オフィスコットーネプロデュース「怪談 牡丹燈籠」 @すみだパークスタジオ倉
原作:三遊亭円朝
「怪談 牡丹燈籠」といえば歌舞伎としても上演されている古典ではあるけれど元来は三遊亭円朝の怪談噺。落語が原作である。すでに1892年には三世河竹新七の脚色により歌舞伎座で上演されており、以降、歌舞伎の人気演目としても知られている。近年の上演では1974年に大西信行氏が文学座のために書き下ろしたものが使われることが多く、新三郎、お露の悲恋に焦点を当てた脚色が上演の主流となってきたが、今回はより原作に忠実な戯曲をフジノサツコが書き下ろし、森新太郎が演出し群像劇として上演した。
闇を最大のモチーフ(主題)にしたと演出の森が自ら強調するように多くのシーンがほぼ暗転したような暗い舞台で展開していくのが、今回の「怪談 牡丹灯籠」の大きな特徴。そのことと表裏一体なのだが、舞台中央に大きな暗幕のような布が吊されていて、それが芝居中絶え間なくとも思えるほどに回り続けているのも、今回の森演出の見せどころといえたかもしれない。