下北沢通信

中西理の下北沢通信

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「ポストゼロ年代演劇の新潮流  平田オリザを継ぐものたちvol.1 ゲスト山田百次」@三鷹SCOOL セミネールin東京

「ポストゼロ年代演劇の新潮流  平田オリザを継ぐものたちvol.1 ゲスト山田百次」Web講義準備@三鷹SCOOL セミネールin東京

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山田百次
【日時】2019年7月1日(月)p.m.7:30~
【ゲスト】山田百次(劇団ホエイ、劇団野の上)
【場所】三鷹SCOOLにて (JR中央線三鷹駅南口・中央通り直進3分 右手にある「おもちゃのふぢや」ビル5階)
【料金】前売:2000円
当日:2500円 (+1drinkオーダー)

セミネールに向けて


 平成が終わり、令和の時代が始まった。この機を捉えて個人的に「平成の舞台芸術30本」を選んでみた。その中で直近の10年に著しい活躍をした作家、演出家の作品も何本か選ぶことになったが、今回のゲスト、山田百次もそのひとりである。青年団の演出部所属、青年団の俳優である河村竜也とともに劇団ホエイを設立。昨年上演した「郷愁の丘ロマンピア」は岸田國士戯曲賞の最終選考にノミネートされた。出演した舞台の演技も高い評価を得るなど俳優としての存在感も増してきている。今回は山田百次をゲストにその舞台の魅力に迫っていきたい。
 私が平成の演劇の基点と考えているのが平田オリザの「東京ノート」だ。平田の影響力は及んでいるのはかならずしも平田と同じような現代口語演劇、群像会話劇の作家にとどまらない。「ポストゼロ年代演劇」の若手の作家たちにもそれぞれの立場で平田を継承しよういう気鋭の作家は登場している。セミネールでは今後こうした新たな動きを起こす中核となりそうな作家たちを取り上げていきたい。
 平田オリザと同様現代口語演劇の初期を牽引した劇作家・演出家に弘前劇場長谷川孝治がいた。今回取り上げる山田百次は俳優としてその弘前劇場に長らく所属して、演劇人としての礎を築いた。同劇団退団後上京。青森在住の女優らと立ち上げた「劇団野の上」での活動をへて、劇作家としての研鑽を積み現在は青年団演出部に所属している。
  「郷愁の丘ロマンピア」「喫茶ティファニー」など代表作では経済優先の戦後の日本のあり方から取り残されたような人々を取り上げ、現在共同主宰する「劇団ホエイ」は乳製品を作る際に搾りかすとして捨てられてきた「乳清(ホエイ)」が食品として再活用されるように辺境や周縁の地に光を当て、そこに埋もれていた出来事を掘り起こす劇を作ることを目指している。