下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。

ももクロ2013秋ツアー「GOUNN」@福岡マリンメッセ

セットリスト
〜オープニング〜
01:サラバ、愛しき悲しみたちよ
02:天手力男
03:words of the mind - brandnew journey -
04:LOST CHILD
05:DNA狂詩曲
〜ダンスパフォーマンス〜
06:キミとセカイ
07:D'の純情
08:BIRTH Ø BIRTH
〜ダンスパフォーマンス〜
09:空のカーテン
10:ラフスタイル for ももいろクローバーZ
11:月と銀紙飛行船
〜ダンスパフォーマンス〜
12:猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
13:Z女戦争
14:ピンキージョーンズ
15:スターダストセレナーデ
16:ツヨクツヨク
〜ダンスパフォーマンス〜
17:GOUNN
〜エンディング〜

サイリウム解禁】
〜overture〜
18:Chai Maxx
〜MC(自己紹介)〜
19:ももいろ太鼓どどんが節
20:労働讃歌
21:行くぜっ!怪盗少女
〜MC〜
22:オレンジノート
23:走れ!
〜MC(ダンスパフォーマー紹介&ももクロ挨拶)

ももクロについて、昨年レクチャー*1した際に彼女たちのバフォーマンスについて分析し、その魅力の一端は一般に「全力」呼ばれているアンコントロール(制御不能)が醸しだす切実さにあると指摘した。だが実はそれが顕著だったのは昨年ぐらいまでのこと。現在はそのパフォーマンスの真価は別の次元に移り変わりつつある。そのことは映像を通じて春ツアーの「5th_dimension」でも薄々とは感じていたが、今回ひさしぷりに生でライブを体験でき、確信へと変わった。
 今回の秋ツアーの特徴はツアーの名称ともなった「GOUNN」つまり仏教用語の「五蘊」にちなんで全体としてメインモチーフに仏教を持ってきたことだ。
 「五蘊」とは仏教の教義では以下の5つ(色、樹、想、行、識)を指す。

色(しき) =すべての物質を指し示す。この場合、「身体」機能が活発であるために起こる苦しみ
受(しゅ) =物事を見る、外界からの刺激を受ける「心」の機能
想(そう) =見たものについて何事かをイメージする「心」の機能
行(ぎょう)=イメージしたものについて、何らかの意志判断を下す「心」の機能
識(しき) =外的作用(刺激とイメージ)、内的作用(意志判断)を総合して状況判断を下す「心」の機能

 仏教ではこの五蘊が集合して仮設されたものが人間であるとして、五蘊仮和合(ごうんけわごう)と説く。これによって五蘊(=人間)の無我を表そうとした。もっとも、ここではそんな風に厳密に仏教教義をとらえて、意義付けているというよりはこの五蘊を5つの色のいわば化身であるももいろクローバーZという存在と重ね合わせて、前回の春ツアーを「5次元」ツアーと呼び、ももクロの成長を次元の上昇になぞらえたように、この「GOUNN」ではやはり5人の成長を仏教における解脱のイメージと重ね合わせている。
 ただ、新アルバムの披露に合わせて、多くの新曲を含むコンセプト色の強いアルバム曲をそのままライブで披露した「5次元」ツアーとは異なり、この「GOUNN」ツアーでは新曲これまでもライブで歌われてきた既存の楽曲をライブのコンセプトに合わせて「見立て」のように配置していったところに大きな特徴がある。
 

*1:パフォーマンスとしてのももクロ http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/10001213