下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

ダンスの動画発信サイト「JCDNダンスアパートメント」

 日本のコンテンポラリーダンスの普及を目的とするNPO非営利団体)「ジャパン・コンテンポラリー・ダンス・ネットワーク」がダンスを動画で発信するサイト「JCDNダンスアパートメント」http://www.jcdn.org/danceapartment/をスタートさせた。
 基本的には宣伝媒体的な色彩が強いみたいだし、まだ内容は身内の宣伝を載せているという感じが否めない部分はあるのだが、日ごろなんとか文章でダンスや演劇を紹介している立場からすると、まさに「百聞は一見にしかず」というか、こういうのを見せられるとある意味、伝えるということからすればかなわないと思う。演劇はともかく、ダンスが面白いかどうかなんてのはそれこそ極端な言い方をすれば1分見てしまればそれで分かってしまう、というところがあるからだ。まあ、1分は言い過ぎにしても特にムーブメントがどういう風でその部分でオリジナリティーがあるかないかは5分も見ればだいたい分かります。
 もっとも、5分見てすごく面白くても、それだけじゃ1時間はもたない作品というのは枚挙にいとまがないほどあるのだが。舞台はもちろん生で見るのが基本で映像資料というのはあくまで2次的な意味しかないという考え方もあるが、ことダンス、特に動き方に特定の規範がないコンテンポラリーな作品の場合は例え短い映像でも動いているのを見たことがあるのと、写真しか見たことがないのでは大違いである*1
 著作権の問題があるのでそれほど簡単なことではないとは思うのだが、どこかの公的団体がこういう動画のダンスアーカイブみたいのを作って、公開してくれないかなとも思う。国際交流基金とか無理かしら。そういえば単独のサイトというのは無理でも、めちゃめちゃ手間ひまはかかりそうだけれど、個人の力でできそうなことには最近自分のホームページのサイトにちょっとした動画を載せているところがけっこう増えてきている*2で、動画のリンク集だったら作れそうだと思う。
 もちろん、残念ながら私にはその余裕はないので、これもだれか作ってという他力本願になってしまうのであるが。

*1:実際、舞台を生で見る前に短い映像を見て衝撃を受けたのはウィリアム・フォーサイスとマッツ・エックの作品の映像であった

*2:例えばこれは私がこのサイトでも何度か紹介しているCRUSTACEAのサイトhttp://www.h2.dion.ne.jp/~capcr/page002.htmlだが、ここでも動画が見られるようになっている。それから、これも関西の若手カンパニー、jamDance Theatreのプロフィールページhttp://www.jamdt.com/rep/index.htmlだが、ここでも動画を見ることができる。