下北沢通信

シベリア少女鉄道 vol.28『たとえば君がそれを愛と呼べば、僕はまたひとつ罪を犯す』@赤坂RED/THEATER

作・演出:土屋亮一
出演:
篠塚茜
風間さなえ
吉田友則
加藤雅人(ラブリーヨーヨー)
浅見紘至(デス電所
葉月
佐々木ゆき
小関えりか
川田智美
濱野ゆき子
大石将弘(ままごと、ナイロン100℃
川井檸檬
安原健太
ほか

 シベリア少女鉄道(=土屋亮一)についてはほぼ同時期に登場してきたヨーロッパ企画と合わせて「彼らががほかとは大きく異なるのは彼らにとっては「演劇」がある仕掛けを実現するための前提でしかないことだ」*1と10年ほど前に「悲劇喜劇」(2007年)という演劇雑誌に書いた。当時は日本の現代演劇の中核は平田オリザの系譜を引く、現代口語演劇の作家たちであり、すでにそのなかからも岡田利規三浦大輔ら平田らが用意した射程からは大きく逸脱する作風の作家らも登場していた*2が、シベリア少女鉄道ヨーロッパ企画に関しては当時のそうした潮流からはまったく離れたところから出てきたということもあり、「異端の作家」の印象が強かった。
 ところがそれから10年がたち今彼らについて再考してみるとまったく異なる文脈を読み取ることが可能になった。ポストゼロ年代演劇の作家たちに広くみられる特徴のひとつに「作品に物語のほかにメタレベルで提供される遊戯的なルール(のようなもの)が課され、その遂行と作品の進行が同時進行する」というものがあるが、先行世代の作家たちでもっともその特徴が色濃い先駆的存在がシベリア少女鉄道の土屋亮一とヨーロッパ企画上田誠だ。それは東浩紀の語彙を引用して「ゲーム的リアリズム」と呼んでもいいと思うが、今回の新作も土屋がやりたいのは物語でも主題でもなくて、設定したルールでどういう風に遊べるのかということなんだろうと思う。
(内容については公演終了後に)
http://www.cinra.net/news/20170413-siberiashojotetsudo