下北沢通信

中西理の下北沢通信

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ももクロの『家にいろTV』第5夜「SURF & DOLPHIN in 品プリ」@Youtube

ももクロの『家にいろTV』第5夜「SURF & DOLPHIN in 品プリ」@Youtube

「家にいるTV」第5夜ももクロがコラボしていた品川プリンスホテルの水族館を会場とした周回式の生配信ライブであった。昨年何回もやった配信ライブのノウハウを詰めこんで初めて可能になったものだが、ふとこれを見て気が付いたのは今やももクロは通信設備がある場所なら世界中のどこからでも生ライブ開催が可能なのではないかということだ。ももクロのノウハウを活用すれば施設側の協力が得られるなら現在休場中の東京ディズニーランドUSJを会場としても無観客ライブの開催は可能なのではないかということに気が付いたのである。これらの大型集客施設はいずれも現在休業閉鎖中だけれど、政府発表ではまったく意味不明だった「無観客開催」はできる。ということは緊急事態宣言のさなかでもももクロの大規模配信ライブは可能なのではないか。
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 水族館のクラゲや魚が入れられた水槽の配置された空間を青い照明で照らしだしその幻想的な雰囲気でライブはスタート。この日のセットリストが興味深いのは「行く春来る春」「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」「吼えろ」「天国のでたらめ」とここまで「家にいろTV」の配信で歌われたそれぞれのライブを象徴する楽曲が次々と披露されて、いわば総集編のようになっていたこと。さらに最終的にはイルカショーとのコラボもあった。実はももクロとイルカとの共演は今回が初めてというのではなく八景島シーパラダイスでも見た記憶があるのだが、その時は収録した映像によるもので実際のライブをそこでやったというわけではなかった。
 誰か演出家の手が入らないとこれほどのライブはできないはずだし、佐々木敦規の演出としては世界観が違う感じだしどうしたのだろうと思っていたのだが、「SURF & DOLPHIN in 品プリは、GOUNNツアーの岡本さんが全体を作ってくれた」とプロデューサーの川上アキラが話しており、これはどうやら過去のももクロライブの中でもアーティスティックな世界観を強く打ち出す岡本祐次だったようだ。今回の「SURF & DOLPHIN in 品プリ」がこれまでのももクロ配信ライブとはまた少し作風が違ったことの理由が氷解したような気がしてきたが、こうなると次は「東京キネマ倶楽部」に共同演出で関わった振付家・演出家avecooの演出による配信公演も見てみたいという気にさせられてきた。
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演劇とももいろクローバーZ(抜粋) - 中西理の下北沢通信