下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

0-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「1997小劇場分類図」雑誌「東京人」原稿

東京人no.122 1997年11月号 特集◎「劇場へようこそ」。下北沢から新国立劇場まで 東京都文化振興会 1997年11月 これまで演劇ジャーナリズムは、現代演劇を「アングラ演劇」または小劇場空間で作品を上演したという意味で、「小劇場」と名づけ、第一世代(鈴…

「チェルフィッチュという現在」 Web版講義録

【日時】2008年9月22日(木)p.m.8:00〜 【場所】〔FINNEGANS WAKE〕1+1 にて チェルフィッチュ プロローグ 本編に入る前に今回のレクチャー全体の趣旨についてお話ししたいと思います。私が講師を務めさせていただく中西と申します。演劇やコンテンポラリ…

「ニブロールと現代日本人の身体」 Web版講義録

【日時】2008年10月23日(木)p.m.7:30〜 【場所】〔FINNEGANS WAKE〕1+1 にて セミネール「現代日本演劇・ダンスの系譜」と題して連続レクチャー&映像上映会をスタートさせました。今回は「ダンス編」の第1回ということになります。取り上げるのはニブロ…

e-dance「狩プソ☆スピ歌」「元気の本」

飯田茂実が率いる新ダンス集団「e-dance」の旗揚げ公演である。飯田は元Monochrome circusの中心メンバーのひとりで、出前パフォーマンス「収穫祭」PROJECTなどに参加、その活動を支えた後に退団。その後は公演ごとにダンサー・パフォーマーらを集めてプロデ…

私は維新派になにを望むか

■私は維新派になにを望むか 中西 理<演劇コラムニスト> 野外劇で知られる維新派が東京の新国立劇場で新作「nocturne 月下の歩行者」を上演した。岡山・犬島で上演された前作「カンカラ」を瀬戸内の離れ小島から島伝いに「日本人の源流を幻視する舞台」と書…

私は維新派になにを望むか

■私は維新派になにを望むか 中西 理<演劇コラムニスト> 野外劇で知られる維新派が東京の新国立劇場で新作「nocturne 月下の歩行者」を上演した。岡山・犬島で上演された前作「カンカラ」を瀬戸内の離れ小島から島伝いに「日本人の源流を幻視する舞台」と書…

ヤザキの魅力堪能できたパリ公演

ヤザキの魅力堪能できたパリ公演 中西 理<演劇コラムニスト> パリ日本文化会館でヤザキタケシ&アローダンスコミュニケーションの「BlueTime/SpaceX」を見た。パリ国立ダンスセンターとパリ日本文化会館の共同制作によるもので、特に「Blue Time」はこれが…

2003年の演劇ベストアクト − 私が選ぶ10の舞台

■2003年の演劇ベストアクト − 私が選ぶ10の舞台 中西 理<演劇コラムニスト> クロムモリブデン「直接KISS」 五反田団「ながく吐息」 ク・ナウカ「マハーバーラタ」 シベリア少女鉄道「遥か遠く同じ空も下で君に贈る声援」 TAKE IT EASY!「御法度。」 くじ…

クロムモリブデン「なかよしshow」

■演劇を遊ぶ演劇の極地 中西 理<演劇コラムニスト> クロムモリブデン「なかよしshow」(伊丹アイホール)は2003年のベストアクトに 選んだ「直接KISS」を上回るほど刺激的な舞台であった。 今回、青木が題材に選んだのは劇団。芝居は自殺未遂を起こした女…

マレビトの会「島式振動器官」@アトリエ劇研

マレビトの会「島式振動器官」(アトリエ劇研)を観劇。松田正隆の新作。自ら演出も手掛けるのは時空劇場を解散して以来7年ぶりのことである。 松田は「海と日傘」に代表される長崎三部作のような日常のディティールの描写から立ち上げていく作品を最近はあ…

トリのマーク 現代美術としての演劇

中西 理<演劇コラムニスト> 「現代美術としての演劇」。アサヒビールアートフェスティバル2004に参加してのトリのマークの公演「花と庭の記憶-向島-」にはそんな言葉を贈りたくなった。「場所から発想する演劇」として、既存の演劇の枠組みを超えて外部へ…

BABY-Qの新作「ALARM!」 東野祥子のソロダンスが圧巻

■BABY-Qの新作「ALARM!」 東野祥子のソロダンスが圧巻 中西 理<演劇コラムニスト> トヨタコレオグラフィーアワード2004「次代を担う振付家賞」を受賞した東野祥子率いるBABY-Qの新作「ALARM!」を伊丹アイホールで見た。本公演を見たのは2回目だが、東野祥…

アバンギャルドを受け継ぐ矜持感じた維新派「キートン」

アバンギャルドを受け継ぐ矜持感じた維新派「キートン」 中西 理<演劇コラムニスト> 維新派「キートン」(大阪南港ふれあい港館駐車場内野外特設舞台)を観劇。新国立劇場で上演された「nocturne」のレビュー(http://www.pan-kyoto.com/data/review/47-04.…

2004年の演劇ベストアクト −私が選ぶ10の舞台

2004年の演劇ベストアクト −私が選ぶ10の舞台 中西 理<演劇コラムニスト> チェルフィッチュ「三月の5日間」「労苦の終わり」 クロムモリブデン「なかよしshow」「ユカイ号」 維新派「キートン」 ポツドール「ANIMAL」 トリのマーク「向島のトリのマーク 花…

■今もっとも刺激的な現代口語モノローグ演劇

中西 理<演劇コラムニスト> チェルフィッチュ「ポスト*労苦の終わり」(作演出岡田利規)を横浜STスポット(3月21日ソワレ)で観劇した。昨年1年間にわたり、「今もっとも刺激的な舞台を作るのはチェルフィッチュの岡田利規だ」と会う人会う人に言い続け…

■松尾スズキ的主題を平田オリザ的手法で描くポツドール

中西 理<演劇コラムニスト> 今もっとも刺激的な演劇を見せてくれるのはチェルフィッチュとポツドール、と昨年から飽きるほどいろんなところで言ってきたが、ポツドールの新作「愛の渦」(作演出・三浦大輔)もそうした期待にたがわぬ好舞台であった。 「愛…

■舞台上で加速するノイズ的身体/矢内原美邦プロジェクト「3年2組」

中西 理<演劇コラムニスト> MIKUNI YANAIHARA project「3年2組」(7月17日マチネ)を吉祥寺シアターで観劇した。ニブロールの矢内原美邦によるプロデュース公演。ニブロールのメンバーからは矢内原美邦と映像の高橋啓治が参加。今回はニブロール本公演…

■変容し続けるパフォーマンスに注目/「Refined Colors」Dance Performance

中西 理<演劇コラムニスト> 共に京都に本拠を置く集団であるMonochrome Circusの坂本公成とdumb typeののコラボレーション作品「Refined Colors」を京都造形芸術大学studio21で観劇した。YCAM(山口情報芸術センター)の企画として、昨年7月に山口でアーテ…

■噂の覆面カンパニーが横浜に上陸/KATHY+graf「炎のメリーゴーランド」

中西 理<演劇コラムニスト> KATHY+graf「炎のメリーゴーランド」を横浜のBankART Studio NYKで見た。KATHYはあえて分類すれば一応、ダンスカンパニーということになるのだが、2002年の結成以来、これまで主として美術フィールドで活動してきた女性3人の集…

ACT16号巻頭言

大阪在住で関西の舞踊や現代演劇について批評などに筆をふるっていた柳井愛一氏が亡くなられた。享年52歳。早すぎる死が無念でならない。関係者から直接連絡を受け、そのことを知ったのだが、先日の千日前青空ダンス倶楽部の公演では偶然隣の席で観劇するこ…

関西劇信5月

小劇場系とも言われる現代演劇の状況を東西で比較すると、関西は劇作家が劇団代表・演出も兼ねる例が多い。その分、劇作家主導で演出家の影が薄いと長らく言われてきた。ところが、そうした流れが少しずつ変わりつつある。劇作家・深津篤史(桃園会)が岸田…

木ノ下歌舞伎「三番叟/娘道成寺」

木ノ下歌舞伎が歌舞伎舞踊の「三番叟/娘道成寺」に挑戦した。木ノ下歌舞伎は木ノ下裕一、杉原邦生、木村悠介ら京都造形芸術大学の卒業生、在学生らによる歌舞伎上演のためのプロデュースユニットである。歌舞伎を従来のスタイルのまま上演するのではなく、再…

Monochrome circus「The Passing 01-03」

京都に本拠地を置くMonochrome circusはいまもっとも脂の乗っているカンパニーだといっていいかもしれない。その充実ぶりはこの1年間ほどを振りかえっても「出会い」を作品化するという「旅の道連れ」(滋賀会館)、フランスの振付家、エマニエル・ユンとの…

「現代日本演劇・ダンスの系譜vol.4 ダンス編・イデビアン・クルー」セミネールin西心斎橋     

VOL.4[井手茂太とムーブメントの魅力] 西心斎橋のBAR&ギャラリーを会場に作品・作家への独断も交えたレクチャー(解説)とミニシアター級の大画面のDVD映像で演劇とダンスを楽しんでもらおうというセミネール「現代日本演劇・ダンスの系譜」の第4回…

マレビトの会「血の婚礼」書き直し

「血の婚礼」のあらすじは以下のようなものだ。婚礼の日に花嫁がかつての恋人と逃げ出す。花嫁を連れ去った男は花婿の父親と兄を殺した一族の人間だった。やがて逃げ道もなく、後戻りもできない二人の先には、運命の死が待ち受ける……。 絵に描いたような悲劇…

維新派「聖・家族」@栗東芸術文化会館さきら

今回の公演「聖・家族」は1本の芝居ではなくて、過去の公演の場面の抜粋や新作パフォーマンスをちょうどバレエ・オペラでいうガラ公演風にまとめたものだ。だから、作品としての出来栄えをうんぬんされると困る部分があるのだが、普段は野外や大ホールでの…

維新派「聖・家族」@栗東芸術文化会館さきら

維新派「聖・家族」@栗東芸術文化会館さきら 「聖・家族」は1本の芝居ではなくて、過去の公演の場面の抜粋や新作パフォーマンスをバレエ・オペラでいうガラ公演風にまとめたものだ。「青空」の冒頭に近い「アパッチ」のシーンからはじまる。ここでは少年た…

関西劇信5月

小劇場系とも言われる現代演劇の状況を東西で比較すると、関西は劇作家が劇団代表・演出も兼ねる例が多い。その分、劇作家主導で演出家の影が薄いと長らく言われてきた。ところが、そうした流れが少しずつ変わりつつある。劇作家・深津篤史(桃園会)が岸田…