下北沢通信

中西理の下北沢通信

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「ナルニア国物語」

ナルニア国物語(アポロシネマ)を見る。
 「プロデューサーズ」を見に行くが、上演開始時間を勘違いしていたために「ナルニア国物語」を見ることにした。この映画を絶対に見ると決めていたわけではないが、「指輪物語」の時に「指輪物語1」を見ずにいきなり「指輪物語2」を見たら、登場人物のだれがだれかも、物語全体の設定を分からずに困ってしまった苦い記憶があるからだ。もっとも、「ナルニア国物語」の場合は「指輪物語」と違って、すべてのストーリーが完全につながってひと続きの物語になっているわけではないようだが。
 ただ、ディズニーが映画化したせいかどうかは分からないのだが、「ナルニア物語」にはこの映画を見る限りでは「指輪物語」やミハエル・エンデの「果てしなき物語*1」(映画では「ネバーエンディングストーリー」)のような哲学的な深みにはいまひとつ欠ける印象がある。アスランの復活などあまりにも都合がよすぎるし、なんの能力も持たない子供がいきなり戦士として軍を率いるというのも不自然といえなくもない。アスランをはじめとした登場人物をリアルに動かすSFXの技術には感嘆させられたが、これで本当に7作まで続くのだろうか。かなり、疑問を感じた。ルーシー役が可愛い(美人というんじゃないのだけれど)のでこのキャスティングに救われてる部分がかなりあると思った。

女生徒

女生徒

*1:ただ、この映画を見てミハエル・エンデの「果てしなき物語」がこの「ナルニア物語」を下敷きにしていたのだということはよく分かった。