下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。

アーサー・C・クラーク「地球幼年期の終わり」とアニゴジ3部作 アニメ映画「GODZILLA 星を喰う者」@横浜ブルク13

アニメ映画「GODZILLA 星を喰う者」@横浜ブルク13

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CAST&STAFF
キャスト
宮野真守 櫻井孝宏 花澤香菜 杉田智和 梶裕貴 小野大輔 堀内賢雄 中井和哉 山路和弘 上田麗奈 小澤亜李 早見沙織 鈴村健一
監督
静野孔文瀬下寛之
ストーリー原案・脚本
虚淵玄ニトロプラス
キャラクターデザイン原案
コザキユースケ
音楽
服部隆之
副監督
吉平”Tady”直弘・安藤裕章
プロダクションデザイン
田中直哉・Ferdinando Patulli
CGキャラクターデザイン
森山佑樹
造形監督
片塰満則
美術監督
渋谷幸弘
色彩設計
野地弘納
音響監督
本山 哲
主題歌
「live and die」XAI(TOHO animation RECORDS
アニメーション制作
ポリゴン・ピクチュアズ
製作
東宝
配給
東宝映像事業部

 このアニメ版ゴジラシリーズの第1部となる「怪獣惑星」*1鑑賞後の感想で書いたことが結局、かなりの割合で的中していたのではないか。さすがに第2部のメカゴジラがあんな風だとか、今回のギドラがこんな風だったというところまでは予想できなかったけれどSFとしてはアーサー・C・クラーク地球幼年期の終わり」を下敷きにしているんじゃないか*2というのはおおむね正解だったのではないかと思うのだ。とはいえ、結末は全然違うのでそれほど似ているようには思えないかもしれないのだけれど。
 現に「地球幼年期の終わり」ということであればテレパシー能力を持つ新人類のような存在が個を超えた超越的な生命体に進化していくというビジョンがある。このアニメ版ゴジラでは人類がゴジラの脅威を逃れるために宇宙に逃げ出した後で地球に取り残された人類から進化したフツアはテレパシー能力を持つのだが、ギドラを神とするエクシフの一族は自らも強力なテレパス能力を持つ存在として描かれているためにフツアのテレパス能力がことさら重要なものとして取り沙汰されるということはない。とはいえ、全体の物語の中で人類、ビルサルド、エクシフが滅び、彼らのみが生き残る(彼らの定義によえば勝利する)という結末になっているのは面白い。
 実はハルオが選択する今回の結末については釈然としないところがあったのだけれど、機械文明との親和性の低いフツアがとりあえず生き残るためにはナノメタルという科学技術を手に入れた人類というのは最大の敵となりうることは確かであるし、生まれてくるハルオの子供たちにとってもまず脅威となりうる。それを考えればあの結論はありえる帰結でもあるし、最後の最後にそれまでモスラを彼らの神として崇めていた彼らが今度はゴジラを「お怒り様」つまり怒れる神、荒ぶる神として信仰するようになるというのはおおいにありうることだろうと思うのだ。

*1:simokitazawa.hatenablog.com

*2:宇宙人が2種類出てくるところなどはまずアーサー・C・クラークのSF「地球幼年期の終わり」に登場する超越君主the Overlordオーバーロード)と超越精神the Overmind(オーバーマインド)を連想させる。そうだとすると高度な科学技術を持つという宇宙人が2種類出てくるところなどはまずアーサー・C・クラークのSF「地球幼年期の終わり」に登場する超越君主the Overlordオーバーロード)と超越精神the Overmind(オーバーマインド)を連想させる。そうだとすると高度な科学技術を持つというビルサルド(オーバーロードにあたる)は第1部ではあまり表面に出てくることはないが、彼らがメカゴジラ(機龍)を作ったことは間違いないので、第2部では彼らが中心になるというのでは言い過ぎとしてももう少し前面に出て来るのは間違いない。この2つの種族は今はともにゴジラを倒すという利害の一致から協力をしているようだが、もともとそれぞれが異なる目的のために動いているとも思われ、対ゴジラ部隊の地球派遣にもそれぞれ思惑がありそうだ。