下北沢通信

中西理の下北沢通信

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たこやきレインボー(たこ虹)<軟体的なボヤージュ ~あなたとの約束~>BLACK@東京・Zepp DiverCity

たこやきレインボー(たこ虹)<軟体的なボヤージュ ~あなたとの約束~>BLACK@東京・Zepp DiverCity

2019年5月3日(金・祝)

1 Rainbow Plane
2 ウエッサイ・ストーリー
3 なにわのはにわ (CLUB RAINBOW Remix)
4 ちちんぷいぷいぷい
5 尼崎テクノ
6 どっとjp ジャパーン!
7 an umbrella
8 にじースターダスト
9 私、ただ恋をしている
10 Boules de poulpes S’il vous plait
11 踊れ!命尽きるまで
12 アゲたこノーティーFunk
13 めっちゃDISCO
14 元気売りの少女 〜浪速名歌五十選〜 (CLUB RAINBOW Remix)
15 疾風
16 SuperSpark
17 虹色進化論 (CLUB RAINBOW Remix)

En-1 絶唱!なにわで生まれた少女たち (CLUB RAINBOW Remix)
En-2 ナナイロダン
En-3 RAINBOW 〜私は私やねんから〜
En-4 あなたとの約束

 たこやきレインボー(たこ虹)の新アルバム「軟体的なボヤージュ」 を引っさげての東販アルバムツアーに相応しく冒頭はこのツアーが初披露となった「Rainbow Plane」(作詞作曲:invisible manners)の激しいダンスをともなってのパフォーマンスからスタートした。
 以前「夏S」のももクロトリビュートでモノノフの間でも話題となった「Blast!」をやった時にたこ虹のマネージャーである番長が「うちにもこういうカッコいいナンバーが欲しかった」とこぼしていたのが記憶に新しいが「Blast!」の作者であるinvisible mannersの提供曲である「Rainbow Plane」は文字通りたこ虹版「Blast!」といってもいい楽曲で、今回黒衣装のエイベックス・アーティストアカデミー東京校の生徒たちをバックダンサーとして展開したパフォーマンスはダンス・歌唱の完成度といいカッコよさといいももクロにも負けないレベルのものであった。
 続けてはももクロもまだない氣志團提供のオリジナル楽曲「ウエッサイ・ストーリー」も披露。ももクロファンである私にはこの立ち上がりは「わたしたちも負けけへんで」という挑戦状にも見えてきた。特に最初の「Rainbow Plane」はスタダ×avexの両方のよさを結晶させたような圧倒的なカッコよさがあった。アイドルグループとしてのスペックの高さを再認識。 
 一方、ももクロとの大きな違いはメンバーのセルフプロデュース力を伸ばし、それをグループ活動本体にも生かすことに力を注いでいることだ。それを象徴するのが、さくちゃんが作詞を手掛けた「Superspark 」。作曲、編曲の手柄もあろうが、これもメンバー発とは思えないほどスタイリッシュ。
 映像、照明などにもこだわり、ライブ全体をひとつの作品のように作り込んでいった中で、新アルバムの楽曲だけでなく、インディーズ時代の楽曲もきちんと盛り込んでいるのも今回のライブのよさであろう。たこ虹の場合、初期のヒャダイン曲に代表されるわちゃわちゃ要素の強い楽曲と最近の楽曲では雰囲気にはっきりした違いがあり、極端な言い方をすれば水と油のようなところもあった。そしてもっと問題なのはファンが自分の好きなたこ虹に固執するあまり、互いにディスりあうというようなことも起きて、グループの足を引っ張っている時もあった。