下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。

佐々木彩夏ソロコンサート「AYAKA NATION 2019 in Yokohama Arena」

佐々木彩夏ソロコンサート「AYAKA NATION 2019 in Yokohama Arena」

佐々木彩夏ソロコンサート
「AYAKA NATION 2019 in Yokohama Arena」

出演:佐々木彩夏
会場:神奈川県・横浜アリーナ 【MAP】
日時:2019年6月23日(日) open 17:00 / start 18:00 / (20:30終演予定)


佐々木彩夏「AYAKA NATION 2019 in Yokohama Arena」2019年6月23日
横浜アリーナ セットリスト

SE. あーりんちゅあ
01. Bunny Gone Bad
02. レディ・メイ
03. Ladies Night(オリジナル:浜崎あゆみ
04. My Hamburger Boy(浮気なハンバーガーボーイ)
05. おとなの掟(オリジナル:Doughnuts Hole)
06. Moon Revenge
07. 月のワルツ(オリジナル:諫山実生
08. Memories, Stories
09. キューティーハニー
10. My Cherry Pie(小粋なチェリーパイ)
11. ROCK THE BOAT
12. READY STEADY GO(オリジナル:L'Arc-en-Ciel)
13. HONEY(オリジナル:L'Arc-en-Ciel)
14. キミとセカイ
15. チェリーブラッサム(オリジナル:松田聖子
16. 君が好きだと叫びたい(オリジナル:BAAD
17. 天国のでたらめ
18. Grenade feat. 佐々木彩夏(オリジナル:TeddyLoid)
19. 月虹
<アンコール>
20. あーりんは反抗期!
21. チントンシャン!
22. スウィート・エイティーン・ブギ
23. Early SUMMER!!!
24. あーりんはあーりん▽
25. だって あーりんなんだもーん☆

佐々木彩夏「AYAKA NATION 2019」

2020年7月12日(日)神奈川県 横浜アリーナ

有安杏果のソロコンはライブだが、佐々木彩夏のソロコンはショーであるとかつて書いた記憶があるが、今回はそのショーとして最高傑作だったことは間違いない。ショーということであれば生では見ることが出来なかったが、先日行われたももいろクローバーZ「5th ALBUM『MOMOIRO CLOVER Z』SHOW at 東京キネマ倶楽部」のライブをももクロ史上最高のライブと書いたが、今回の佐々木彩夏(あーりん)ソロコンサートもそれに迫る水準のものであった。
パフォーマー本人の歌唱力の向上であるとかの1年の間の進歩ももちろん特筆べきものには違いないが、今回のソロコンで驚嘆すべきなのはアイドルの後輩(アメフラっシ、クラウンポップ、DAN→JOの女性パフォーマー)をダンサーに起用しながら全体を「森のなかに住む動物たち」というイメージでまとめていき、それを子供っぽいものではなく、大人も十分に堪能できるようなファッション性も楽しめるものとしてまとめあげた演出家としての能力の高さだ。

カルテット主題歌 おとなの掟 / Doughnuts Hole (椎名林檎 )
 動物の森がテーマと冒頭の映像でいうから、着ぐるみを着て、子供番組みたいな世界を予想したら一転して、キュートかつ大人な世界。新曲「Bunny Gone Bad」はともかく、まだキネマ倶楽部でしか生披露していない「レディ・メイ」を一人で妖艶に歌い上げたのには驚嘆した。さらに序盤戦では椎名林檎提供のドラマ主題歌「おとなの掟」(オリジナル:Doughnuts Hole)、「Moon Revenge」、「月のワルツ」(オリジナル:諫山実生)とももクロではあまり歌わなかったような大人の女性を強調した曲目が続いたが、すべて何の違和感もなく歌いこなしているところに最近、特にここ1年での著しい成長振りを感じさせた。佐々木彩夏に関しては以前は「アイドルとしてのあーりん」を意識しすぎるあまり、鼻にかかったような発声が気になったが、以前、ボイストレーナーがしゃくりの歌唱法を繰り返し練習させている動画を見て、あれは地声や癖ではなくてああいう風に演出されているのではないかとの疑問を感じていたが、今年のソロコンなどを見てみるとアイドル曲ではあーりんの歌唱、こうした大人の色気が必要な曲ではより成熟した歌声と自在に使いこなせる範囲が広がっていることがはっきりと分かった。
 それでいて、 「キューティーハニー」、「My Cherry Pie(小粋なチェリーパイ)」、「君が好きだと叫びたい(オリジナル:BAAD)」では会場に来ていたアイドルたちやバックダンサーの後輩にも見せ付けるように「アイドルあーりん」の魅力を演じつくしてみせるのもまさにプロフェッショナルなのである。
 ももクロ曲もいつもよりも多く、ソロで披露してみせたが、先の「レディ・メイ」や「ROCK THE BOAT」などはグループで見せるときとはまた違った趣きに仕立て上げてみせた。「ROCK THE BOAT」などはグループの楽曲としては印象的な「揺らしちゃう」などで玉井詩織曲のイメージが強いのだが、「この曲もらっちゃうわよ」といわんばかりで、会場にいた玉井も思わず苦笑いだったんじゃないだろうか。
 後輩のアイドルたちをどのように活用するかを見るのもあーりんソロコンの楽しみのひとつだが、今回はダンスが得意なグループを集めた。