新春浅草歌舞伎1月公演@浅草公会堂
第一部
花の蘭平
蘭平 中村 橋之助
松王丸 尾上 松也
武部源蔵 中村 隼人
戸浪 中村 米吉
春藤玄蕃 中村 歌昇
千代 坂東 新悟
茶屋
熊鷹太郎 坂東 巳之助
田舎者麻胡六 中村 歌昇
第二部
絵本太功記
武智光秀 中村 歌昇
武智十次郎 中村 隼人
佐藤正清 中村 橋之助
操 坂東 新悟
真柴久吉 中村 錦之助
大星由良之助 尾上 松也
お軽 中村 米吉
大星力弥 中村 橋之助
富森助右衛門 中村 隼人
赤垣源蔵 中村 歌昇
寺岡平右衛門 坂東 巳之助
仮名手本忠臣蔵では松也の大星由良助がよかった。ただ、教えを受けたり、研究したのではないかと思うのだが、先月に京都南座の顔見世で片岡仁左衛門の大星由良助を見たばかりだったというのもあって、ところどころ生き写しのように似て見えた。歌舞伎の場合はこういう場合はどのように評価したらいいのかが難しい。そういうことを考えにいれずに判断すればうまく演じていたので「いい」といえるのかもしれないのだが。
一方、この日目立っていたのはお軽を演じた中村米吉だろう。まず何といっても容姿に恵まれている。妙な色気があるのも魅力だ。おまけの挨拶でこの新春浅草歌舞伎について片岡孝太郎の名前を出していたから、ひょっとしたら孝太郎の教えを受けたのかとも思った*1のだが、こちらの方は全然似ていない。というか、過去に見たどんなお軽にも似てはいなくて、お軽の演技としてこれが正解なのかどうかはまったく不明なのだがコケティッシュといっていいのか独特な魅力があるのだ。実はそれは絵本太功記の初菊においてより一層発揮されていたが、こちらはどうもやりすぎじゃないかと思わせるほどなのだった。