下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

「踊りに行くぜ!!」II@京都芸術センター

「MESSY」
作・演出=菅原さちゑ
振付・出演=田中夢、伊藤綾、菅原さちゑ、音楽=菅田典幸、ドラマトゥルク=内田敦子
Special Thanks to 佐成哲夫、タケヤアケミ
「それから六千五百年 地球は寝ているだろう」
作・振付・演出=坂本公成
振付・アシスタント=森裕子(monochrome circus)
振付・出演=とりっとダンス from鳥取(11年9月、鳥の演劇祭4で初演)
「4....soku」
作・演出=青木尚哉
音楽=熊地勇太、美術=カミイケタクヤ、振付・出演=山田勇気、青木尚哉、衣装=斉藤絵美

 JCDNの全国巡回公演「踊りに行くぜ!!」が「踊りに行くぜ!!」II(セカンド)へのリニューアルされて今年が2年目である。これまで毎年福岡、松山をはじめとする地方会場に顔を出してきていたのだが、今年は日程がほかの公演と重なってしまい結局、東京のファイナルを前にした京都公演で初の観劇となった。本当は「踊りに行くぜ!!」の場合には単なるダンス作品の公演というだけではなく、いわばワーク・イン・プログレスのように地方巡回によって何度も同一作品の再演を繰り返すことで、作品が変化し続けて、成長していくのを追体験していくところにその醍醐味があるのだが、今年はそういう意味ではかなり完成形に近づいた段階での観劇となった。
 京都では3本の作品が上演されたが、それぞれがまったく方向性の異なる作品であり、振付家、出演者のキャリアも異なるため、同一の基準で評価するのは難しい公演でもあったが、その分、現在のコンテンポラリーダンスの広がりを実感することにもなった。
 ダンス作品としての隙のなさを見せてこの日見た舞台の白眉となっていたのが青木尚哉による「4....soku」である。青木は金森譲の率いるNoismの主力メンバーとして活動した後、退団。最近はフリーとして活動し昨年は白井剛「静物画」にも出演するなどダンサーとしてはトップレベルの活躍を見せているが、「本格的な振付作品は今回が初めて」(青木)という。初振付作品ではあるが、ダンサーとしての知名度も高いから、注目の新人であることは間違いない。
 ダンサーとしてNoism時代の後輩でやはりNoismを退団して現在フリーである盟友、山田勇気を招いてデュオ作品を制作した。美術として、山下残矢内原美邦作品などにも参加しているカメイケタクヤが加わり、作品は制作された。特徴があるのが前半部分で、