下北沢通信

MONO「ハテノウタ」@東京芸術劇場

脚本 土田英生
演出 土田英生
出演 水沼健、奥村泰彦、尾方宣久、金替康博、土田英生高橋明日香、松永渚、松原由希子、浦嶋りんこ

 ナタリーに「100歳目前の“同級生”たちを描いた音楽劇」とあったが、これは音楽劇なのか? 確かに架空の未来で過去のヒット曲をカラオケで歌うという設定になっているので、歌われる歌はすべてオリジナルに創作した架空の楽曲。それっぽい歌をそれぞれ作り込んでいるのは確かに面白い。しかし「音楽劇」と言われてしまうと違うんじゃないかと思ってしまう。カラオケを舞台にした群像会話劇であろう。
MONOの作風を端的に説明すると、現実にはあり得ないがありそうな非日常な設定の中で繰り広げられる、軽妙な日常会話劇といったところであろうか。
 「ハテノウタ」では「若さを保つ薬」が開発され皆見かけは若いままで暮らせる世界でもうすぐ100歳になるという「若い」老人たちが高校の同級生たちとカラオケボックスに集まって同窓会を開くというSF的な設定で物語が進行する。老人なので身体的にはあちこちガタが来ているのだけれど、見掛けだけは若いという人たちのなんともとぼけたようなかみ合わない会話が続く。
 土田英生、水沼健らによってMONOが旗揚げ(当時はB級プラクティス)されたのは1989年。設立からは28年、現メンバーである5人についても、時空劇場の解散もあり1998年に金替康博がMONOに参加してからでも20年近くになる。MONOのアンサンブルの特徴は劇団公演については土田がほとんど当て書きのようにキャラクターを作るため、それぞれの役どころもほどんど毎回同じといってもよく、それゆえそのやりとりは代わりができないものとなっている。

カンパニーと共に高齢化する観客の偏りにどう対応するか、初の公演特設サイトと大規模な若手俳優育成講座で見せたベテラン・MONOの挑戦http://fringe.jp/topics/casestudies/20150816.html