新海誠×三浦直之(ロロ)　恋を読むvol.3『秒速5センチメートル』@ヒューリックホール東京（配信）

朗読劇『秒速5センチメートル』、2021年1月より日テレプラスでテレビ初放送！
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　生で観劇した日の公演を配信でも見てみることにした。劇場での席がけっこう後方で俳優の表情があまり鮮明には見えなかったこともあるし、舞台の後でひさしぶりにアニメ版も見直してみたので、劇作、演出においても再確認したいことがあったからだ。
　この日の出演者は元乃木坂46の桜井玲香と元アンジェルムの田村芽見であったが、実際に生の舞台で観た時にはいい女優だなと思ったことが先に立ち、元アイドルの人たちであることには気が付かなかった。今回のキャスティングは日替わりに近いもので、どちらもアイドルとしては知らない人だったので観劇時には分からなかったのだが、他の日のキャストにはやはり乃木坂46を卒業した生駒里奈も入っているから、配役の選び方がフルオーディションなのか、プロデュース側の選択なのかはよく分からないが、こうしたファンにはある程度以上の人気のある人を選ぶというのも配役選択の動機にはなっていたのかもしれない。　
　キャストを眺めてみると妃海風、福原遥らの実力派女優も含まれているため、経験の薄いキャストにチャンスを与えながら、公演全体としてはバランスを取っているようにも見えた。
　とはいえ、この日の二人（特に桜井玲香）はみごとな演技であり、中学生時代と現在の演じ分けなどもうまくて、次の舞台が観たくなる出来栄えであった。
　一方、入野自由は声優も務めている俳優なようで、当日劇場がほぼ満席であったのはかなり女性が多かったことなども考えると彼のファンがかなり多かったのかもしれない。朗読劇において、声優経験のある人を起用するというのもよかったし、アニメ・漫画的なリアリズムが要求される三浦直之の演出ともよく合致していたと思う。　