東京デスロック 『Anti Human Education』 @横浜STSPOT
2019年8月31日(土)-9月8日(日)
人はいかに作られるのか、子育て、教育、理想と現実、、、
非人間的と言われる事件の背景やルソー著による近代教育のバイブル『エミール』を参照し、
ゲストによる教育現場の声を交えた「人間らしさ」を検証する抗ヒトパフォーマンス!構成・演出:多田淳之介
出演:夏目慎也 佐山和泉 伊東歌織 原田つむぎ 松﨑義邦タイムテーブル/ゲスト:
8月31日(土)15:00 / いしいみちこ(追手門学院高等学校 表現コミュニケーションコース 教諭)
9月01日(日)15:00 / 畑 文子(埼玉県立大宮高等学校 前埼玉県立富士見高等学校 国語科教諭)
9月02日(月)19:00 / 中村陽一(海城中学高等学校 国語科教諭)
9月03日(火)休演日
9月04日(水)19:00/ 齋藤美和(社会福祉法人東香会 しぜんの国保育園 small village園長)
9月05日(木)14:00/ 渡邉武俊(学校法人自由学園 JIYUアフタースクール リーダー)
9月06日(金)19:00/ 和田正宏(寄宿生活塾はじめ塾 塾長)
9月07日(土)14:00/ 齋藤夏菜子(福島県立ふたば未来学園高等学校 教諭)
9月08日(日)14:00/ 平田知之(筑波大学附属駒場中・高等学校 国語科教諭)料金:(日時指定・全席自由・整理番号付)
一般…予約 3,500円/当日 3,800円
学生…予約 2,000円/当日 2,300円
高校生以下…無料(要予約)チケット取扱い:
https://481engine.com/rsrv/pc_webform.php?d=e1efba0046&s=&PHPSESSID=896e2a3adbcd76eb428adf81f844cdb9
今回は教育がテーマ。多田淳之介はダンス作品において全体のコンセプトや構成などは多田が担うが、個々のダンスやパフォーマンスについては出演アーティストに委ねるような作り方を手掛けてきたが、この作品でも最初4人の俳優が登場してまるで本人の体験談だったかのように自らの育てられ方を語るのだが、これは全て事実ではなく、それを演じる出演者が創作したものだという。もちろん、小学生時代は優秀だったのに他人の空気を読むことにばかりかまけているうちにすっかり自分はああいう人間になりたくはないと考えていたようは人間になってしまったという最初の原田つむぎのエピソードはまだ少しは信憑性があったものの次へ次へと進むにつれてエピソードは小中学時代のいじめに復讐しようとする男(夏目)、東大を中退してI Tベンチャーを立ち上げる男(松崎)とそれはもう作り話であって事実ではないだろうということがすぐ分かるものとなっていく。もちろん、構成上そういう内容となっているということであれば個々のエピソードがもっともらしいかどうかはどうでもいいことだ。問題は何を提示しようとしてこういう構成になっているのかがよく分からないことだ。
ルソーの「エミール」が下敷きのようなのだが、そこのところは単純に舞台を見ただけではよく分からない。原著の翻訳を読み直してみる必要があるのかもしれないが、過去に見た他の多田作品がそれぞれどういう趣旨で作った作品なのかということはある程度理解できたことを考えれば今回の作品の仕掛けは今一つうまくいってないのかもしれない*1。
- 作者: ルソー,今野一雄
- 発売日: 1962
- メディア: 文庫
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