下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

ふたば未来学園演劇部「数直線」@アトリエヘリコプター

ふたば未来学園高校演劇部『数直線』
原案 ふたば未来学園演劇部 /構成 佐藤美羽 日下雄太 出雲優花
出演 松田咲良 関根颯姫 鶴飼美桜 石井美有 出雲優花 日下雄太 今野榛乃 鈴木章浩 齊藤篤 池田野花 鈴木隆斗 猪狩伊吹 青木壱成
スタッフ 演出・舞台監督:佐藤美羽 音響:青山麗 日下雄太 照明:横澤奈央
制作・技術協力(東京公演):青年団
■公演日程
2017年
2月4日(土) 14:00/19:00
2月5日(日) 14:00
・ 上演時間約60分、各回終演後にアフタートークを行います。
・ 受付開始は開演の40分前、開場は開演の20分前となります。
■会場
アトリエヘリコプター
東京都品川区東五反田2丁目21−17

 東日本大震災なかんずく福島第一原子力発電所の事故といった未曽有の出来事を体験した当事者が語る体験にはそれだけで人の魂を揺さぶるような大きな力があるかもしれない。しかもそれが高校生であって、彼ら彼女ら自身の個人的な体験を自ら表現してそれを演劇の形で上演する。そこには大きな意味がある。しかし、それが演劇としてどうなのかという問題はそれとは別の問題のはずだ。
この舞台に私は確かに心を動かされたわけだが、果たしてそれは何に心を動かしたのか。この舞台の場合、演劇そのものの力というよりはそれが実際にそこで演じている演者が実際に経験したことであるという「事実性」に担保されているところが大きいと感じるからだ。