下北沢通信

中西理の下北沢通信

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twitter版お薦め芝居9月

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twitter版お薦め芝居9月
 90年代半ばにおいてもっとも刺激的な表現を展開していた若手作家が平田オリザ青年団)、上海太郎(上海太郎舞踏公司)、宮城聰(ク・ナウカ)、安田雅弘(山の手事情社)だった*1。私がこれほどまでに演劇という表現にとらわれるようになったのは当時彼らの作品と出会い、そして彼らの表現が私が当時考え続けていた問題(特にコミュニケーションの不可能性についての問題)と呼応するようなところがあったからなのだが、それから十数年近くが経過した現在も彼らが健在でその作品を作り続けていることは喜ばしいことだ。
 9月は特に彼らのうち宮城聰を除く3人が作品を上演することになっており、先日ロボット演劇をあいちトリエンナーレで発表したばかりの平田はともかく、上海太郎はひさびさの新作上演、安田雅弘も近作のうち海外でも評価の高い2作品の連続上演と見逃せない公演になりそう。
 チェルフィッチュ岡田利規、ジャブジャブサーキットのはせひろいちと実力派劇作家2人の新作も注目である。関西ではともに異色の組み合わせによる劇場プロデュース公演であるクロスオーバーKAVC「no w here」、「地域とつくる舞台」シリーズ「SAALEKASHI」も上演される。
twitterお薦め芝居9月 上海太郎カンパニー不思議の国のアリス伊丹アイホール★★★★ 上海太郎待望の新作はルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」がモチーフ。アリスといえば3Dによる映画が公開されたばかり。水と油のじゅんじゅんも挑戦したが上海のアプローチは一味違うはず。http://www.shang-pagnie.com/
twitter版お薦め芝居9月 山の手事情社オイディプス王」@アサヒアートスクエア★★★★ 日本を代表する「語りの演劇」の担い手である安田雅弘(山の手事情社)演出によるギリシア悲劇ルーマニアのシビウ国際演劇祭でも絶賛された代表作を再演。http://www.yamanote-j.org/
twitterお薦め芝居9月 山の手事情社「タイタス・アンドロニカス」@アサヒアートスクエア★★★★ 安田雅弘(山の手事情社)演出によるシェイクスピア。幾多あるシェイクスピア作品のなかでももっとも残酷かつ暴力的といわれる原作がどのように料理されたのか?http://www.yamanote-j.org/

twitterお薦め芝居9月 チェルフィッチュ「わたしたちは無傷な別人である」愛知芸術文化センター★★★★ あいちトリエンナーレ参加作品。横浜美術館での「わたしたちは無傷な別人であるのか?」は見たのだけれど、今回の新作はそれとどう違うのだろうか?http://chelfitsch.net/
twitterお薦め芝居9月 ジャブジャブサーキット「蒼の組曲ザ・スズナリ★★★★ 岐阜を本拠とする実力派劇団の25周年記念の書き下ろし作品。かつてカラオケ店舗だった建物にルームシェアで住み着く草食系の人間達。その緩やかな日常に小さな波紋を投げかけたのは、自らを「未来人」と名乗るこれまた物静かな1人の男だった……。
http://www.owari.ne.jp/~iku/schedule.html
twitterお薦め芝居9月 青年団「砂と兵隊」こまばアゴラ劇場★★★★ 砂漠の戦場を彷徨い続ける人々を描いた平田オリザ流の不条理劇の再演。今回はフランス人キャストらによるフランス語版「Sables&Soldats」も同時上演。http://www.seinendan.org/jpn/info/index.html
twitterお薦め芝居9月 クロスオーバーKAVC「no w here」神戸アートビレッジセンター★★★★ 東京デスロックの多田淳之介演出、KIKIKIKIKIKIのきたまり振付、吉光清隆映像によるコラボレーション。異色の組み合わせからどんなものが誕生するのか?
twitterお薦め芝居9月 「地域とつくる舞台」シリーズ「SAALEKASHI」伊丹アイホール★★★ 塚原悠也(contact Gonzo)とじゃれみさのデュオで知られた砂連尾理の共同ディレクション(構成・演出・振付)による舞台。なにが飛び出すのか未知数の魅力。http://saalekashi.exblog.jp/
twitterお薦め芝居9月 dots「カカメ」栗東芸術文化会館さきら★★★ 桑折現率いるマルチメディアパフォーマンス集団の新作に今回は元contact Gonzoの垣尾優、Monochrome circusの佐伯有香らが参加。10月には川崎公演も。http://dots.jp/kakame/

twitterお薦め芝居9月 いいむろなおきマイムカンパニー「Waiting」@大阪芸術創造館★★★ パントマイムのいいむろなおきによる集団無言劇の新作。セリフのない演劇「マイム」で、「待つ」にまつわるいろいろを描く。http://mime1166.com/stage.htm
twitterお薦め芝居9月Ensemble Sonne presents Klang Tanz vol.3「Improvisation live」@神戸グッゲンハイム邸★★★ 音楽・高瀬アキ(ピアノ) ダンサー・岡登志子、中村恩恵、垣尾優 この顔ぶれでの即興セッション、神戸の洋館というシチュエーションは魅力的。
twitterお薦め芝居9月日韓ダンスパフォーマンス「Being Involved/そこに関わること」@京都芸術センター★★★ 黒子沙菜恵、きたまり、花本ゆかが韓国のダンサー、振付家らとコラボレーション。 
twitterお薦め芝居9月サンプル「自慢の息子」@アトリエヘリコプター・精華小劇場★★★ 日本のどこかに独立国を作り、その王となった息子を探す母親。その場所を知っていると言って母親に近づき、金をせびる青年。一方、息子は日課として、クレームを大企業のコールセンターにかけていた。松井周の描く近未来の寓話。
twitterお薦め芝居9月松本芽紅見「〜群の像〜 ホワイト」@アートコンプレックス1928★★★ ヤザキタケシ作品への出演、自作のソロ作品を活動の中心に据えてきた松本芽紅見が初の本格的グループ公演に挑戦する。http://megumi-matsumoto.com/  

*1:下北沢通信復刻プロジェクト3 宮城聰×安田雅弘×上海太郎鼎談http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20081211