下北沢通信

中西理の下北沢通信

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第1回 劇カフェ 「能と天皇―儀礼としての能を考える」

第1回 劇カフェ 「能と天皇儀礼としての能を考える」

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本年度から「劇カフェ」と題し、AICT会員の皆様を招き、演劇についての専門的でわかりやすいトーク&レクチャー企画を行うこととなりました。

まず初年度は「演劇は天皇(制)をどう表現してきたか?」を年間テーマとし、第1回となる今回は「能」を取りあげます。
明治維新を境に、軍国主義化を進める日本国家に能が演劇としていかに関わったかに焦点を当て、第二次大戦時の新作『忠霊』『御軍船』や、皇室をはばかり上演自粛・停止した『蝉丸』と『大原御幸』の問題などを取り扱う予定です。

◎第1回 劇カフェ 「能と天皇儀礼としての能を考える」
トーク】小田幸子(能・狂言研究家・AICT事務局長)
【聞き手】山本健一演劇評論家・AICT会長)
【日時】2019年7月2日(火)18:30~20:30(予定)
【会場】座・高円寺 地下3階 けいこ場2(JR中央線高円寺駅北口 徒歩5分)
【参加費】一般=500円、AICT会員・学生=無料 ★事前申し込み不要

【問い合わせ】aictjapan@gmail.com
【主催】国際演劇評論家協会日本センター/シアターアーツ
【協力】NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺

 劇カフェはこの日聞き手も務めた山本健一国際演劇評論家協会日本センター会長による新企画で今回が第1回目となった。今回は能・狂言研究家である小田幸子氏がトークを担当。専門である能において戦時に禁止あるいは自粛された演目『蝉丸』『大原御幸』と新作能『忠霊』『御軍船』をつい通じて伝統芸能とそれが時の政治にかかわっていくさまが小田氏の解説と聴き手の山本会長の司会によって引き出されていったのは興味深いことではあった。
 実はこの劇カフェの企画については私自身もスタッフとして関わることになったのだが、この日はまさに学会での発表やシンポジウムのようにも見え、もう少しラフな感じの茶話会的なものを予測していた私としては来年以降メインで何かを発表することにもなりそうなのだが、少し困惑を隠せなかったのも確かなのだ。いずれにせよそれはまだ来年のことなので、これからこの劇カフェの内容としても適当な主題がなにかあるかを考えていきたいと思う。