下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

SPAC「イナバとナバホの白兎」@静岡芸術劇場

SPAC「イナバとナバホの白兎」@静岡芸術劇場

【演出家プロフィール】
宮城聰(みやぎ・さとし)
1959年東京生まれ。東京大学で演劇論を学び、90年ク・ナウカ旗揚げ。国際的な公演活動を展開し、同時代的テキスト解釈とアジア演劇の身体技法や様式性を融合させた演出で国内外から高い評価を得る。2007年4月SPAC芸術総監督に就任。14年アヴィニョン演劇祭から招聘された『マハーバーラタ』の成功を受け、17年『アンティゴネ』を同演劇祭のオープニング作品として法王庁中庭で上演。アジアの演劇がオープニングに選ばれたのは同演劇祭史上初めてのことであり、その作品世界は大きな反響を呼んだ。平成29年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞。19年4月フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。

『イナバとナバホの白兎』パリ公演
Le lièvre blanc d’Inaba et des Navajos

日時:
2019年
6月19日(水)20:00
6月20日(木)20:00
6月21日(金)20:00
6月22日(土)18:00
6月23日(日)17:00

会場:
フランス国立ケ・ブランリー美術館 クロード・レヴィ=ストロース劇場
Le musée du quai Branly, Théâtre Claude Lévi-Strauss

*ケ・ブランリー美術館ウェブサイトでの公演案内はこちら(仏語のみ)

▲2016年 ケ・ブランリー美術館での初演時のポスター

◆ケ・ブランリー美術館 Musée du quai Branly
ルーブル、オルセー、ポンピドーとともにパリの4大美術館に数えられるケ・ブランリー美術館は、2006年、非西洋芸術に深い関心を寄せるシラク元大統領の肝いりによりフランスにおける非ヨーロッパ圏芸術の殿堂としてオープンした。以来、西欧中心の芸術観に対するアンチテーゼとして、パリの国立美術館の中でも最先端の思想で運営されている。 www.quaibranly.fr

◆宮城聰と同美術館のあゆみ
2006年、フランス国立ケ・ブランリー美術館 クロード・レヴィ=ストロース劇場のこけら落とし公演として、『マハーバーラタ~ナラ王の冒険~』を上演。
2013年、SPACフランス公演ツアーの一環として同劇場で『マハーバーラタ~ナラ王の冒険~』を上演。(他、ル・アーヴル、ルヴァロワ=ペレ、カーンの3都市を巡演し、全9公演を実施した。)
2016年、同館より再び熱いラブコールが寄せられ、開館10周年記念委嘱作品として『イナバとナバホの白兎』を約2週間にわたって上演。
*2016年初演時の詳細はこちら

レヴィ=ストロースが私たちに託した仮説を、
演劇で読み解く祝祭音楽劇が、いよいよ静岡芸術劇場に初登場!

大国主命(おおくにぬしのみこと)は旅の途中、ワニをだまし深手を負った白うさぎを助ける。「古事記」にも描かれたこのエピソードは、北米先住民の伝承神話にも存在していた?! 「アジアで生まれた神話の一体系が日本に伝わり、のちに北米にも伝わったのではないか――」、20世紀最大の思想家・文化人類学クロード・レヴィ=ストロースによるこの大胆な仮説を、演劇的想像力で読み解いていく。

2016年に駿府城公園でのプレ上演を経て、フランス国立ケ・ブランリー美術館の開館10周年記念委嘱作品として初演され、レヴィ=ストロース没後10年となる今年、早くも再演が決定。パリ公演に先駆け、演出も新たに静岡芸術劇場での上演が実現する!

構成・演出: 宮城聰
台本: 久保田梓美 & 出演者一同による共同創作
音楽: 棚川寛子
空間構成: 木津潤平
照明デザイン: 大迫浩二
衣裳・仮面デザイン: 高橋佳代
美術デザイン:深沢襟
ヘアメイクデザイン:梶田キョウコ


キャスト

赤松直美、阿部一徳、石井萠水、大内米治、大高浩一、加藤幸夫、小長谷勝彦、榊原有美、桜内結う、佐藤ゆず、杉山賢、鈴木真理子、大道無門優也、武石守正、舘野百代、寺内亜矢子、ながいさやこ、野口俊丞、本多麻紀、牧山祐大、宮城嶋遥加、森山冬子、山本実幸、吉植荘一郎、吉見亮 (五十音順)

 フランスの構造主義創始者の1人で文化人類学者でもあるクロード・レヴィ=ストロースの日本神話についての論考を基にSPACメンバーが製作した神話的音楽劇である。
 フランス国立ケ・ブランリー美術館の委嘱により、2016年に製作した作品の再演ということになるが、実は宮城聰(SPAC)と同美術館の間には浅からぬ縁がある。