下北沢通信

中西理の下北沢通信

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SHINKANSEN☆RX「SHIROH」

SHINKANSEN☆RX「SHIROH」(梅田コマ劇場)を観劇。
 いのうえひでのり(演出)、中島かずき(脚本)、岡崎司(音楽)の最強コンビが取り組む初めての本格ミュージカルはとにもかくにも見ごたえがあり、傑作であった。昨年、ある雑誌に小劇場系の作家によるミュージカルが次々と上演されているが、あまり成功したものは少なく、オリジナルミュージカルはそんなに簡単なものじゃない、と書いたが、その時に最後に「でも本命はこの後に控えている。それは劇団☆新感線だ」と書いた。その時点ではまだこの「SHIROH」のことは発表される前だったのだが、今回この舞台を見て、その予言があまりにも見事に実現されたことに興奮は隠せない。予言があたったことにというよりは期待する以上の出来栄えだったからだ。
 このミュージカルにはいろんな魅力があるが、なんといってもまず挙げなければいけないのは音楽がとてもいいということ。新感線の音楽劇における強みは岡崎司という非常に器用な人を座付き作曲家として抱えていることだと以前書いたことがあったが、前言撤回。器用どころではなく、この人は非常に才能のある人であるということを改めて思い知らされた。
 細かいことは明日もう一度見た後で書くことにしたいが、これまで私が見た日本のオリジナルミュージカルでは*1上々台風の音楽によるアトリエダンカン阿国」と小室哲哉のきらめくばかりの才能に仰天した音楽座の「マドモアゼル・モーツァルト」が双璧であったのだが、このSHINKANSEN☆RX「SHIROH」はそれに匹敵する出来栄えだと思う。

*1:ミュージカルとはいいがたいがオリジナルの音楽劇ではこれに自由劇場「上海バンスキング」、維新派「南風」を加えたい