下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。

玉田企画「あの日々の話」@北千住BoUY

玉田企画「あの日々の話」@北千住BoUY

このとき彼らは信じていました、この楽しく無垢な関係は永遠のものだと。
彼らは「俺ら誰よりもおもろいよな」と言い合った友を信じ、間違いを犯したとき泣いて殴ってくれた恩師を尊敬し、そんな彼らに「今となっては感謝している」などと素直なことを言える自らの純粋さを誇りに思っていました。そう、彼らは気づいていなかったのです。自分たちが欲にまみれ、権謀術数の限りを尽くした泥沼の聖戦に突入することになるとは。

今作品は2年前に上演した作品の再演です。
大学デビューをした若者たちによる、誰もが身に覚えのある痛々しい思い出を、滑稽かつ無様に描いた青春群像劇です。面白いと思います。お楽しみに!

作・演出: 玉田真也
出演:

浅井浩介
青山祥子
猪瀬青史
木下崇祥
菊池真琴
近藤強
富樫まなり
真臼ねづみ
山科圭太
玉田真也
舞台監督:宮田公一
舞台美術:濱崎賢二(青年団
照明:井坂浩(青年団
音響:池田野歩
衣装:根岸麻子(sunui)
演出助手:川井檸檬
構成協力:木下崇祥
制作:足立悠子、小西朝子、井坂浩
宣伝美術:牧寿次郎
宣伝写真:馬込将充
主催・企画制作:玉田企画
協力:イトーカンパニーダックスープ、BELLONA MODEL AGENCY、レトル、うめめ、青年団、sunui

青年団リンクから一定以上の評価を受けたとしてホエイに続き、玉田企画が独立。独立第1作目として代表作ともいえる「あの日々の話」を上演した。
10人中5人と初演キャストの半数が入れ代わっていて、雰囲気が変わってもおかしくないのにほぼ違和感のない作品として受け取れるのはひとつには玉田真也の戯曲がいっけんさりげなく当てがきにすぎないように思われて実は登場人物についてそれぞれ明確な人物造形が戯曲に盛り込まれているということだろう。
初演が玉田企画の代表作的な舞台だったとはいえ、この時点での再演はやや早いのではとも思われたのだが、今回の再演には明確な目的があって、それはこの作品を自らが監督も手がけて映画化して公開するという計画が現在進行中であるためだ。映画化に向けては資金集めのためにすでにクラウドファンディングも立ち上がっており、興味を持った人はこのサイト*1も参照してみてほしい。
ある大学のテニスサークルの役員を決める年次総会の後、カラオケボックスでの一夜を描いた群像会話劇。透明な壁越しに覗きこむような感覚といえば以前は平田オリザの作品についていわれ、その後、ポツドール三浦大輔がその解像度をアップデートしたが、玉田の描きだす世界はより微細に構築されながら、より無意味な世界。いたたまれなさ、馬鹿馬鹿しさに思わず笑ってしまう。

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