下北沢通信

中西理の下北沢通信

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ジゼル・ヴィエンヌ「こうしておまえは消え去る」@春秋座

構成・演出・振付・舞台美術:ジゼル・ヴィエンヌ
音楽・ライブ演奏: スティーヴン・オマリー、ピーター・レーバーグ
テキスト・歌詞: デニス・クーパー
照明: パトリック・リユ
霧の彫刻: 中谷芙二子
映像: 高谷史郎


 ひどい舞台を見てもがっかりするってことが次第に少なくなっているのだけれど、この舞台は本当に落胆させられた。霧の彫刻: 中谷芙二子、映像: 高谷史郎というので個人的にはこれに期待して見にでかけたのだが、高谷の映像というのはおもわず本人に「どこかで映像を使ってました」と聞いてしまったし、中谷のも劇場でやったのでは「霧の彫刻」といっても少し量を多めにしたドライアイスぐらいにしか見えなかった。それより、致命的なのは美術はともかくとしてこの舞台には身体表現として興味深いものもなければドラマもないということで、アビニョン演劇祭で絶賛されたというのはどういうことか? 理解に苦しむ舞台であった。
 これを見たために重なってしまい見られなかった快快「Y痔のはなし」を見に行っていればよかったと悔やんだけれど後の祭り、悔しい。