下北沢通信

中西理の下北沢通信

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愛踊祭2019決勝大会@東京シティドームホール

愛踊祭2019決勝大会@東京シティドームホール

LIVE:愛踊祭2019エリア代表決定戦ファイナリスト /
佐々木彩夏(ももいろクローバーZ)/ i☆Ris / テーマパークガール
MC:ヒャダイン佐々木彩夏(ももいろクローバーZ)

愛踊祭2019

fanicon賞 きゅい~んズ
推し武道賞 神薙ラビッツ
ベストオーディエンス賞 まばたき
審査員特別賞 mof mof
優勝 まばたき

 各地区代表+敗者復活戦の計11組のアイドルが参加、決勝大会を戦った。課題曲として「ドラえもん」「君が好きだと叫びたい」と自分たちのオリジナル曲の3曲を歌い、それを10人の審査員が審査するという仕組みだ。出演グループとして活動歴には差があるのだろうが、全体を見て思ったのはレベルが非常に高いなということだ。6、7年前にローカルアイドルによるコンクールを大阪で見たことがあるのだが、その時の印象からすると格段に実力が上がっていると思った。ただ、そうであるからこそ単に全体的にレベルが高いというのにはとどまらず既存のアイドルにはないような個性が求められたのかもしれない。
 その意味では北海道代表のまばたき(観客投票によるベストオーディエンス賞 もダブル受賞)の優勝はきわめて順当だったかもしれない。そして、次点格の審査員特別賞にまばたき同様にデュオである mof mof(広島)が入ったのも興味深かった。実は3人まで投票できるスマホによる投票で私はmof mof、きゅい~んズ、まばたきの3グループに投票したため、審査結果は順当なものに思えた。mof mofとまばたきはどちらも中学生による女の子デュオという共通点があり、そんな中でもmof mofは双生児という売りがあったが、歌唱の実力などパフォーマンスの各要素ではまばたきの方が明らかに上回り、かぶってしまったのが不運だった。とはいえ、まばたき同様にmof mofにもレコード会社の育成要望が入り、今後はライバルになるのかもしれない。

【4K】まばたき「ドラえもん」「ひこうきぐも」 湊林檎 水無瀬叶和 アクターズスタジオスターゲート校スタジオライブVol.166 (19 07 06)


【夢】響け!双子の美しいハーモニー!全国に笑顔と元気を届けます!いよいよアイドルたちの頂上決戦へ!【愛踊祭 2019】

愛踊祭
あーりんセトリ

君が好きだと叫びたい(冒頭の模範演技)

OVERTURE

キューティーハニー
Bunny Gone Bad
コントラディクション
だってあーりんなんだもん

 こんなことを書くと他の出演アイドルのファンから反感を買いかねないのだが、あーりんのパフォーマンスはこの日の出演者の中で数段抜け出ていて、いろんな意味で圧倒的だった。国民的アイドルグループの中の「アイドル・オブ・アイドル」のすさまじい存在感を見せ付けた感があった。たとえば歌がうまいとかダンステクニックがあるとかだけならあーりんに匹敵する実力を持つアイドルはメジャー契約のアイドルどころかこの日の出場アイドルにもいるのではないかと思う。ただ、ここから先はお前の主観じゃないかと言われても論理的には反論しにくいけれど、OVERTURE(あーりんちゅあ)から出てきた時の凄まじいばかりのオーラがまさにあーりんで特にこの日は12列とは言って実質8列目前後という絶好のポジションであーりんを確認することができたのでよりそれは明確になった。
 ももクロのメンバーはそれぞれに優れた資質を持つパフォーマーだと思うけれど、スター性はある夏菜子でもこういうオーラはないし、私はもともと卒業した杏果のファンだが彼女の魅力はもっとインティメイトなもの*1であーりんの存在の仕方とは対極にある。
あーりんはヒャダインとのコンビによるMCも安定。あーりんの愛踊祭MC起用は一昨年以来だが、この安定感とはまり具合を目の前でみるとちょっと代わりの人は見つからないかもとも思う。もちろん、アイドルたちを満員の会場でパフォーマンスさせるためにも集客力のあるゲストは必要なわけで、それらの条件をひとりで兼ね合うにはあーりんがやはりベストアンサーだろうと思える。ももクロにとっても本体がいくら多彩な活動をしていくとしても本籍アイドルを標榜するためには毎年のTIFとこの愛踊祭におけるあーりんのプレゼンスは欠かせないことになるかも。

【愛踊祭2019】佐々木彩夏(ももいろクローバーZ)『君が好きだと叫びたい』(敗者復活WEB予選課題曲)

【愛踊祭2017】佐々木彩夏(ももいろクローバーZ)『キューティーハニー』

idolmatsuri.jp

*1:杏果とは異なるがれにちゃんの魅力も親和性の方向だ