下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

Monochrome Circus「FLOOD」

Monochrome Circus「FLOOD」京都市北文化会館)を観劇。
「泡-沫(uta-kata)」(初演2000年)20分
 モノクロームサーカスの新たな方向性を示す 「泡─沫」 。これまでのモノクロームサーカス作品には見られなかった力強さが際立つ本作は、振付家の坂本と森が参加した、カンパニー・ファトゥミ・ラムルー (仏) による影響をを窺わせる。その力強さに加え、初期のモノクローム作品に見られる、インスタレーションのような舞台演出が、暴力とノスタルジックな要素の対立、バブル期以降の日本の社会を描出する。

演出:坂本公成
振付:Monochrome Circus
出演:A Version(16日)坂本公成×佐伯有香×合田有紀
   BVersion(17日)坂本公成×森裕子×合田有紀
「HUSAIS」(初演1999年)25分
 強度を伴う沈黙と突然訪れるエネルギーの爆発。2人の人間を衝き動かすエネルギーへの激しい問いかけ。1990年にバニョレ振付家コンクールでSACD賞を受賞したこの作品は、カンパニー ファトゥミ・ラムルー(仏)のエラ・ファトゥミとエリック・ラムルーのフランスコンテンポラリーダンス界へのデビュー作であり同時に出世作となった。そしてまた同時に彼らが初めて作るデュエット作品でもあった。

振付:エリック・ラムルー + エラ・ファトゥミ(仏)
出演:A Version(16日) 森裕子×森川弘和
   B Version(17日) 坂本公成×佐伯有香


新作「フーガ」35分
 Fuga(フーガ)=風描。まさに「風にきく」ような即興音楽を重ねるTHISとともに描く、3つの楽章。同じ始まりから始まり、異なる結末を迎える3つの楽章(ダンス)。
 「音」を選び取り鳴らすこと、一つの「動き」を選び取り空間を切り取ること、その二つの「今」が絡み合うようにして展開し、生成をするイメージ群。「即興」と「変奏」を折り重ねながら「音の風景」と「身体の光景」を遠くまで旅をする。

演出:坂本公成
振付:Monochrome Circus
出演:森裕子坂本公成、佐伯有香、森川弘和、藤野直美
演奏:THIS=MISA×SAIKOU

第48回岸田國士戯曲賞最終候補作品決定
第48回岸田國士戯曲賞白水社主催)の選考会が、2004年1月29日木曜日、午後4時より東京神楽坂・日本出版クラブ会館(2F・ももの間)にて行なわれます。選考委員は、井上ひさし岩松了、太田省吾、岡部耕大、竹内銃一郎、野田秀樹の各氏です。本年度の最終候補作品は下記の7作品となっております。

第48回岸田國士戯曲賞最終候補作一覧 (作者五十音順 )

大竹野正典 『夜、ナク、鳥』(上演台本)
小川未玲 『ちゃんとした道』(小学館「せりふの時代」2003年春号掲載)
小里清 『BRIDGE』(上演台本)
鐘下辰男 『アンコントロール』(上演台本)
倉持裕 『ワンマン・ショー』(上演台本)
内藤裕敬 『さらバイ』(上演台本)
本谷有希子 『石川県伍参市』(上演台本)
http://www.hakusuisha.co.jp/current/kishida_senkou.html