぎりデイズ!!
BUSY
わたしの地図
Saint Mental gift
だけどユメ見る
記憶のサイズ
タコ感 ロッカジャポニカ
Chillっ子同盟


アンコール
教歌SHOCK!
走れ!
歌いたいのうた


ロッカジャポニカ vs アメフラっシ ロッカジャポニカ編

 私はロッカジャポニカの熱心なファンというわけではないので、ファンの人の前でうかつな発言はできないなと思っているのだが、アメフラっシとの対パンライブ*1で敗れたのをニコニコ動画で見ていて「外からみると停滞感を感じるのだが、実際のところパフォーマンスはどうなっているんだろう。あるいはこの敗北を糧にどのように立て直してくるのだろう」と興味を持ち、ネット観戦した直後にチケットをとったのだった。ところがそれからそれほど日にちもたたないうちに休んでいたメンバーが脱退を発表。しかも、続けてリーダーまでが脱退することを知り、「これはただごとじゃない」と感じ、今回のライブは俄然注目のライブとなった。
 それでは実際に見ていての印象はどうだったのか?ライブのパフォーマンス自体は素晴らしかった。この日卒業する内山あみ(あみぽん)はもちろんのこと、残りの3人のメンバーからも気迫が感じられたし、駆け付けた「おともだち(ファンの総称)」も含め一体感がとても印象的だった。ももクロなど最近の例を見てもメンバーの卒業、脱退というのはアイドルグループにとって非常にデリケートな問題であり、ももクロ以外にもスターダストプラネットのグループに限ってもここ最近だけをとってさえ、何人もの卒業(脱退)を出しており、卒業時の処理を誤るだけでファンのモチベーションが失速し、それがグループの勢いを殺すことにもなりかねない。中野サンプラザといえばももクロファンは早見あかりの脱退したライブを思い起こさざるをえない。
 あの時は残りのメンバー全員がひとりづつあかりんに挨拶したうえで「送る歌」を歌うという涙なくしては見られないけっこう派手な演出があったうえに最後にあの謎のZが突然映像と映し出されて終わったわけだが、今回は予想通りにもう少し丁寧な演出。まず通常のライブ同様にライブは進行していくが、着替えのタイミングを兼ねて映された映像ではこれまでのロッカジャポニカの歴史がまとめられて、歴史であるだけにこれにはすでにグループを離れてしまっている椎名るかの姿も映し出されて「5人のロッカジャポニカ」というのが強調されるものになっていた。ももクロやたこ虹などの例を見てもグループからの卒業のみにとどまらず会社との契約も解消される場合は過去のその人の存在をどのようにするかということにはけっこう微妙なものがあって、いっさい触れないということまではいかなくても普段の活動ではあまり触れないといいうのが普通のことかもしれない。ところが今回のライブで驚かされたのは途中のパートで過去のライブの映像を流しながら、その曲をパフォーマンスし、しかも映像と同時に流した音源には椎名るかの歌が入っていて、しかも残りの4人のパフォーマンスではダンスのフォーメーションで椎名のポジションを空席にするという演出があり、そのことに気がついたファンがすぐに対応して「るったんコール」で応じるというちょっと感動的な場面があった。
 そして、アンコール後には残されたメンバー3人(高井千帆内藤るな平瀬美里)の脱退する内山あみへの言葉があり、内山のメンバーとしては最後の挨拶もあった。だが、それ以上に驚かされたのは脱退した椎名るかが突然ステージ上に姿を現したことだ。しかもこれはほかのメンバーも知らされていないサプライズでもあり、内山への言葉の後、すでに涙ぐんでいた内藤るなはここで大号泣。実に感動的なエンディングとなった。
 実はその前にメンバーの口から「ロッカジャポニカは5人だ」との発言が相次いでいたので、ここから先の展開も予想するべきではあったが3人になっての最後の挨拶で、高井千帆の口から「ロッカジャポニカは5人なのできょうで解散します」の言葉が発せられた時は場内に一瞬こおりついたような時間もあった。だが、すぐに続いたほかのメンバーの挨拶などでグループは解散するが、残された3人は新ユニットを結成、7月のレーベルフェスで披露されるとの情報が伝えられ、安堵の雰囲気が場内を支配した。この新ユニットがどのようなものになるのだかはまだ明らかではないのだが、とりあえず脱退するメンバー推しも含め、ファンにも期待を抱かせ満足感も与えられる内容ではあって軟着陸に成功したのではないだろうか。

*1:このライブはアメフラっシのパフォーマンスが見たくて見ていた。実際にこの時のアメフラっシには、アイドルにはそういう時期があるものだがまだあら削りながら怖いもの知らずのとてつもない勢いを感じさせた

どうぶつえん@代々木公園

どうぶつえん@代々木公園

日時:
4/28(SUN)
14:00 出発予定!!
集合場所:原宿門入ってすぐの売店やトイレなどがある広場
18:00 推定終了時間(のちにそのままアフターパーティー)
参加費:お任せの金額をイベントにつけてください。500円〜のチップをこっそり当日僕のカンパBOXなどに入れください。この日のアーティストフィーとなります。

発表予定者

しば田ゆき(バリスタ、珈琲)
神村恵(ダンス、振付家
宮川知宙(彫刻)
國冨太陽(やる気、アート)
長谷川新(インディペンデントキュレーター)
荻原永璃(アムリタ/演出)×大矢文(アムリタ/出演)×瑛子(出演)
村上慧(家移動)
ZackZack(free)
Aokid(AokidCity)
and more…

撮影
映像:日下部隆太
写真:

(どうぶつえんは当日の様子を写真、映像、文章で後日まとめていく予定です。もし写りたくないとかありましたら集合した際にもう一度伺いますのでお伝えください。)
どうぶつえんvol.1~9アーカイブ
diubutsuenzoo.tumblr.com

映像 どうぶつえんvol.3(2016 7/3)
https://www.youtube.com/watch?v=Se_cYY5rKj8&t=20s
映像 どうぶつえんvol.9(2018 10/15)
https://www.youtube.com/watch?v=cvdbpMMrolU

f:id:simokitazawa:20190429110359j:plain

ダンサー、振付家、美術作家のAokidが主催する公園巡回型アートイベントが「どうぶつえん」。初めて参加してみたが、とても楽しい。劇場での「ちゃんとした作品」でもその個性が異彩を放つAokidではあるが、自分の作品(ダンス)だけではなく、自らかアーティストたちのネットワークのハブとなり、こうしたそれ自体がアート性をはらむ行為の実践をするというのが、彼の本領ではないかと思った。
 こういう活動を説明すると普段劇場に中心に観劇をしている舞台芸術系の評者はアウトリーチのことですねと語ったりするのだが、これは完全な間違い。アウトリーチというのは要するに芸術の社会貢献ということで本来、美術館や劇場などで行っている芸術活動を外に持ち出し、社会に還元しようということ。だが、それに対してアートは美術館に展示されたり、劇場で上演されるものだけが、作品というわけではなく、プロセスやそのことで生じる新たな関係性も含めこうしたパフォマティブな行為自体が作品なのだという考え方もあり、「どうぶつえん」もそうした考え方に基づいたアートだと思うからだ。

ファーミ・ファジール&山下残「GE14 マレーシア選挙」@こまばアゴラ劇場

ファーミ・ファジール&山下残「GE14 マレーシア選挙」@こまばアゴラ劇場

演出:山下残

マレーシア建国以来61年間政権を維持した与党連合BARISAN NATIONALは、政界を引退したはずのマハティール元首相をリーダーに仕立てた野党連合PAKATAN HARAPANに、2018年4月28日公示、11日間の選挙戦の末、5月9日投票即日開票の結果、国会下院議席過半数を取られ、政権を失う。

野党連合の最大派閥PARTI KEADILAN RAKYATから立候補し、クアラルンプール市内の難関選挙区LEMBAH PANTAIより立候補したファーミ・ファジールの選挙活動に密着した山下残、独裁政治に偏る東南アジア諸国の中で、無血革命と謳われた今回の選挙の内幕を紐解く。

今年2月に横浜のTPAMで発表された山下による映像レクチャーの第1章と、ファジールによる政治街頭演説の第2章を、同じ空間で合体させ、そしてその先の第3章へと向かう。


ファーミ・ファジールと山下残は2007年にタン・フクエンがキュレーションするバンコクのフェスティバル Live Arts Bangkok で出会い、翌年ブリュッセルのクンステンフェスティバルのレジデンスプログラムに同じく招聘され、2009年は山下がクアラルンプールに滞在し、2010年はファジールが東京に滞在し、各地で共同の創作を続ける。2015年にファジールが次の下院議員選挙に出馬する意向を受け、政治と芸術に隔たりはないという信念のもとファジールは日本から山下を選挙期間中の現場に招き活動を展開する。


出演

ファーミ・ファジール 山下残
スタッフ

舞台監督:浜村修司
音響:島崎健史
照明:渡辺佳奈
舞台美術:坂紀秀
演出助手・映像:西本春佳
制作:金井美希
フライヤーデザイン:京(kyo.designworks)
フライヤーイラスト:宮北温夫
通訳:松田弘

  山下残はこれまでダンスと言葉の関係、ダンスについて考える作品などを、数多く創作してき。そうした流れからすればマレーシアで実際にあった総選挙とそれに立候補し当選したアーティスト、ファーミ・ファジールに題材をとった今回の作品は山下残の作品の中でも異色作といっていいだろう

劇団ジャブジャブサーキット 第60回記念公演「ランチタイムセミナー~検証1997年・ペルー日本大使公邸人質事件~」@下北沢ザ・スズナリ

劇団ジャブジャブサーキット 第60回記念公演「ランチタイムセミナー~検証1997年・ペルー日本大使公邸人質事件~」@下北沢ザ・スズナリ

f:id:simokitazawa:20190425104403j:plain

2019年4月27日(土)~29日(月・祝)
東京都 ザ・スズナリ

作・演出:はせひろいち
出演:栗木己義、後藤卓也、荘加真美、二瓶翔輔、山本一樹、高橋ケンヂ、まどかリンダ、空沢しんか、中内こもる、林優花、伊藤翔大、杉田愛憲、岡浩之、山崎結女、はせひろいち

※高橋ケンヂの「高」ははしご高、山崎結女の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。

 ジャブジャブサーキットの「ランチタイムセミナー~検証1997年・ペルー日本大使公邸人質事件~」を下北沢ザ・スズナリで観劇した。

新聞家公演「屋上庭園」@つつじヶ丘アトリエ

新聞家公演「屋上庭園」@つつじヶ丘アトリエ

2019年4月26日(金)~30日(火・祝)
東京都 つつじヶ丘アトリエ

作:岸田國士
演出:村社祐太朗
出演:横田僚平(並木)、那木慧(三輪)、菊地敦子(三輪の妻)、近藤千紘(並木の妻)

新聞家は言語テクストと発話の関係性について深く考え、試行錯誤している集団。通常は村社祐太朗の会話体とは言いがたい散文体の文章をテキストとして演劇作品に作り上げるが、今回の舞台は岸田國士による会話劇をテキストとして上演に取り組んだ。
 「屋上庭園」の上演はこれまでも複数の劇団で見たことがあったのだが、新聞家による上演はそのどれとも似たところのない独特な上演だった。岸田戯曲は会話劇なので、最近の上演では現代口語演劇のような早さで軽やかに進んでいくことが多いがこの上演はテンポが緩やかで、セリフとセリフの間もかなり長めにとっているため、流れていく時間も緩やかに感じられる。そして、それは発話の柔らかさや今回これが上演されたつつじヶ丘スタジオという空間の醸し出すやはりどこか柔らかな雰囲気とも相まって極めて心地好い時間の流れであった。 
 今回の演出で興味深く感じたのは舞台の窓側に画か置かれたアクリル板の舞台美術(オブジェ)の存在。新聞家の舞台では基本的に俳優は常に正面方向を向き、互いに相対して相手を見て会話することはないのだが、この舞台では正面とただ言うには微妙な姿勢を保ち続け、どういう理屈かは見ている時には図りかねていた部分はあったが、それはある意味セリフの発話とそれを受けとめる俳優の身体に調和も生み出していた。上演後にこの集団ではいつも行われる作者である村社との対話の場で初めて分かったのだが、ハーフミラーに映し出される、鏡の中の人物に向かって話しかける演技をしているということのようだった。それは説明されないと実際には分からないのだが、相対では出せない絶妙の距離感は先に挙げたセリフのテンポとともに「新聞家でしか見られない」感を生み出していたのではないかと思う。
 付け加えたいのはそうした俳優間のそして登場人物間の隔たりのようなものがラストで並木の妻(近藤千紘)が、並木(横田僚平)の背中にぴったりとくっつくという幕切れで、一気に崩れさる演出の鮮やかさだ。ここは見ていて二人の隠れた性的な関係を匂わせるようでスリリングなもので心の中をちょってざわざわとさせ、印象的なものだった。
 
www.aozora.gr.jp
http://simokitazawa.hatenablog.com/entry/2019/01/03/000000
アクリル板

円堂都司昭 × 法月綸太郎「ミステリ評論の可能性」@ニコニコ生放送

円堂都司昭 × 法月綸太郎「ミステリ評論の可能性」@ニコニコ生放送

──メフィスト評論賞創設記念イベント

2019 01/24 [Thu] 19:00 ~ 21:30(開場18:00)ゲンロン主催イベント

気がつくのが遅れて、生で参加できなかったトークニコニコ動画で見た。ミステリからもミステリ評論からも久しく遠ざかっていたが、この対談には刺激を受け、職場を定年して少し時間ができたら以前途中になっていたミステリ評論を書き直したいと考えていたのをひさびさに思い出した。

異セカイ系 (講談社タイガ)

異セカイ系 (講談社タイガ)

国立西洋美術館開館60周年記念 ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代@国立西洋美術館

国立西洋美術館開館60周年記念 ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代@国立西洋美術館

ル・コルビュジエといえばモダニズム建築を代表する建築家として知られるが、今回の展覧会は建築作品についてのみではなく、画家としても活動をしてきたル・コルビュジエの絵画作品について展示したものとなった。ピュリズムという流派は初めて聞いたが、正直言ってピカソやブラックによるキュビズムの亜流にしか見えない。そんな中でもコルビュジエは建築家としては見るべきものがあっても画家としては大したことはなかったのではないか。

ももクロ春の一大事in黒部 ウォー太郎ステージDAY2

ももクロ春の一大事in黒部 ウォー太郎ステージDAY2

☆ゲストMC: 牧野ステテコ (富山県黒部市出身)
http://asaikikaku.co.jp/talent/profile/makinosuteteko
☆アシスタントMC: 矢島好美(新潟県糸魚川市出身在住)

10:15頃〜
オープニングトーク
10:30頃〜 
富山PRガール(仮)
https://nse.new-select.net/tpg
10:50頃〜
ビエノロッシ
http://www.vienolossi.com
11:20頃〜
アメフラっシ
https://www.amefurashi.jp
11:40頃〜
ロッカジャポニカ
http://www.rockajaponica.com
12:05頃〜
GETTAMAN(ゲッタマン)
http://www.gettaman.jp/
12:30頃〜
リトモスターズ
​ おおともりゅうじ、まちゅ、濱田がっく岳、よこち
http://www.ritmo-juban.com
13:00頃〜
あゆみくりかまき
http://ayumikurikamaki.com
13:30頃〜
エンディングトーク


 この日のウォー太郎ステージでは前日現地に着いた時にはすでに終了していたアメフラっシとロッカジャポニカのライブを見た。ここにはそこで感じたことを書こうと思っていたのだが、そのライブからそれほど時間も経過していない24日に4月29日の中野サンプラザ公演「ROCK A JAPONICA “FRONTIER” LIVE 〜中野サンプラザ 平成最後のアイドルコンサート〜」を最後にロッカジャポニカ内山あみロッカジャポニカを脱退、スターダストプロモーションを退社することが急遽発表になり、驚いてしまい整理ができないでいるからだ。ロジャポについてはこれまであまり生でライブを見た機会はなく、ニコニコ動画でのアメフラっシとの対バンライブを見て、それは両者が対決するという企画で、結局この対決でロジャポは負けてしまったのだが、そこで29日に中野サンプラザ でのライブがあることを知り、「ここで負けて、どういうことになるんだろう」とチケットを取っていた。それで今回の野外ステージもその両グループが相前後してライブを行うと知り関心を持っていたのだ。

【4K】20190421 ロッカジャポニカ「ももクロ春の一大事2019」in富山県黒部市・宮野運動公園 ウォー太郎ステージ

[アメフラっシ]春一in黒部 外周ステージライブ[20190421]