下北沢通信

中西理の下北沢通信

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デ・1(市川タロ作・演出) 「ルーペ/私のための小さな…」@カオスの間

 デ・1 カオスの間企画「ルーペ/私のための小さな…」観劇。
とはいえ、タクシーが時代祭の渋滞に巻き込まれ15分間しか見られず、展覧会のように出入り自由の指定とはいえ観劇したと言いきるにはもどかしい。もう少し見ていたかったが、仕事に向かうため、会場を後にした。
 市川タロという人の作品は以前に見た時*1にはこれではまるでチェルフィッチュの模倣ではないかとあまり好印象を受けなかったのだが、作品後半のアプローチは少し面白くて、なぜかというとそれが登場人物ではなくて「もの」*2に残された登場人物の痕跡をめぐる物語(の痕跡)だったからで、その部分はチェルフィッチュとは明らかに異なる面白さがあった。
 なにぶん、15分しか見てないので本当のところはなんとも断定しずらくはあるのだが、今回の公演(?)はその後半部分の延長線上にある試みと思われた。つまり、会場となったギャラリー空間にはところ狭しといろんなものが置かれているのであるが、2人の俳優はそこに置かれた「もの」についての記憶の痕跡のようなものをモノローグ調で語っていくのだった。

*1:http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20110626

*2:この場合は椅子とかレシートとか