下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。

妖精大図鑑とロリータ男爵

妖精大図鑑とロリータ男爵

多摩美術大学出身の妖精大図鑑という劇団に注目している。この劇団で演出、振付を担当している永野百合子が横浜ダンスコンペティションII・若手振付家部門の最優秀新人賞を受賞し、さらには同じコンペティションに同劇団に常連として出演している小林菜々もファイネリストとして名を連ねていた。少し調べてみるとどうやら妖精大図鑑というのはダンスカンパニーというよりは劇団のようで、実はコンペの振付作品は私個人としては「ダンスというよりは演劇である」との判断からあまり高い評価をしていなかったのだが劇団となれば話はまったく別だ。
 永野本人からも話を聞き、Youtubeに作品抜粋があるというので少し見てみた。多摩美術大学といえば少し先輩に快快があるが、映像を見る限りはこじゃれた感じの快快とはまるで違う傾向だ。ところがこのテイストに近い舞台はどこかで見た記憶があると考えてみるとそれはロリータ男爵なのであった。もちろん、永野らは快快の名前を出してもあまりピンとは来ていないようであったし、ましてや先輩とはいえロリータ男爵は1995年の旗揚げであるから、20年近くのタイムラグがあるうえに2014年が最後の公演で活動休止状態にあること。逆に妖精大図鑑は多摩美術大学映像演劇学科の同期が集い結成だから短期間活動期間はかぶってはいるものの名前も知らなかったようだ。
 ただ、この2つの劇団は活動時期が20年ぐらいずれているという以外ではどちらもヘタウマ的なミュージカル劇団であること。劇団内部・周辺に美術をはじめとするスタッフをかかえ、ユニークな美術が売りのひとつであるということ、悪意のある童話じみた作風などでは共通点がある。妖精大図鑑の次回の本公演は7月に横浜STSPOTで予定されているようなのでぜひ行きたいと思う。最近公演がないので寂しく思っているかつてのロリ男ファンは一度見てみるべきだろう。ちなみに次回公演に出るのかは不明だが、小林菜々にはアイドル的魅力がある。


妖精大図鑑
www.youtube.com

ロリータ男爵
www.youtube.com