下北沢通信

中西理の下北沢通信

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無隣館若手自主企画 vol.25 木村和博企画「いっぱいいっぱい讃歌」@小竹向原アトリ春風舎

無隣館若手自主企画 vol.25 木村和博企画「いっぱいいっぱい讃歌」@小竹向原アトリ春風舎

作・演出:木村和博


彼らはかつて「ちょっとしんどい」と思えていました。

しかし、言葉を飲み込みすぎて忘れました。ゲップはよく出ます。

ある人は缶チューハイを飲みながらトランスジェンダーアイドルユニットのDVDを眺め、ある人は捻出したお金を風俗に使い、ある人は夢もやりたいこともないまま、社会のまともな方に入ることだけを目指し、ある人は理想の貧困を演じてクラウドファンディングしている。最近あちこちから、ゲップのにおいが漂ってきます。

木村和博
無隣館三期演出部に所属。演劇ユニット「いきずり」主宰

2016年、第7回せんがわ劇場演劇コンクールのファイナリストに選出され『げびた驢馬』を上演。2017年、第2回かながわかもめ演劇祭短編戯曲賞にて『ぞめく母』が最終候補作に選ばれる。2018年4月からは、コンテンツ制作会社に入社し、編集者・ライターとして生計を立てている。大学進学のために借りた奨学金の返済に怯える日々。

出演

串尾一輝(青年団/グループ・野原)
外桂士朗(無隣館)
坊薗初菜(無隣館)
堀紗織(無隣館)

スタッフ

舞台美術:鬼木美佳(無隣館)
照明:中佐真梨香(空間企画)
舞台監督:久保田智也
宣伝美術:嵯峨ふみか
制作:仙波瑠璃(無隣館)
総合プロデューサー 平田オリザ
技術協力 :大池容子(アゴラ企画)
制作協力:木元太郎(アゴラ企画)

 何がやりたいのか、作品の意図がいまひとつ分からないというのが現時点での印象。無隣館所属の若手作家であり、この時期の若手は作品ごとに印象が変わるから、引き続き注目していきたいが、この作品は少し退屈だった。