京都 2017年5月27・28日 / 東京 2017年6月3・4日 / 新潟 2017年6月10・11日
振付・演出・構成 田村興一郎
拠点もスタイルも異なるパフォーマーが集った群舞作品「大きな看板の下で」。
池上×田村の初デュオ作品「I FORGOT MY UMBRELLA」。
新作振付を二作品同時上演!!新潟、東京、京都の三都市へ挑む。「大きな看板の下で」
群舞(ユニゾン)の価値を揺さぶる、
挑戦的なパフォーマンス。【出演】 内田恭太
柿澤成直
きたのさえ
久保田舞
嶋本禎子(虹色結社)
藤本茂寿
Dance Project Revo観劇。横浜ダンスコレクション最優秀新人賞の田村興一郎の新作2本立て。男性ダンスデュオの「I FORGOT MY UMBRELLA」が良かった。特に最初の方の動きが刺激的。ストリート系のムーブメントを細かく分解し繋ぎ変えた感じだが初めて見る動き。特に前半部分に動きのクリエイティビティーを感じた。
デュオのダンスは当日パンフによれば新たな振付メソッドに基づいたものということのようだが、その試みはまだ始まったばかりでまだ模索の最中といえそうだ。最初の方の動きはストリート系ダンスのブレイクダンスとアニメーションダンスが動きの素材になっているようだが、それぞれのジャンル固有の動きはバラバラに分解されていて自在に繫ぎかえられていて、ヒップホップ系の動きにフォーサイス的な脱構築を試みているようにも見えた。動きの強度はかなりのもので、まだボキャボラリーの種類自体は少ないのでこれだけで1本の作品が持つほどの多様性はないが、面白い可能性を感じさせた。
ただ、冒頭に感じたこうした方向性がさらに展開していくような期待はデュオの相手が田村の腕にコインを貼り付けた中盤以降トーンダウンしていく。メソッドというのであれば動きの質感が違ってもこの部分と最初の部分に共通する動き構築への意図のようなものが感じ取れるはずだと目を凝らしたがここにはそういうものを感じとることはできなかった。