下北沢通信

中西理の下北沢通信

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堀くるみ(exたこ虹)が初舞台。歌も披露する破格のデビュー。『はい!丸尾不動産です。~本日、家で再会します~ 』@Streaming+(配信)

『はい!丸尾不動産です。~本日、家で再会します~ 』@Streaming+(配信)

 関西らしい喜劇で良く出来ていたと思う。配信チケットを購入してまで見たのは堀くるみ(exたこやきレインボー)の初舞台というのがあったからだが、生で見るのに比べると集中するのは難しい配信でも最後まで理屈抜きに楽しむことができた。
 演劇評論家としてどうこういうべき種類の演劇ではないけれど、初舞台の堀くるみは単なる舞台経験という以上のいいスタートを切ることが出来た。劇中のリアクションなどで随所に勘のいいところを見せて、座長格の兵動大樹桂吉弥 をはじめ、先輩の俳優らにも好感を持たれて可愛がられているのが、配信の映像からさえ伝わってきたし、すべての回で行われていたかどうかは不明だが、千秋楽ではスペシャルショーとして施鐘泰JONTE)と劇中のカラオケ場面でも歌われたアン・ルイス「六本木心中」をフルコーラスで披露。舞台の主題歌のような楽曲である「未来図の僕」をデュエットで歌い、歌がうまいところを見せることもできた。

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出演はオーディションによると聞いているのだが、アイドルとしての実績があるにせよ、これはかなり破格の扱いではないかと思う。演出の木村淳が関西テレビのドラマに関わっている人だというのもおそらく今後にとってはかなり大きな意味を持ってきそう。堀くるみは実はテレビバラエティーではABCテレビおはよう朝日土曜日です」で「なないろリサーチ!それどーなん?」という担当コーナーを持ち、テレビ大阪とも長年続いたたこ虹の冠番組を通じての縁があるけれど、堀くるみ・彩木咲良の二人が出演する松竹座「大阪環状線 大正駅」の演出もやはり関西テレビ系の人だということを考えればこれは明らかにマネージャーの番長(東野さん)が関テレのドラマでの役獲得を狙いに行っているという風に思えてくるが、そう思うのは考えすぎだろうか。

2021年10月3日(日)
兵庫県 アクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター) 中ホール

原案:「本日、家を買います。」
作:古家和尚
原案・演出・プロデュース:木村淳
出演:兵動大樹桂吉弥 / 佐藤太一郎、施鐘泰JONTE)、近藤頌利、堀くるみ、安藤夢叶 / 未知やすえ