下北沢通信

勅使川原三郎×佐東利穂子「オブセッション」@兵庫県立芸術文化センター

初演:2009年5月29日 Festival Artrock, Saint Brieuc (France)
主催:KARAS
上演時間:60分
演出/美術/照明/衣装/選曲:勅使川原三郎
出演:勅使川原三郎、佐東利穂子

ごく当たり前の意識を引き裂く偏愛と深い感情の不可能な物語裏返された身体によって、世界はその断片を見せる。勅使川原三郎の身体がひび割れる。佐東利穂子の身体から振動する。極限までの鋭い動きによって身体には感情の激しい亀裂が走る。不条理によってしか有り得ない愛は、無邪気なほどあっけなく結晶体(死)として季節の中に葬られる。- 勅使川原三郎

Absolute Zero :
 この「Absolute Zero」もそうだが最近のソロを主体とする勅使川原三郎作品は静かなたよたうような動きとそれに合致した静謐な音楽を使用した作品が目に付いたが今回の新作「オブセッション」は勅使川原三郎だけではなく、佐東利穂子も両者がともに約60分という上演時間の間中、ほぼ止まることなく激しく動き続けた。さらに勅使川原の作品はソロ作品だけではなく、宮田佳と一緒に踊ったデュオなどの作品においても、「男」「女」の性差のようなものを感じることはなかったのだが、今回は明らかにその男女のセクシャリティーの差がつよく感じられるものとなっていて、これはやはり佐東利穂子という新しいミューズを手に入れた勅使川原が新たに踏み出した大きな一歩ではないかという風に感じた。