下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。

『しおこうじのお台場フォーク村第108夜』「リモートフォーク村!生演奏」@フジNEXT

『しおこうじのお台場フォーク村第108夜』「リモートフォーク村!生演奏」@フジNEXT

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概要
ももいろクローバーZ玉井詩織THE ALFEE坂崎幸之助!ゲスト松室政哉鈴木瑛美子!しおこうじバンド宗本康兵・佐藤大剛・やまもとひかる・加藤いづみ・竹上良成

<内容>
しおこうじ=ももクロ玉井詩織×アルフィー坂崎幸之助ダウンタウンしおこうじバンド=宗本康兵音楽監督佐藤大剛・やまもとひかる・加藤いづみ・竹上良成!ゲストミュージシャン松室政哉鈴木瑛美子!第108夜リモートフォーク村!生演奏

M1「10 PUSH UP CHALLANGE」ダウンタウンしおこうじバンド
M2「レディ・メイ」坂崎幸之助×ダウンタウンしおこうじバンド
M3「星空のディスタンス玉井詩織×ダウンタウンしおこうじバンド
VTR1「玉井詩織『フォーク村』全出演」=38分28秒
VTR2「前回カットになった加藤いづみVTR」=1分09秒
VTR3「前回撰ばれなった竹上良成/前回無かったやまもとひかるVTR」=4分49秒
VTR4「前回撰ばれなった宗本康兵VTR」=1分51秒

M6「ハジマリノ鐘」松室政哉×宗本康兵
M7「今夜もHi-Fi」松室政哉×宗本康兵×竹上良成
VTR5「前回カットになった佐藤大剛VTR」=1分03秒
M8「FLY MY WAY」鈴木瑛美子×佐藤大
M9「Lay Down Sally」鈴木瑛美子×佐藤大
VTR6「前回撰ばれなかった玉井詩織/坂崎M10「感謝」坂崎幸之助 幸之助VTR」=8分15秒

リモートで生演奏というのがいままでうまくいってない例はさんざん見ているので、どうなるかと注目したがかなりうまくいっているように思われた。技術的に言うと遅延音声と遅延映像の組み合わせということのようだが、実際にはトリックもあったようで、玉井詩織坂崎幸之助は電話回線(映像なし)による完全リモートでも合奏したDMBはそうではなくて、広いスタジオの遠い場所にいてそれをそれぞれテレビの中継回線でつないで、リモート先の音声と合成していたようだ。とはいえ、この種明かしがあっても超絶技巧であるのは間違いないだろう。
 新作でよかったのはやまもとひかるのボーカルによるスティングの「Englishman In New York」。彼女と加藤いずみをメインボーカルに据えて、一度DMBだけのライブを見てみたいなという気にさせられた。ももクロがゲストで来てしまうとチケット取りにくくなってしまうから、来るにしてもゲストでひとりだけとか。それなら箱の大きさもZEPPぐらいでツアーとかできるんじゃないだろうか。というか、これ完全にやまもとひかる売り出しプロジェクトだよなあ(笑い)。
 過去回の秀作選が先月の場合、4人になって以降のものばかりだったため、やはり有安杏果の姿が映った映像は肖像権の問題もからんで一切出せないのかなと再確認させられたのだが、「事務所に所属していないから出せない」の理由付けは後輩グループからの出演者が映り込んでいる映像で現在は事務所をやめている子も含まれているから、そうした表向きの事情とは違う理由があったのかなと若干釈然としないものが残った。まあ、スタダのルールによるものなのかテレビ局側の忖度によるものなのかははっきりとは分からないが、ももクロに関してもおそらくジャニーズ事務所と同じようなことが起こっているのだろうということははっきりと感じされられた*1
 興味深かったのは今回は周到な編集作業により杏果の映り込みそうな部分は完全にカットし、5人時代も含めて、玉井詩織の名場面をつないだこと。編集には相当の苦労があったのではないかと察せられるが、いくつも「ああ、あういうのもあったね」というものもあり、永久保存版として確保しておきたい、いい名場面集ができたのではないか*2ので。
 個人的に好きだったのは川村カオリの「ZOO」だったのか、菅野美穂の「愛をください」だったのか、どちらだったのかがはっきりしない*3のだが、その曲のカバーがよかった。もうひとつはっきりと分かったのはギター(楽器)を弾きながらサイドボーカルに回るときの素晴らしさである。玉井詩織はハモにせよ、ユニゾンにせよ主旋律を歌うメインの歌い手に寄り添うように楽曲に加わった時に極めて安定感があって、相手の歌をつぶさないことで、より一層相手のよさが際立つという効果が出てくるのだ。面白いのは相手が男性であっても女性であっても同じような効果を出せることで、坂崎幸之助と組んだしおこうじではその魅力を存分に発揮しているし、相手が百田夏菜子であるとより一層そういう特性はよく分かる*4

*1:ただ、今回に関してはスタダ側の考えと無関係に映像に杏果が映り込んでいたりすると、それだけで「姿を見たくない」とか騒ぎ出す連中が出てきて、誰にとってもデメリットしかないことが起こる可能性がある、それを慎重に避けたということは考えられる

*2:杏果のファンでもあるが、それは杏果のパフォーマンスをいつか見たいのである。映り込む杏果を見たいわけではないので、この編集でカットされていることに特に不満はない。

*3:おそらく、菅野美穂版。ただ、懐かしかったのでSPOTIFY川村かおりベストの楽曲を聴いてみたのだが、これがとてもよかった、ほとんど忘れかけていた曲もあったのだが「神様が降りてくる夜」とかははっきりと思い出した。いつか玉井詩織にも歌ってほしい

*4:夏菜子の場合はメインボーカルとしては魅力を発揮するが、わきに回ると目立ちすぎて、相手のよさを潰してしまうように感じられることがある。それはこの二人が組んだ時に非常に露わに感じられた