下北沢通信

範宙遊泳 郷土物語宣言第三弾「ガニメデからの刺客」@元・立誠小学校

KYOTO EXPERIMENTO 2011 フリンジ “GroundP★”
郷土物語宣言第三弾 「ガニメデからの刺客」
作・演出 山本卓卓

2011年10月11日(火)〜13日(木)
元・立誠小学校(職員室)

●出演
大橋一輝 埜本幸良 山本卓卓 (以上、範宙遊泳)
浅川千絵 川口聡 福原冠

●スタッフ
美術:たかくらかずき
音響:高橋真衣
演出助手:菅原和恵
制作:坂本もも

共催:立誠・文化のまち運営委員会
主催:範宙遊泳

範宙遊泳@元・立誠小学校を観劇。ロール・プレイング・ゲームRPG)仕立ての舞台というのは昔からあって、いま始まったことではないけど昔はもっと3D的というかリアルだった。この芝居はICUの進化に呼応しリアルに向けて突き進む実際のゲームの流れに逆らうようにゲーム的リアリズムを追い求めた演出。ロロの三浦直之が「アニメ・漫画的リアリズム」の演劇への応用を意識的に考えているのに対し、こちらは「ゲーム的リアリズム」だろうか。
 意図的に懐かしめのRPG仕立てだが、おそらくやりたいのはチープなSF的な趣向の話を舞台のなかでどう演じようかという時に出てきた形式というかアイデアであって、ゲーム自体に興味があるのではないのかもしれない。
 ただ、ゲーム仕立ての作品というのはいつもそれをやるというわけではなく、今回がたまたまそうだったということのようで、この劇団もほかのポストゼロ年代劇団と同様に

ポストゼロ年代演劇の特徴

1)その劇団に固有の決まった演技・演出様式がなく作品ごとに変わる
2)作品に物語のほかにメタレベルで提供される遊戯的なルール(のようなもの)が課され、その遂行と作品の進行が同時進行する
3)感動させることを厭わない

 1)2)の特徴は当てはまるようだ。そのため、最近は特に若手劇団に対してはある舞台について見出された特徴がその作品に限ってのものであるのか、それとも劇団なり、作演出者にとって本質的なスタイルであるのかを確かめるために過去の作品との比較も必要になっており、販売しているDVDなどの映像資料があればできるだけ購入するようにしているのだが、この劇団はそういうものをいっさいに販売しておらず、さらに「劇団の方針としてそういうものはいっさい外部には出していません」ということだった。youtubeなどを検索しても映像がいっさいひっかからないのはそういう理由であったようだ。
 それは劇団の方針なので仕方がないことではあるのだけれど、今回興味を持ったのでぜひ次回公演もと思うけれども、この劇団がどういう方向性を持つのかが判明するまでにはしばらく時間がかかりそうだ。