下北沢通信

中西理の下北沢通信

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tatazumi♯1「明けない夜があったとして」@三鷹SCOOL

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tatazumi#1「明けない夜があったとして」@三鷹SCOOL

『明けない夜があったとして』
脚本・演出
大内郁
出演
大関一成・熊倉由貴・黒瀬夏希・斉藤ほのか・坂下優河・笹渕蛇口・高附直輝・野尻佐央
作曲・演奏
栗原真葉

美術:志賀耕太
広報:松本海月
制作:土田高太朗
演出助手:金子未羽・松井瑞希
美術・制作助手:荒川弘憲・岡田夏旺・永井あかり

 憲法改正の是非を問う国民投票を迎える前夜に三鷹で行われた「ほしぞらキャンプ」というイベントに集まってきた若者たちの群像劇。同級生の女の子二人組、別れる寸前の恋人たち、誰かを探しに来たらしい男。それぞれの思惑を乗せて、静かに夜は更けていく。ともすれば政治に無関心などといわれがちな現在の若者たちの政治的な言説に対する微妙な距離感が浮かび上がってくる。
 平田オリザ流の現代口語の会話、チェルフィッチュを思わせる回想モノローグ、ポストゼロ年代演劇風のリフレインやループ構造、セリフの群唱などさまざまな様式がミクスチャーされて栗原真葉が生演奏するオリジナルの音楽に乗せて、スタイリッシュに展開されていく。
 作演出の大内郁は現役の東大生。メンバーは都立国立高校時代の仲間(演劇部ではない)とその周辺の東京芸大の学生らによって構成され、様々な分野のアーティストによるゆるやかな集合体を目指すということらしく、次回の活動としてはメンバーのひとり志賀耕太の美術インスタレーションが予定されている。