お布団「IMG antigone copycopycopycopy.ply」@アトリエ春風舎
作・演出:得地弘基(お布団/東京デスロック)
ギリシャ悲劇「アンティゴネ」が下敷き。戦争状態にある国(劇中ではテーベとアルゴス)の中で、一人の勇敢な女性(アンティゴネ)が権力に反抗したことから拘束され、虐げられてゆく過程を描く。
主要な登場人物は権力者であるクレオンとアンティゴネ、その妹のイスメネの3人なのだが、3人ならびに姉妹を取り調べる政府の関係者はすべて役柄を互いに交換しながら4人の女優が演じる。
原作ではクレオンと姪の姉妹の関係は権力者である男性が力による女性たちを簒奪にしていくというジェンダー差による支配構造が露わなのだが、今回の上演では性差による差別や抑圧よりは権力者がいかにして権力に異を唱える存在を抑圧、収奪していくのかということがより強調されているのではないか。
お布団2011年、得地弘基を中心に結成。現在は演出・俳優・音響の三人で活動。近作は主に古典戯曲を題材に、改作・上演を行う。戯曲本来のイメージと現代社会のイメージが混在するテキストは、時にSF的ガジェットによって拡張され、虚構と現実の境界から、私たちを取り巻く問題を演劇の現前性によって観客に問いかけていく。 |
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「破壊された女」(2019) 撮影|櫻内憧海 |
出演 |
緒沢麻友(お布団)、田崎小春、津嘉山珠英(冗談だからね。)、永瀬安美 |
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スタッフ |