下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。

Ugly duckling「誰もが手にしたるもの〜エンドロール’04〜」

 Ugly duckling「誰もが手にしたるもの〜エンドロール’04〜」(大阪芸術創造館)を観劇。
 前回公演となった「アドウェントゥーラ」は再演だったこともあり、見なかったので今回はぜひ見ないといけないと大阪芸術創造館まで出掛けた。この舞台を見ながら、どうも物語に入れ子としてテレビゲームを入れる戯曲の構成とか取り扱われているゲームのスタイルが古風な感じで、なぜこんなことになっているのだろうと思って、劇団サイトhttp://www1.vecceed.ne.jp/~ugly-d/を確認してみるとこれも新作ではなくて1998年4月(6年前)に上演された「誰もが手にしたるもの〜裏画面 '98〜」の再演なのであった。ゲームの最初の方の場面に登場人物がインターネットではなくてパソコン通信のチャットをやっていたり、出てくるロールプレインゲームの内容が演劇として処理してあるというのを差し引いても、あまりに単純でゲームにそれほど詳しくない私が見ても、2004年の話としてはどうもリアリティを感じにくいと思ったのだが、そういう事情を踏まえて考えると理解できるところもなくはない。
 おそらく、2公演連続の再演となったのは座付き作家である樋口美友喜が3月はじめに上演される近松劇場PART18 メイシアタープロデュース「木偶の坊や」に新作を提供することになっていたためであろう。ただ、そういう事情を勘案したとしても演目の選定についていえばなぜ今、この作品だったのかについてはやはり疑問が残る。