下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

「AKB48白熱論争」@幻冬舎新書

AKB48白熱論争」@幻冬舎新書

 私がももいろクローバーZの論考を書くきっかけになった書籍。AKB48全盛期と言っても過言ではない2012年の出版。最近家にある書籍の不要なものを古書店に売却処分するなど整理している中で本棚の奥からこの著作を発見。思わず懐かしくなって読み返してみたのだが、AKBがその当時と比べると凋落していると言わざる得ない現在読んでみると忘れていたいろんなことを思い出して懐かしい気持ちになった。
 逆に現在の冷静な目から俯瞰してみると日本の言論界においてそれなりの地位にあった(あるいはあろうしていた)4人の論客がAKBのことを真剣に論じていたという状況が幾分滑稽にも感じられたりするし、アイドルを論じているのにその内容がほとんど社会学的な見地からAKBのシステムを論じるような内容だけに偏していて、アイドルとしての本分であるライブや本来AKBの一丁目一番地であるはずの劇場公演でのそれぞれのメンバーのことなどにほとんど触れられていないことに驚くしかないけれど、こうした風潮並びに本書におけるももクロへの論難(と私が感じたこと)にはカチンと来ていた部分もあり、それに対する反論として私がアイドル同人誌「アイドル感染拡大」に書いた論考*1*2が本書とは対極的なパフォーマンス論に徹したものになったのはなぜかということも再考させられることになった。
 本書を読み直してみると同じアイドルといってもももクロとAKBが、あるいは両者のファンが全く異なる視点でそれぞれを推しているのだということが浮かび上がってくる。それが興味深かった。
 特に「それはおかしいんじゃないか」と引っかかったのは宇野常博、濱野智史の次のような発言。

 宇野「ももクロのライブには1回だけ行きました。いわゆる『戦隊もの』のパロディーであるあたりが象徴的ですけれど、昔のサブカルの良質な承継者なんだな、と思った。イベントでメンバーと同席したことがあるんですが、可愛かったですよ。でも、AKB48と違って仕組みが面白いわけじゃないので、そこまで興味がわかないんですよね」
 濱野「ももクロに関しては、『たしかにパフォーマンスはすごいから最初は魅了されるけれど、3回目ぐらいからは飽きる』という感想をよく聞きますね。曲が少ないし、メンバーも5人しかいないからでしょう。もちろんアイドルのパフォーマンスはそれがふつうで、何度行っても面白いAKBのほうが異常なんですけど」

 特に腹に据えかねたのは「たしかにパフォーマンスはすごいから最初は魅了されるけれど、3回目ぐらいからは飽きる」との発言で、そんなことを言い出せばシステム的な仕掛けがなければ「3回目ぐらいからは飽きる」というのならば「ビートルズにも同じようなことが言えるのか、馬鹿らしい」とすぐにでも反論したくて仕方がなかったのである。とはいえ、AKBグループの凋落がどこから始まったのかを考えた時に坂道グループの台頭というのは大きな要因とあったとしても、握手会と選抜総選挙というサイクルが握手会現場で起こった事件によって揺らぎだして、そこに2年にわたるコロナ禍による接触イベントからの完全撤退が最終的にとどめを刺した形になったのは間違いないのではないかと思う。
 実は最近のAKB48の活動について言えば「根も葉もRumor」に代表されるような集団での激しいダンスパフォーマンスを伴った楽曲がきっかけになってのことというのがあって、そういうことがきっかけになってももクロ佐々木彩夏(あーりん)が単身乗り込んでいって@JAMの特別プログラムとして「根も葉もRumor」コラボを行うなどパフォーマンスを通じての交流が活発になりつつあるが、これもアイドルの活動におけるライブの重要性という価値観がももクロ、AKB両者に共有されるようになってきた現状が反映された結果だと思う。

www.youtube.com
佐々木彩夏は自らが主催するアイドルフェスAYAKARNIVALにSKE、HKT、STUなど48グループの選抜メンバー(ユニット)を招聘したりして同グループとの距離感を縮めてきたこともあり、いよいよ本丸であるAKB48を同フェスに招くための外堀は埋められたかなと思ったのである。


『しおこうじフォーク村』 第136夜「ももいろフォーク村10周年」@フジテレビNEXT

『しおこうじフォーク村』第136夜「ももいろフォーク村10周年」@フジテレビNEXT


ももクロ出演週にももいろフォーク村10周年を祝う。最近恒例になりつつあるTHE ALFEEをカバーする新鋭バンドのコーナーではMINT SPECが登場、「希望の鐘が鳴る朝に」を演奏した。女性ボーカルによるTHE ALFEEカバーは難しいのかもしれない(だとすればももクロ、特に玉井詩織が毎回やっているのは実は凄いことなのかも)。この曲では音域的に言って低音域が苦しく感じられたことも確か。

www.youtube.com
 ギタリストのさんは坂崎幸之助の高校の軽音サークル(?)の後輩で筋金入りのTHE ALFEEファンなのだが、ボーカルのMiiさんは

セットリスト
M01:英雄の詩 (しおりん/THE ALFEE)
M02:momo (村長&ももクロももクロ)
M03:希望の鐘が鳴る朝に (MINT SPEC/THE ALFEE)
M04:夢花火 (MINT SPEC/MINT SPEC)
M05:MOON PRIDE (MINT SPEC&ももクロももクロ)
M06:奏 (しおりん/スキマスイッチ)
M07:チョコレート (れに/家入レオ)
M08:防人の詩 (夏菜子/さだまさし)
M09:The Stardust Memory (あーりん/小泉今日子)
M10:3年目の浮気 (ももたまい/ヒロシ&キーボー)
M11:好きになって、よかった (れに&いづみ/加藤いづみ)
M12:幸ちゃんとあーりんは反抗期! (村長&あーりん/あーりん)
M13:Best Friend (ももクロ/キロロ)
M14:secret base (ももクロ/zone)
M14:さなだ虫 (ブリーフ&トランクス&全キャスト/ブリーフ&トランクス)
M15:歌はどこへ行ったの (全キャスト/公式ソング)

くちびるの会「老獣のおたけび」@こまばアゴラ劇場

くちびるの会「老獣のおたけび」@こまばアゴラ劇場


 くちびるの会「老獣のおたけび」@こまばアゴラ劇場を観劇。岐阜県と思われる地方の実家にいる老父がある日突然象になってしまうという物語。カフカの「変身」を思わせる不条理劇を思わせるような筋立てではあるが、おそらく東京に住み劇作家をしている作者自身の境遇を幾分か反映させている*1んじゃないかを思わせる次男(薄平広樹)、実家近くに勤務し金融機関に勤める長男(木村圭介)らに突如降りかかる災難にも思われる出来事は「象になる」というメタファー(隠喩)とも、不条理ともどちらとも受け取れるが、やはり、象になった父親が認知症のような症状を引き起こしていく描写があることなどからして、年老いた父親の老後の介護などの問題を反映した物語なんだろうというのが次第に分かってくる。
 私自身は実家にいた父母ともにすでに亡くなってしまったが、弟が地元企業に就職し私は仕事の関係で東京、大阪を行ったり来たりして、老父母のことはほとんど弟にまかせきりになってしまっていた時期もあった。自分の身に引き付けて考えると身につまされるところが大いにあり、おそらく、このエピソードを介護の物語として、リアルに上演されたら、演劇として見るには辛くなるだろうと思われる。「象になる」という趣向はそういうものをエンタメ仕立てで見せていくための仕掛けとも思われた。それでも全編退屈せずに面白く見られるのは老父=象を演じた中村まこと(劇団猫のホテル)の演技によるところが大きいのではないかと思う。
 

作・演出:山本タカ
『老獣のおたけび』は、くちびるの会としては約3年ぶり、そして第7弾となる新作長編公演です。
本作は、「親子関係」、特に「父子関係」に焦点を当てた演劇作品です。
とはいえ、堅苦しいものではありません。

ある日突然、故郷で暮らす父が「象」になってしまう物語です。
「象」になった父自身はもとより、息子たちはとても困ってしまいます。
「象」がいるなんて、ご近所さんに知られたら、大ごとになってしまいます。でも家族だけで「象」の面倒を見ることなんて、現実問題としてできるのか。息子たちにも、それぞれの生活があります。
田舎特有の緊密なご近所付き合いも、息子たちの悩みの種。

そして確かに父だったはずの「象」は、次第に「象」そのものになっていきます。息子たちは、葛藤します。果たして、父を、いや、「象」をどうするべきなのだろうか? こんな感じのあらすじです。

今回は、くちびるの会にいつも出演してくれているメンバーに加え、象になった父役として、劇団猫のホテル中村まことさんをお呼びしました。僕自身、どんな化学反応が起こるのか今からとてもわくわくしています。


くちびるの会
山本タカが2014年に立ち上げた創作拠点。
世知辛い世の中を、あくまで生活者な視点で見つめ、思考の飛躍と現実の曲解で以って、なんとか生きやすくするために、作品を創作。公演活動と並行し、子ども対象の演劇「紙おしばい」の創作などにも取り組む。

出演
薄平広樹 橘 花梨 堀 晃大 木村圭介 藤家矢麻刀 / 中村まこと

スタッフ
美術:稲田美智子
照明:山本創太
音響:中村光
舞台監督:わたなべひでお(猫侍)

宣伝美術:平崎絵理
広報:宮原真理

制作:北澤芙未子
制作協力:ゴーチ・ブラザーズ

*1:作演出の山本タカの経歴を確認すると金曜ナイトドラマ「真夏の少年~19452020」第7話などいくつかのテレビドラマの脚本も手掛けているようだ。

ガマの中の6人で描いた沖縄戦の縮図 劇団チョコレートケーキ「ガマ(新作)」@東京芸術劇場

劇団チョコレートケーキ「ガマ(新作)」@東京芸術劇場


「ガマ」劇団チョコレートケーキの戦争劇6作品連続上演の最後を飾る作品で唯一の新作である。ほかの作品が対米参戦、南京事件朝鮮半島の支配など世界史上の大きな節目ともいえそうな歴史的な事件をダイナミックかつ俯瞰的に描いていたのに対して、この作品は多くの死者が出た悲惨極まりない沖縄戦がモチーフとはいえ、あるガマ(沖縄県沖縄本島南部に多く見られる自然洞窟)の中で起こったかもしれない出来事を一場劇として描いた群像会話劇となっている。
 「ガマ」にいるのは米軍の攻撃から逃れてここに偶然集まり、居合わせることになった人々だ。ひめゆり学徒の女学生である安里(清水緑)、鉄血勤皇隊に動員された県立一中を引率していた教員の山城(西尾友樹)、防衛隊の知念(大和田獏)、戦闘で足に重傷を負った日本軍将校・東(岡本篤)、どうやら特殊任務を担っているらしい二人の兵士(浅井伸治、青木柳葉魚)の6人が、このガマに逃げ込み、身を寄せている。
 米軍に包囲されつつあるこの場所において、彼らにはどのような選択肢が可能なのか。それぞれの本音はすぐにはあからさまにされることはない。皆米軍と対峙する運命共同体とはいえその意図はばらばらであり、それぞれ違う腹を持ちながらここに一緒にいるのだ。
 そして、この作品が興味深いのはこの6人の登場人物がある意味、地元沖縄の民間人と日本軍がそれぞれこの戦争について異なる説明をされており、それを利用して軍が沖縄の人の玉砕を前提に本土での戦闘を出来る限り遅らせようと考えている。いわば沖縄は日本にとっての捨て石に過ぎないのに皇民教育の徹底により、この物語に登場する女学生のように自分たちは天皇陛下の臣民の先兵だと考えているところ。このことは将校である東にとっては自明の前提であり、この物語の後半で名誉の自決を計ろうという女学生に対し、言い聞かせるように話し続けるが、この戦闘で亡くなった友の死を意味のない死としないためにそうした説明は断じて認めることはできないと涙ながらにそれを否定する。
 一方で沖縄戦で教え子を失った教員の山城は生徒らを戦地に行かせ守れなかったことの自責の念を感じ、そこで安里と出会うことで自分自身はどうなったとしても彼女だけは死なせてはならないと決意する。
 この種の物語の中で一番稀な人物が将校の東。こちらも部下を失い、自らが率いた部隊を全滅させたことを苦に一度は自決を計ろうとしたが、最後は軍人でありながら沖縄の人たちに寄り添う立場に立ち、現地の人から多数の犠牲者がでることが必至の地元民を指導しゲリラ戦を行おうとしていた兵士らの作戦行動を妨害するという手段にまでうってでる。
 実際にこういう人物がいた可能性があるのかについては当時の平均的な軍人像から大きく逸脱しているため、疑問が残るところではあるが、こういう人物をあえて登場させたのは沖縄を捨て石にするという発想がこの沖縄戦から何十年も経った現代の沖縄の米軍基地を巡る政府の態度などを見てもなにも変わらないのではないかという思いが作者の古川健にはあるからではないかと感じたのである。

太平洋戦争最大にして最悪の地上戦「沖縄戦
激戦地首里から数キロ北にそのガマはあった。

【出演】
浅井伸治、岡本 篤、西尾友樹(以上、劇団チョコレートケーキ)
青木柳葉魚(タテヨコ企画)/清水 緑/大和田獏

「AMEFURASSHI ”GIRLS FORUM Vol.1” / ”SONG AND DANCE Vol.2"」

「AMEFURASSHI ”GIRLS FORUM Vol.1” / ”SONG AND DANCE Vol.2"」@白金高輪SELENE b2

振替公演日:2022年9月2日(金)
会場:白金高輪SELENE b2
<1部>open 16:00 / start 16:30
<2部>open 19:00 / start 19:30
※1部公演は開場・開演時間が変更になりますのでご注意ください。
※特典会は実施なしへ変更となりました。

知性の中に静かな狂気 ひさびさに見た小須田康人の演技に感嘆 オフィスコットーネプロデュース「加担者」@下北沢駅前劇場

フィスコットーネプロデュース「加担者」@下北沢駅前劇場


フリードリヒ・デュレンマットはスイスの劇作家・推理作家。推理作家というのでウィキペディアなどで調べてみたのだが、「約束」「嫌疑」という作品が以前世界ミステリシリーズ から翻訳出版されたことがあったようだが、私は未読でおそらく本自体は絶版となっていると思われる。
デュレンマットは代表作である『老貴婦人の訪問』(1958年)『物理学者たち』(1961年)が今年になって相次ぎ上演された。「物理学者たち」には共同プロデューサーとしてオフィスコットーネプロデューサーの綿貫凜も関わっており「加担者」が上演されることになったのもおそらくそういう流れに沿ってのことと思われる。
 「加担者」は「物理学者たち」の続編とされているようだが、上演を見ていないが、あらすじなどを読む限りは「物理学者たち」と「加担者」はかなりテイストが違うように思われる。
 科学者が倫理的に許されぬことに手を染めた物語とおおざっぱにくくれば共通点もなくはないが、殺人と死体の処理をパッケージで受注する企業化された犯罪組織というのはコメディーだとしてもリアルな物語というよりも風刺性が強く感じられた。
 「加担者」は「物理学者たち」のように寓話(ぐうわ)的な作品でもないが、現実を描いたリアルな作品という風に考えるとどうにも荒唐無稽。とはいえ、ミステリ小説に例えると「奇妙な味」というかおかしな魅力はある。とはいえ、今回の上演の場合、ともすれば絵空事になりかねない物語を主人公のドク役を演じた小須田康人の演技が支えている部分はあると思う。小須田といえば鴻上尚史の率いる第三舞台の中心俳優で、サードステージ「トランス」(1993年)での静かな狂気を漂わせる演技は忘れがたい印象を残したが舞台での演技を見るのはいつ以来だろう。主役となるとかなりひさしぶりであることは間違いない。
息子を殺され、恋人も殺された上にその死体の処理もさせられるというとんでもなく悲惨な役柄なのだが、そんな中でさえ知性の中に壊されてしまった人間の静かな狂気さえ感じさせた小須田康人の演技は感嘆させられた。

作:フリードリヒ・デュレンマット/翻訳:増本浩子
演出:稲葉賀恵(文学座
プロデューサー:綿貫 凜
CAST
小須田康人
外山誠二
山本 亨
月船さらら
三津谷 亮
大原康裕(文学座
内田健介
伊藤公一

喜田裕也


2022年8月26日(金)~9月5日(月) @駅前劇場
【上演時間】2時間15分(予定) ※途中休憩なし

BTS、Dai-CE、Snow Manなど男性グループの曲もカバー。ノンストップで行うダンスミュージックのライブ「AMEFURASSHI ”SONG AND DANCE Vol.2"」@白金高輪SELENE b2

「AMEFURASSHI ”GIRLS FORUM Vol.1” / ”SONG AND DANCE Vol.2"」@白金高輪SELENE b2

「AMEFURASSHI ”SONG AND DANCE Vol.2"」@白金高輪SELENE b2凄かった。ハイライトがありすぎて、目移りする展開。あーりんのポジションに萌花が入り「Lady Cat」をダンスカバー。BTSの「BUTTER」、DiCE「CITRAS」は歌、ダンスつきで完全カバー。もちろんオリジナル曲もダンスに切れがあり、歌にもより勢いを感じた。SNOWMANの楽曲を歌いながら、踊るなど女性ボーカル&ダンスグループとしてはこれまでだれも開いていなかった扉を開きつつある。
 ここまでパフォーマンスがレベルアップできたのは「シン魂の公開稽古」の存在が大きい。オリジナル楽曲を高度なダンスで振り付け直したものを歌なしで踊った(「バカップルになりたい!」)が、それは公開稽古の成果。しかも公開稽古の時はこの一曲で息が切れていたが、きょうは流れの中で他の楽曲と続けて踊った。おそらくこの次はこの激しい振り付けに生歌を入れてくるんじゃないか。公開稽古→SONG&DANCE→公開稽古のサイクルが成立しつつある。

www.youtube.com
 この日のライブには大きく分けて2つの狙いがあったのではないか。ひとつはオリジナル曲とK-POPや日本の男性グループの楽曲などをカバーし、途中休憩なしでつなぐことで、会場フロアの観客に自由に踊らせるような空間を作ること。もうひとつは小島はなが昨年末のももいろ歌合戦で男性グループと一緒に歌い観客に衝撃を与えたBTS「BUTTER」を歌割りダンスも入れてアメフラ版の「BUTTER」として披露したこと。愛来小島はなツインボーカルでリリイベなどで披露したことのあったDa‐iCE「CITRUS」を今度は残る2人もダンサーとして加わるアメフラ版として披露したこと。この二つはいつか見てみたいと思っていただけに思わず「来たー」と快哉を叫びたい気持ちになった。

www.youtube.com


www.youtube.com



 男性グループの楽曲ではジャニーズのSnow Manの「ブラザービート」もやったが、筋力の問題もあって相当実力がある韓国のグループでも男性グループの楽曲カバーをするのは極めて稀ではないかと思うし、自分たちの楽曲にも普通は男性グループしかやらないであろような激しくかつシャープな動きを取り入れているAMEFURASSHIだからこそ出来ることではないかと思う。

www.tube.com
 あーりんソロコンで小島はな愛来がバックダンサーとして出演、話題となった「Lady Cat」をこの日は鈴木萌花があーりんパートに入ってダンスカバー。この日は歌わず佐々木彩夏が歌った音源を使用し、リップシンクでダンスだけを踊るバージョンで披露したが、@JAM EXPOでも佐々木彩夏ソロのコーナーで披露している小島はな愛来はともかく、萌花はいつ練習したんだろうと思わせるほどの完全コピー。音は拾ってないけどただの口パクではなく、萌花はおそらく歌いながら踊っており、いつか歌もAMEFURASSHIメンバーが歌うバージョンも見てみたいと考えさせられた。
 全体を通して考えたのはおそらくきょうのAMEFURASSHIに比肩できるグループは日本の女性グループではももクロぐらいしか見つからないのではないか。そしてベルーナドームではこの両者にはまだまだ差があると思ったが、アメフラの歌唱が音源のように上手く歌うことを超えてオーバードライブしつつある。そこがももクロとの大きな差だったが肉薄しつつあるのかもしれない。
 そう考えると現在の一番の悩みはパフォーマンスのクオリティーがそれをしているホールのキャパと見合わないということになりつつあることだろうか。考えてみるとももクロ神聖かまってちゃん氣志團と対バンを行って、爪痕を残したのはどのくらいの時だっただろうか。動員のレベルはともかく実力的には撃って出る準備は整いつつあると思った。ジャニーズは難しいかもしれないが、ももいろ歌合戦にも出演しスタダののボーカル&ダンスグループMISS MERCYをメンバーがプロデュースしているDa‐iCEならなんとかなるんじゃないか。  

振替公演日:2022年9月2日(金)
会場:白金高輪SELENE b2
<1部>open 16:00 / start 16:30
<2部>open 19:00 / start 19:30
※1部公演は開場・開演時間が変更になりますのでご注意ください。
※特典会は実施なしへ変更となりました。

佐々木彩夏、AMEFIRASSHI、B.O.L.T、CROWN POP、浪江女子発組合ら スタプラあーりん軍団が横アリ集結! @JAM EXPO20222DAYS@横浜アリーナ(配信)

@JAM EXPO20222DAYS@横浜アリーナ(配信)


昨年(2021年)はももいろクローバーZと私立恵比寿中学がともに参加したことで、スタプラフェスの感を呈した @JAM EXPOだったが、今年は佐々木彩夏以外は若手の妹グループのみの参加。それでも勢いに乗るばってん少女隊をはじめ多数のグループが参加。佐々木彩夏が率いる浪江女子発組合とそのメンバーでもあるAMEFURASSHI、B.O.L.T、あーりんソロコンに毎年ダンサーとして参加しているCROWN POPとスタプラのあーりん軍団が横浜アリーナに顔を揃えた。
 AMEFURASSHIは早朝のキウイステージに登場。小島はなのコロナ感染でTIFの参加を断念した無念を晴らすかのような充実のパフォーマンス。最近のフェス参加の際のスタイルであるが、自己紹介やMCは一切はさまず「Arttificial Girl」「Drop Drop」「SENSITIVE」「Lucky number」「MOI」と6曲連続のパフォーマンス。今年は配信での観戦となったために現地の雰囲気は分からないのだが、映像でパフォーマンスを見た限りは圧倒的な出来ばえだったのではないだろうか。
一方、午後のピーチステージでは会場の狭さを逆用し、一体感の演出できる「MICHI」でスタート。一転して「BAD GIRL」「Blue」でスタイリッシュな演出が可能な歌唱力の高さをアピール。再び代表曲の「Drop Drop」でかまして歌、ダンスの完成度の高さを見せつけた。内容はよかっただけに改めてこれはストロベリーステージで見たかったなと思わせた。
 B.O.L.Tも久しぶりに生のパフォーマンスを見たが、年少組2人の成長ぶりに目を見張った。特に驚いたのは白浜あやのスタイルのよさ。以前は大人っぽい青山菜花に対し、丸顔のベビーフェイスということもあり、あどけなさが目立った白浜だが、特に今回は衣装がおなかが見えるものとなっていることもあり、スキニーですらっと伸びた体形にいつの間にこんな風にと思わせられた。
披露したのも(おそらく)最近の楽曲が主体で、聴き馴染みのない曲が多かったのだが、その分あやなのがメインボーカルとして使われている曲が多くて、グループとしての成長も感じた。 
続く浪江女子発組合もよかった。特にAMEFURASSHIの小島はな愛来鈴木萌花は抜群の歌唱力を見せ、あーりんが率いる歌上手グループの印象をスタダ以外のアイドルのファンに見せつけた。ukka、CROWN POP、ばってん少女隊もいいパフォーマンスを見せ、スタダ勢のライブアイドルとしての質の高さを示してみせた。特にCROWN POPは所属が@JAM EXPOを共同主宰しているMUSIC NOTEということもあり、毎年参加していたが今回もメインのストロベリーステージに上れたという充実感もあり、気迫あふれるパフォーマンスを見せた。ここもメインボーカルの二人だけでなく、全員が歌えるグループであるというのを印象付けるパフォーマンスだった。
しかし、そうしたものの全てを吹き飛ばすインパクトを見せたのが、その後のあーりんの降臨。横アリの空間をわが庭とばかりに支配しまざまざとアイドル界のエンタメ王のオーラを見せつけた。

10時20分~ AMEFURASSHI キウイステージ
10時55分~ B.O.L.T ピーチステージ
(12時50分~ CROWN POP ストロベリーステージ)
14時00分~ B.O.L.T ブルーベリーステージ
15時10分~ ukka ストロベリーステージ
16時30分~ 浪江女子発組合 ストロベリーステージ
16時55分~ ばってん少女隊 ストロベリーステージ
17時50分~ AMEFURASSHI(2ステ目) ピーチステージ
18時15分~ 佐々木彩夏(ダンサー・小島はな愛来) ストロベリーステージ

atjam.jp

浪江女子発組合第9回定期大会「ユウマさん かっこいい~雨女リベンジ~」@福島県浪江町・道の駅なみえ北側の請戸川土手

浪江女子発組合第9回定期大会「ユウマさん かっこいい~雨女リベンジ~」@福島県浪江町・道の駅なみえ北側の請戸川土手

浪江女子発組合第9回定期大会「ユウマさん かっこいい~雨女リベンジ~」はJA浪江のメンバーが観客に向かって水をかけまくるという「水掛け祭り」となった。浪江女子発組合は翌日にはアイドルフェス「@JAM EXPO」に参加して、高度に洗練された完成度の高いパフォーマンスを展開したが、ライブの魅力はそういうことだけではなく、ライブ(生)ならではの出たとこ勝負のお祭り感もあるんだということを配信のパソコン画面ごしであっても分からせてくれた。
思わず笑ってしまったのはあーりんが途中から水掛けに本気になってきたメンバーの様子を見ながら、「歌わないから次の曲は歌入りの音源を流してほしい」と急遽、指示。プロデューサー公認の口パクパフォーマンスを提案したこと。実際マイクを持ちながら水掛けもやればマイクに水が掛かってだめになってしまいかねないという理由もあるにはあったが、この提案を聞いてメンバーも観客を一段テンションが上がったのがはっきりと分かり、即時の判断にあーりんの天才ぶりが存分に発揮された場面であった。これが最後から2曲目で、一段落して最後の曲はきっちり歌いライブを終わらせたのもさすがの判断だったと思う。

■出演:浪江女子発組合
■会場:福島県浪江町・道の駅なみえ北側の請戸川土手 【MAP】
〈駐車場〉浪江町役場・道の駅なみえをご利用ください。
※雨天決行・荒天中止
※会場が屋外のため各自防カッパのご用意をお願いいたします。(会場内で傘をさすことは出来ません)
※当日は強い日差し、気温が高いことが予想されますので、帽子の着用やこまめな水分補給などの熱中症対策をお願いいたします。
※濡れるライブとなりますので、電子機器などは袋に入れて保管してください。

■開催日時:2022年8月27日(土) 
開場 12:30 /開演 13:00 /終演 14:00 (予定)

東京演劇アンサンブル『銀河鉄道の夜』公演40周年記念 東京都 夏の児童演劇祭参加

東京演劇アンサンブル『銀河鉄道の夜』公演40周年記念東京都 夏の児童演劇祭参加

東京演劇アンサンブル銀河鉄道の夜池袋西口公園跡地に作られた野外劇場で観劇した。同劇団の「銀河鉄道の夜」は林光のオリジナル楽曲で展開される音楽劇だということが第一の特徴。そのことを知らないで見始めたこともあり、最初にジョバンニ役と思われる女優が登場、歌い始めた時にはびっくりしたが、多くのシーンがジョバンニのソロと仮面を被っているコロスによるユニゾンでの歌唱により構成されていて、ミュージカルではなく音楽劇という呼び方をしたのはそういう特異な構成により舞台が進行するからだ。この舞台では完全にジョバンニが主役でカンパネルラは登場はするが、ジョバンニと対等な存在というよりは影のような存在となっている。アンサンブルのように仮面をつけて、いろんな役を演じることはないものの衣装はアンサンブルと類似した衣装をつけている。
林光のオリジナル曲がいい。いろんな曲調が取り入れられているが、ストラビンスキーを彷彿とさせるような曲で西田尭振付の群舞が展開され、モダンバレエを思わせる展開に今回は三東瑠璃振付のサソリのソロダンス(青柳万智子=Co.Ruri Mito)が付け加えられた。ニブロール高橋啓祐が映像を担当者、プロジェクションで映される銀河や渡り鳥の群れが野外劇場を彩った。

www.youtube.com

www.youtube.com

語り手   奈須弘子
ジョバンニ 山﨑智子
カムパネルラ 永野愛
ザネリ   永濱渉
母/尼僧  洪美玉
学者    浅井純彦 
赤ひげ   三木元太
灯台守   小田勇輔
車掌    浅井純彦
青年    和田響き
男の子   冨山小枝
女の子   仙石貴久江
信号手   雨宮大夢
サソリ   青柳万智子(Co.Ruri Mito)
影たち   鈴木貴絵 福井奏美
作=宮沢賢治
脚本=広渡常敏
音楽=林光
演出=小森明子
舞台美術=岡島茂夫 三木元太
衣裳=八重田喜美子
衣裳協力=稲村朋子
映像=高橋啓祐(Nibroll
舞踏=西田堯 三東瑠璃
音響=田村悳
照明=真壁知恵子
歌唱指導=吉村安見子
宣伝美術=スズキコージ 奥秋圭
舞台監督=浅井純彦
制作=太田昭

照明オペレーター 真壁知恵子
音響オペレーター 大場神 今西工
音響スタッフ 井上尚美
映像オペレーター 革崎文
演出助手 細谷巧 藤井夕奈
舞台スタッフ 篠原祐哉 
協力 株式会社 K Productions (株)エス・シー・アライアンス