下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。

東京塩麹 象の鼻ワンマンショー with Aokid@象の鼻テラス

東京塩麹 象の鼻ワンマンショー with Aokid@象の鼻テラス

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開催日時:
2019年3月21日(木・祝)19:15開場 / 19:45開演

出演;
東京塩麹

トランペット:渡辺南友
トロンボーン:渡辺菜月
ピアノ:中山慧介
キーボード:額田大志
エレキギター:テラ
エレキベース:初見元基
ドラム:渡健人
パーカッション:タカラマハヤ
ダンス、ほか:Aokid

 
 

会場:
象の鼻テラス

料金:
一般:3,000円+1drink / U28:2,500円+1drink

※当日券はいずれも500円増し。

※全席自由。入場は到着順となります。
http://shiokouji.tokyo/special/elephanttrunk/

 
 

音響:
照明:
宣伝美術:
制作:
山川権
松本永(eimatsumoto Co.Ltd.)
タカラマハヤ
鈴木啓佑


 

主催:
東京塩麹

協力:
象の鼻テラス

東京塩麹 象の鼻ワンマンショー with Aokid


8人組バンド東京塩麹。横浜で1年5ヶ月ぶりのワンマンライブ。
2018年から度々活動を共にしてきたダンサーのAokidをメインアクトに加え、海をバックに披露される人力ミニマル・ワンマンショー。

劇団「ヌトミック」を主宰する額田大志は現在私がもっとも注目しているクリエイター。音楽家、劇作家、演出家としてマルチな才能を発揮して存在感を示している。演出家、劇作家としてはいくつかの公演観劇などを通じて作品に触れてきたが、彼がリーダーを務めるバンド「東京塩麹」については映像や音源に接したことはあったが生のライブを体験したことはまだなくて、今回ダンサー・振付家のAokidをゲストに象の鼻テラスで単独ライブが行われると知り出掛けてみた。
 そして、結論から端的に言えばライブはとてもよかった。演奏は高度に計算されて構築されたものであり、形式的にはクールでありながら、予想していた以上にグルーブ感、ライブならではの魅力もあり、象の鼻テラスという同じ空間でその音楽を共有することでの満足感も存分に感じられた。

東京塩麹 単独公演『リフォーム』Live at BankART Studio NYK

東京塩麹 ▶︎ そこはかV with Aokid
東京塩麹の音楽性についての説明で、ミニマルミュージック+ジャズという表現がネット上ではなされており、スティーブ・ライフの名前が取りざたされたりしているが、聞いた印象ではかなり違うのではないかと思う。
 同一のリズム、フレーズが回帰的に繰り返されるという全体的な構図に共通するところがないではないが、繰り返しの中で演奏に参加する楽器の種類が変化していく。最後はほぼ全部の楽器が参加して盛り上がって終わるという構造を見て、音楽上の直接的な影響関係はないのかもしれないが、私が連想したのはラヴェルの「ボレロ」であった。ただ、その連想は「ボレロ」は私の関わりの中ではベジャール振付のバレエのための音楽という印象が強く、実際ジョルジュ・ドンのダンスは映画「愛と悲しみのボレロ」でしか見ていないが、ギエムが踊ったものは何度か生で見たことがあって、それとはまったく趣きの異なるダンスだが、この日はダンサーのAokidが参加して、東京塩麹の演奏に合わせた踊りを見せてくれたことも関連しているかもしれない。実はダンスといえば先に挙げたスティーブ・ライヒもケースマイケル(ローザス)が複数の作品をダンスとして創作しており、ダンスと深い関係があるが、東京塩麹の音楽からそういうものが思い起こされることはまずなかった。
 東京塩麹の楽曲が先に述べたようにミニマルでありながら、それこそ音楽に合わせて身体を揺り動かしたくなるようなグルーブ感を併せ持つのは8人のメンバーのうちに打楽器セクションがドラム(渡健人)、パーカッション(タカラマハヤ)と2人おり、それぞれが時に超絶技巧的なテクニックを持ちながら、それぞれが楽曲に入ることでそれまでゆったりと進んでいた楽曲に急速にビートを与えるのに加えて、それが同時に加わることでこれぞ東京塩麹という独特の複合的なリズムを醸し出すことだ。こういうのは従来PCで製作された打ち込みの音楽でしか実現が難しかったようなものを生演奏で実現していて、それが聴き手の身体に直接伝わってくるようなところがある。