下北沢通信

中西理の下北沢通信

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堂島リバービエンナーレ2009「リフレクション:アートに見る世界の今(Reflection : The World Through Art)」*2@堂島リバーフォーラム

参加アーティスト: 会田 誠(日本)、アルフレド&イサベル・アキリザン(フィリピン)、アクタン・アブディカリコフ(キルギス)、ジェーン・アレキサンダー南アフリカ)、イーラン・イー(マレーシア)、トマス・オチョア(エクアドル)、ホセイン・ゴルバ(イラン)、シュー・ビン(中国)、スーハ・ショーマン(パレスチナ)、ツェ・スーメイ(ルクセンブルグ)、レオニド・ティシコフ(ロシア)、ドリック・ピクチャー・ライブラリー(バングラディッシュ)、チャーリー・ニジンソン(アルゼンチン)、福田 龍郎(日本)、セルジオ・プレゴ(スペイン)、イサック・ベルビック(ボスニア・ヘルツェゴビナ)、ツーニェン・ホー(シンガポール)、松蔭 浩之(日本)、ファハド・モシリ&シリン・アリアバディ(イラン)、フリオ・セサール・モラレス(メキシコ)、アイザックモントーヤ(スペイン)、クレア・ランガンアイルランド)、ディン・Q・リー(ベトナム)、リー・キーボン(韓国)、クリスティナ・ルーカス(スペイン)、ジョシュア・ヤン(シンガポール) (順不同、五十音順)


 内容は相当なものです。会期は後少ししかありませんが、まだ見てない人は必見です。横浜トリエンナーレの出展作品と比べてもこちらが上じゃないかという作品がかなり沢山ありました。最初に映っているのは「漂流する人々」という作品ですが、これもそのひとつ。次の水の中に本が浮遊している作品(リー・キーボン(韓国)「バチェラー 二重の理論」)もなかなか印象的でした。ちなみにこの本はヴィトゲンシュタインの「論理哲学論考」だそうです。

 こちらは建物の横の壁面に設置されていた作品です。会場の入り口で配られる赤と青のフィルムを通して見ると別の顔が見えてくるという一種のだまし絵的な作品。

 残念なのは会社が終わった後出かけたこともあり、全部の作品を見きれなかったことだ。映像作品が多いのは最近の現代美術の特徴で、横トリなんかもそうだつたし、最近の大規模な総合展では普通のことになっているのだけれども、全部の映像作品を見ようと思うと2時間弱では無理でした。かなり時間がかかります。時間さえあればもう一度行きたいのだけれど、土曜日は東京、日曜日は京都に行く予定だからなあ。
 これだけの規模の国際美術展は関西ではひさしぶりではないのだろうか。なのにもかかわらず不思議なのはこの美術展が誰がどういう枠組みで企画し、開催しているのかが全然分からないことだ。もちろん、公式サイトにも「南條史生(森美術館館長)がアートディレクターを務めたアジアにおける最大級の国際美術展シンガポールビエンナーレ」(第1回展2006年、第2回展2008年)の出品作品の中から政治的、社会的、文化的な問題提起を行う選りすぐった作品、26点を紹介します」とあり、展覧会自体は南條史生が企画し、シンガポールビエンナーレ2006・2008から選んだ作品をもってきたのだということは分かっている。
 分からないのは関西にそれほど縁があるとは思われない、南條に白羽の矢を立てて、このような美術展を開催したのかということ。キリンプラザが閉館し、つい最近、サントリーミュージアムの閉館まで発表された大阪のアートシーンに暗澹たるものを感じていただけにこれは嬉しい驚きではあったのですが、どうやらホールとギャラリーを備えた民間文化施設であるらしい堂島リバーフォーラムの存在とともに謎に満ちています。