下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

新作歌舞伎・極付印度伝「マハーバーラタ戦記」@歌舞伎座

新作歌舞伎 極付印度伝「マハーバーラタ戦記」@歌舞伎座

平成29年度(第72回)文化庁芸術祭参加公演 
日印友好交流年記念
青木 豪 脚本
宮城 聰 演出

序幕 神々の場所より
大詰 戦場まで

今回演出を担当した宮城聰は自らが芸術監督を務めるSPACでも「マハーバーラタ」を上演、こちらはかつてピーター・ブルックが同作品を上演したアヴィニョン演劇祭の石切場跡地で上演され評判をよんだが、それと今回の作品はどちらも同じ叙事詩マハーバーラタの一部からテキストをとったとはいえ、まったく別の物語だ。
とはいえ、神々の導きにより、王族の一族の間の争いを戦記として壮大に描いた今回の物語は歌舞伎という古典芸能の上演形式とも極めて親和性の高いもので、今回の舞台も再演することに値するものであったが、ちょうどスーパー歌舞伎の「三国志」で次々と続編が上演されたように歌舞伎は新たな物語の鉱脈を堀り当てたのではないかと思った。