下北沢通信

中西理の下北沢通信

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流山児★事務所 創立35周年記念公演第2弾「赤玉★GANGAN~芥川なんぞ、怖くない~」@下北沢ザ・スズナリ

流山児★事務所 創立35周年記念公演第2弾「赤玉★GANGAN~芥川なんぞ、怖くない~」@下北沢ザ・スズナリ

 関東大震災後の若い文学者たちの青春劇。「芥川」の名前が副題に出てくるから、もう少し評伝劇のようなものを予想して見たが、実在の文学者はほとんど登場人物の会話の中の噂話として登場する程度であった。
 戯曲のテキストは会話劇的な色彩が強いが、登場人物の1人を普段は吃音でしかしゃべれないが、歌を歌う時だけは普通にコミュニケーションができるという人物に設定し、彼を中心にした一座が活動する場面や彼が歌で心情を伝えようという設定を頻繁に挟み込むことで舞台がブレヒト的な音楽劇のような様相をまとうようにした工夫があり、それゆえかこの舞台全体からもブレヒトの影響を強く受けた日本のアングラ劇団(例えば黒テント)の香りを感じさせるようなものになっていた。

作:秋之桜子(西瓜糖)
演出:高橋正徳(文学座
芸術監督:流山児祥

2019年
8月21日(水)~27日(火)

明治天皇が亡くなり乃木大将が殉死し「力」の時代が終わりを告げた大正時代、関東大震災があなたや私に傷跡を残していったあと、若い作家たちは次に書くものは何かを探していた。

芥川龍之介菊池寛、人気の島田清次郎…偉大な先輩作家の影に抗いながら、自分の中の嫉妬心に恐怖しながら、家族も友人も恋人も巻き込みながら頭の中のネジをギシギシと巻き上げる。

「真実って何だ?書きたいものって何だ?生きるってなんだ?」

◆出演◆

上田和弘
平野直美
坂井香奈美
武田智弘
山下直哉
山丸莉菜

井村タカオ

今村洋一
中島歩
永澤洋(花組芝居
奥田一平(文学座
玉木惣一郎
山像かおり

◆スタッフ◆
音楽:坂本弘道
振付:北村真実 
美術:乘峯雅寛
照明:沖野隆一
音響:原島正治
衣裳:小林巨和
舞台監督:小林岳郎
演出助手:谷こころ
稽古場スタッフ:春はるか、赤根萌香
制作:米山恭子
宣伝美術:オザワミカ
舞台写真:横田敦史

◆協力◆
フクダ&Co.
文学座
mami dance space
RYU CONNECTION
パシフィックボイス
TEN CARAT
花組芝居
スーパーエキセントリックシアター
(順不同)

◆主催◆
一般社団法人流山児カンパニー