下北沢通信

中西理の下北沢通信

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遊気舎プロデュース「魔界はじめました」 

 遊気舎プロデュース「魔界はじめました」を観劇。
 劇団員で自らのユニット「トリオ天満宮」も主宰する魔人ハンターミツルギの作演出。ということだが、この舞台は実際には参加する俳優がエチュードによってキャラやシーンを作り、それをミツルギがまとめていった形を取ったらしい。そのせいもあってか、全体に作りこみが甘くてまとまりが悪い印象が残り、魔人ハンターミツルギの作家としての才能を買っていただけに不満が残った。個々の場面やキャラには面白い部分もあったのだけれど、全体としてはまとまりが悪いし、玉石混交なのである。
 もうひとつはこの舞台にはミツルギを除いて13人の俳優が出演していたのだが、芝居の冒頭であみだくじを引いてその日の主役を決めるという趣向でこの日は峯素子が主役を演じた。この劇団は後藤ひろひと時代からこういう遊びが好きなのではあるが、今回のこれは効果的だったのかどうか。他の場面とのバランスの兼ね合いで主役がだれになるのかによってもずいぶん印象が変わりそうなので、他の回も見たかったなと思ったことは確かだが、正直言ってみたいとあまり思えない人も混じっているのでそれはどうなんだろうと思ってしまったのである。あ、誤解しないでほしいけれど
峯素子が見たくないといってるわけじゃないです。見てみたいのはちなみに個人的に魔瑠、久保田浩だったのだが……。