下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。

笑の内閣「ただしヤクザを除く」(1回目)@こまばアゴラ劇場

笑の内閣「ただしヤクザを除く」(1回目)@こまばアゴラ劇場

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作:高間響 演出:髭だるマン

日本国憲法第14条
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により政治的、経済的又は社会的関係において差別されない。
―ただしヤクザを除く

大手宅配ピザチェーン、ピザマッチョ広島地区エリアマネージャーの住吉は、組織犯罪対策課刑事の稲川に呼び出され、常連客である工務店への配達を断るように要請される。その工務店は表向きはカタギの建設会社であるが、ヤクザのフロント企業。ヤクザであると知りながらピザを配達をすると、暴力団排除条例違反になる恐れがあったのだ。
そもそもヤクザだと知らなかったし、商売としてピザを届けているだけなのに、釈然としないながらも警察には逆らえず署を後に店に向かった住吉。しかし、そこで彼が見たものはその工務店からの注文。しかも、今日はテイクアウト。今から断ろうにも10分後には、ヤクザが直接取りに来る。目の前で断るのは怖過ぎるけど、注文受ければ条例違反。
売っても地獄、断っても地獄。
果たしてピザ屋の運命は…?

※一部にて情報公開されておりました『東京ご臨終~インパール2020~』は、脚本家の高間響の体調不良により、2016年上演作品『ただしヤクザを除く』へ演目を変更することとなりました。


2005年旗揚げ。しばらくは実際にプロレスをする『プロレス芝居』をしていたが、体力の限界を感じて、時事ネタ・風刺ネタコメディに路線転換。「福島に修学旅行に行こう」「女性差別する女性」「芸能と契約」などといった際どいテーマで芝居を作っている。政治・言論方面には特に強さを見せ、「風営法のダンス規制」を扱った時は永田町に呼ばれたり、東浩紀氏の言論カフェで上演したり、内容が反社会的だと劇場から上演拒否にあったり、森友学園の入学説明会にいったら追い出されたりと騒ぎも多い。2019年2月、前代表が京都市議選挙に挑戦し、髭だるマンに代表を交代することとなった。
出演

髭だるマン 和泉聡一郎 (劇団道草) 熊谷みずほ 近藤珠理 杉田一起 田宮ヨシノリ(stereotype) ファック ジャパン(劇団衛星)

スタッフ

脚本:高間響
演出:髭だるマン
舞台監督:玉井秀和(劇団FAX)
照明:河口琢磨
音響:島﨑健史
舞台美術:岩崎靖史
フライヤーデザイン・写真:脇田友(スピカ)
制作:田中直樹劇団ひととせ
制作協力:吉岡ちひろ(劇団なかゆび) 齋藤秀雄(ISSO inc.)
広報協力(東京公演):月館森(露と枕/劇団ひととせ
運営:葛川友理(劇団トム論/気持ちのいいチョップ)

 笑の内閣は様々な社会的な問題をコメディーに仕立てあげて上演している劇団。漫画・アニメの表現規制、クラブの深夜営業規制、ネット右翼のヘイト行為、原発事故被害に遇った福島への修学旅行などビビッドでありながら、単純に面白、おかしく取り上げることが困難な対象に果敢に斬り込んでいった。
 「ただしヤクザは除く」で取り上げたのは最近は反社会勢力との表現されるヤクザ(組織暴力団の構成員)にも人権はあるかという問題。広島を舞台にピザ販売チェーン「ピザマッチョ」で起こったピザを買おうとしたヤクザと掲載が店に圧力をかけて販売をやめさせようとする行為を巡ってのあれやこれやをコメディーとして展開していく。
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