下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。

現代口語演劇とボーカロイドの関係について

VOCALOIDに感情はいらない」@平田義久

VOCALOIDに感情はいらない」@平田義久を読んでみた。実は以前、平田オリザの現代口語演劇理論に基づくロボット演劇と初音ミクに代表されるボーカロイドの関係を論じた「平田オリザ/ロボット演劇/初音ミク*1という論考を演劇批評誌「シアターアーツ」に掲載したことがあった。私としては渾身の力作だったのだが、一般的な反響はほぼないに等しく、落胆させられたのだが、最大の理由は初音ミクを知る人の多くは平田オリザのことを知らず、平田オリザに興味を持つ演劇関係者は初音ミクのことを知らないうえに興味も持っていなかったからだと考えている。
 それだけに音声合成ソフト、初音ミクを用いて実際に楽曲制作を行っているボカロPの平田義久さんがボーカロイドとロボット演劇の関係について考察した論考「VOCALOIDに感情はいらない」を執筆、ネットで公開したことには大変心強く思ったのである*2
実は現在心ひそかに考えている野望がある。とはいえ、論考「平田オリザ/ロボット演劇/初音ミク」の最後にもう書いてしまっているから、ひそかにという表現は不適切ともいえそうだが、「ここまで初音ミク、ロボット演劇、平田オリザの関係について考えてきたが、ここに来てまだ未踏の領域が可能性として残っていることに気が付いた。この場合、初音ミクという固有のソフトがその能力上のスペックをどこまで持っているかというのが分からないので何とも言えないが、ボーカロイドがデジタル音源により人間の声をシュミレートする能力を持っている限りで、平田オリザによる初音ミク劇というのをぜひいつか見てみたい」というのが私の野望である。
 その時点では私はボカロ関係者には何のつてもなかったし、演劇プロデューサーでもなく、お金もないので、こうした夢想は文字通り、夢物語でしかなかったのだが、平田義久さんに先日初めて実際に会った際に平田オリザの「さようなら」の脚本をほぼそのまま使って初音ミクオペラが作れないかというアイデアをぶつけてみたところ、それは現在でももう技術的には全然可能ではないかという意見をもらうことができた。
 そういうわけで夢に向けて前進していきたいのだけれど、とりあえずまずはボカロ音楽の作り手(この場合はいまのところは一義的には平田義久さん)と作品制作をしてみたい、あるいは興味があるようという人はいないだろうか。彼の作品へのリンクもいくつか貼っておくので興味のある人がいればぜひ(simokita123@gmail.com)までメールしてみてほしい。年明けに関連のレクチャーも予定しているので見に行きたいとの便りでもいいです。

Hit The Floor / 初音ミクetc. MV