下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。

GIRLS’ FACTORY NEXT DAY3@Zepp Tokyo

GIRLS’ FACTORY NEXT DAY3@Zepp Tokyo

http://www.fujitv.co.jp/otogumi/GFN18/

出演者:伊藤千由李(チームしゃちほこ)、彩木咲良たこやきレインボー)、栗もえか(栗本柚希×鈴木萌花)、雨宮かのん、はちみつロケット、ガチンコ☆ (ガチンコスター) 、REVERBEE、他

 DAY3というのでいつDAY1、DAY2があったのかと悩んだのだが、昨年のがそうなのね。ギターの弾き語りで歌うらしい伊藤千由李(チームしゃちほこ)、彩木咲良たこやきレインボー)が楽しみ。特に彩木は何を見せてくれるのだろうか。事務所の壁を越えたアイドルユニットと言うガチンコ☆ (ガチンコスター)のお披露目にも注目したい。これはHKTのメンバーを入れることでスタダ内ユニットでは入りにくいイベントや番組への出演も狙うという野心的なユニットじゃないかと思う。
全体としてはちょっと不可思議なラインナップになっているけれど、これはできるだけ夏Sの混成ユニットとかとの重複を避けるという意味合いがあるからか。

http://www.fujitv.co.jp/otogumi/setlist180714.pdf
GIRLS’ FACTORY NEXT DAY3はももいろフォーク村などを担当するきくちPの演出によるアイドルフェスティバルだが、現在数多く存在するアイドルフェスと大きく違うのはガチンコ☆ (ガチンコスター) など少数の例外を除けばほぼ全編がアイドル自身の楽器の弾き語りやアンプラグドによる歌唱など普段とはまったく違う音楽的な内容により、構成されていることだ。きくちPにはその強すぎる個性から一定数以上のアンチ的立場を取るひとがいるが、彼らが何と言おうとこの日のようなライブを企画実行できるのは彼だけだし、その実力は認めざるを得ないのではないかと思う。
 私が個人的にこの日一番の驚きだったのはたこやきレインボー彩木咲良のギターの弾き語りによるソロライブのセクション。なかんずく、自らが作詞した「女の子」という楽曲の歌詞の衝撃だった。私自身はたこ虹のピンク担当といかにもアイドルという振る舞いからあーりんの後継者のようにイメージしていたのだが、「女の子らしく可愛いといわれるのは好きじゃない」とか「ピンクも好きだが、本当は黒が好き」とかこの段階で言っちゃうのはどうよと思い驚いたのだ。ちなみにその歌詞に合わせてはこの日の衣装は全身黒装束なのだった。
  一方、こちらはきくちPの無茶振りが明白だったが、栗もえかがレッドツエッペリンの「天国への階段」を弾き語りで歌ったのにも驚いた。こと歌唱力という面では特にハイトーンの部分を強い声質でアタックできるという意味ではスタダをやめた過去の歌姫である杏果やぁぃぁぃと比べても一歩抜きんでたレベルに成長してきたと思う*1
とはいえ、歌唱力というのはハイトーンが出るとかいうようなテクニックや素質だけではないというのをこの日見せ付けたのが伊藤千由李(チームしゃちほこ)のソロだったと思う。この日のライブもよかったが、この人には出来るだけ早く杏果がやったような本格的なソロコンサートをやってもらいたいと思った。ギターの演奏といいバンドでの歌唱といい、ソロ歌手としても十分にやっていけるポテンシャルを持っている。他のメンバーは栗もえかがレッドツエッペリンの「天国への階段」が数日前にイントロ以外のデモテープを渡されたというようにきくちPの指示通りに動いていた感があったのに対して、伊藤千由李はかなりの部分は音楽監督と相談したことはあっても選曲ひとつをとっても自己プロデュースの側面が強かったのではないかと思わせた。音楽に関しては入り込みすぎそうな性格も感じられるためにソロコンについてのハンドリングは慎重にしてほしい部分もあるが、ぜひやってほしいし、できれば名古屋以外でもやってくれないかなとも思う。

*1:誤解のないように言えば歌による表現力の部分では杏果やぁぃぁぃの方が数段上だが、何と言っても2人ともまだ十代だ