下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

演劇

下鴨車窓「透明な山羊」@こまばアゴラ劇場

下鴨車窓「透明な山羊」@こまばアゴラ劇場 作・演出:田辺剛 京都を拠点に活動する下鴨車窓の五年ぶりとなる東京公演です。2021年夏に京都で初演、松山や津での公演を経て参ります。 物語の舞台は緑が深い場所にひっそりと建つ、主を亡くした山小屋。そこに…

谷本進一人芝居三部作上演『俳優病』@こまばアゴラ劇場

谷本進一人芝居三部作上演『俳優病』@こまばアゴラ劇場 作・演出:刈馬カオス(刈馬演劇設計社) 谷本進。1972年静岡県出身。東京での劇団の活動休止を機に、一人芝居を開始。2008年初演の『36』を皮切りに、全国のライブハウスなどで300ステージ以上を敢行…

しあわせ学級崩壊リーディング短編集#2

しあわせ学級崩壊リーディング短編集#2 しあわせ学級崩壊によるリーディングライブ第2弾。プログラムとして、僻みひなたのオリジナル音楽に触発されて劇作家4人が新作一人芝居を書き下ろしたDプログラムとそれぞれの音楽に合わせて選んだ4編の短編小説が…

絶対♡福井夏vol.2『妹と姉と駅の上と妹と姉と駅の上』@三鷹SCOOL

絶対♡福井夏vol.2『妹と姉と駅の上と妹と姉と駅の上』@三鷹SCOOL 絶対♡福井夏vol.2『妹と姉と駅の上と妹と姉と駅の上』@三鷹SCOOLは世田谷線山下駅のホームで起こる出来事を描いた二人芝居。タイムループ構造、並行世界といかにもポストゼロ年代的な設えに…

笑いの演劇の旗手 群像会話劇にも秀作 劇作家・小説家の宮沢章夫氏が死去

笑いの演劇の旗手 群像会話劇にも秀作 劇作家・小説家の宮沢章夫氏が死去 笑いの演劇の旗手で群像会話劇にも優れた作品を残した劇作家・小説家の宮沢章夫氏が65歳の若さで亡くなった。今年は映画監督の青山真治氏、私小説作家の西村賢太氏ら優れた才能が若く…

コトリ会議「全部あったかいものは」@こまばアゴラ劇場

コトリ会議「全部あったかいものは」@こまばアゴラ劇場 編集 コトリ会議「全部あったかいものは」@こまばアゴラ劇場を観劇。清涼飲料水工場の外れにある休憩室が舞台。ここは社員ではない日雇いの労働者が集まっている場所で、ここで展開される。群像劇と…

くちびるの会「老獣のおたけび」@こまばアゴラ劇場

くちびるの会「老獣のおたけび」@こまばアゴラ劇場 くちびるの会「老獣のおたけび」@こまばアゴラ劇場を観劇。岐阜県と思われる地方の実家にいる老父がある日突然象になってしまうという物語。カフカの「変身」を思わせる不条理劇を思わせるような筋立てで…

ガマの中の6人で描いた沖縄戦の縮図 劇団チョコレートケーキ「ガマ(新作)」@東京芸術劇場

劇団チョコレートケーキ「ガマ(新作)」@東京芸術劇場 「ガマ」は劇団チョコレートケーキの戦争劇6作品連続上演の最後を飾る作品で唯一の新作である。ほかの作品が対米参戦、南京事件、朝鮮半島の支配など世界史上の大きな節目ともいえそうな歴史的な事件…

知性の中に静かな狂気 ひさびさに見た小須田康人の演技に感嘆 オフィスコットーネプロデュース「加担者」@下北沢駅前劇場

オフィスコットーネプロデュース「加担者」@下北沢駅前劇場 フリードリヒ・デュレンマットはスイスの劇作家・推理作家。推理作家というのでウィキペディアなどで調べてみたのだが、「約束」「嫌疑」という作品が以前世界ミステリシリーズ から翻訳出版され…

東京演劇アンサンブル『銀河鉄道の夜』公演40周年記念 東京都 夏の児童演劇祭参加

東京演劇アンサンブル『銀河鉄道の夜』公演40周年記念東京都 夏の児童演劇祭参加 東京演劇アンサンブルの「銀河鉄道の夜」を池袋西口公園跡地に作られた野外劇場で観劇した。同劇団の「銀河鉄道の夜」は林光のオリジナル楽曲で展開される音楽劇だということ…

ニットキャップシアター「カレーと村民」@こまばアゴラ劇場

ニットキャップシアター「カレーと村民」@こまばアゴラ劇場 作・演出:ごまのはえ 時代は1905年夏。 場所は大阪近郊、吹田村にある庄屋屋敷「浜家」の玄関。 浜家の家族や奉公人を中心に、屋敷に出入りする村人や、各地を回る薬屋などの姿を活写する。 その…

短編連続上演「〇六〇〇猶二人生存ス(2014年初演)」「その頬、熱線に焼かれ(2015年外部初演)」@東京芸術劇場

短編連続上演「〇六〇〇猶二人生存ス(2014年初演)」「その頬、熱線に焼かれ(2015年外部初演)」@東京芸術劇場 2014年に外部イベントで上演した人間魚雷に命を捧げた男達を描いた短編『〇六〇〇猶二人生存ス』と 2015年、on7に書き下ろしした実在する原爆…

劇団チョコレートケーキ「無畏」@東京芸術劇場(2020年初演)

劇団チョコレートケーキ「無畏」@東京芸術劇場(2020年初演) 誰よりも日中友好を願いながら戦犯として葬られた陸軍大将、松井石根(林竜三)の生涯を描くことで、なぜ南京事件(中国側からは南京大虐殺)が引き起こされたかの謎に迫った作品である。松井を…

トリコ・A「へそで、嗅ぐ」@こまばアゴラ劇場

トリコ・A「へそで、嗅ぐ」@こまばアゴラ劇場 上演台本・演出:山口茜 ドラマトゥルク:ウォルフィー佐野 【あらすじ】 古家隆子は、小さな町にある小さなお寺で、両親と共に暮らしている。彼女の定位置は大きな松の木のある庭に面した縁側。ある時は父の読…

劇団チョコレートケーキ「帰還不能点」@東京芸術劇場

劇団チョコレートケーキ「帰還不能点」@東京芸術劇場 各省庁・陸海軍、民間の有望な若手が集まり、対米戦の帰趨のシミュレーションを行ったという総力戦研究所という名前の組織を聞いたことがあるだろうか。私は不明を恥じねばならないが、この作品を見るま…

劇団チョコレートケーキ「追憶のアリラン」@東京芸術劇場

劇団チョコレートケーキ「追憶のアリラン」@東京芸術劇場 劇団チョコレートケーキの戦争演劇6作品一挙上演の最初の作品として「追憶のアリラン」(古川健作、日澤雄介演出)を見た。まだこれしか見てはいないが、戦争演劇とはいえ今回選ばれたのは太平洋戦…

流山児★事務所 宮本研連続上演 第1弾「夢・桃中軒牛右衛門の」@下北沢小劇場B1=コロナ感染で中止

流山児★事務所 宮本研連続上演 第1弾「夢・桃中軒牛右衛門の」@下北沢小劇場B1 宮本研作品の連続上演だというので楽しみにしていたのだが、けさ劇団から上演中止のお知らせを電話でいただいた。コロナ流行第七波の影響で次々と舞台上演が中止になっているよ…

範宙遊泳『ディグ・ディグ・フレイミング!〜私はロボットではありません〜』@配信

範宙遊泳『ディグ・ディグ・フレイミング!〜私はロボットではありません〜』@配信 範宙遊泳の山本卓卓は本年度の岸田國士戯曲賞を受賞したから、本作品は本公演としてはたまたま岸田受賞後第一作になったのだが、本当は留学先のニューヨークで2020年にすで…

サラダボール「三人姉妹 monologue」@こまばアゴラ劇場

サラダボール「三人姉妹 monologue」@こまばアゴラ劇場 サラダボール「三人姉妹 monologue」@こまばアゴラ劇場を観劇。もはや古典だということもあるが、海外の演劇作家の中ではチェーホフはシェイクスピアと並んで、様々なバージョンの舞台の観劇経験が豊…

第46回全国高等学校総合文化祭 演劇部門表彰校一覧

第46回全国高等学校総合文化祭演劇部門表彰校一覧 今年は全国大会は東京開催。映画「幕が上がる」でも紹介された高校演劇の全国大会に一度行ってみたいと思い、観覧募集に応募して2日目、3日目の午前の部の4校の作品を見ることができたが、残念ながらその…

円・こどもステージ『キレイちゃんとけだもの』@両国シアターX

演劇集団円「キレイちゃんとけだもの」@シアターX 円・こどもステージ『キレイちゃんとけだもの』@両国シアターXを観劇。ディズニーがミュージカル化したことでも知られる「美女と野獣」の物語。ニコラス・S・グレイの原作を菊池章一が翻訳。初演は前身…

いつ高シリーズの続編。仕掛けられた遊びが楽しい。ロロ新作本公演『ここは居心地がいいけど、もう行く』@吉祥寺シアター

ロロ新作本公演『ここは居心地がいいけど、もう行く』@吉祥寺シアター ロロの三浦直之によるいつ高シリーズは2015年10月上演のvol.1「いつだって窓際であたしたち」を皮切りにある高校の学生の群像を6年間で10本の連続短編演劇シリーズとして上演して…

「柔らかな不条理劇」は成立するのか? 情熱のフラミンゴ「ドキドキしていた」@こまばアゴラ劇場

情熱のフラミンゴ「ドキドキしていた」@こまばアゴラ劇場 情熱のフラミンゴも本公演を見るのは初めて。「ドキドキしていた」では青年団から3人の俳優(木村巴秋、根本江理、兵藤公美)も出演していて、個性豊かな演技を繰り出し、作品の強いアクセントとな…

演劇『反応工程』@新国立劇場

演劇『反応工程』@新国立劇場 【配信期間】2022年7月1日(金)12:00~2022年9月1日(木)12:00 劇作家・宮本研が自身の経験をもとに、終戦前夜の軍需工場で生きる人々を通じて国家と個のせめぎあいを鮮やかに描いた作品。 小川絵梨子が芸術監督就任の際に…

燐光群『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』@下北沢ザ・スズナリ

燐光群『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』@下北沢ザ・スズナリ 燐光群『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』@下北沢ザ・スズナリを観劇。コロナ感染で上演が延期になり、この日ようやく開演できた舞台だが、見ていて本当にいまの時期に上演される…

ネタバレあり感想。東のボルゾイ新作ミュージカル BAD NIGHT COMEDY『バウワウ』@中目黒キンケロ・シアター

東のボルゾイ新作ミュージカル BAD NIGHT COMEDY『バウワウ』@中目黒キンケロ・シアター 東のボルゾイは東京藝術大学出身の島川柊(作)、久野飛鳥(作曲)、大舘実佐子(演出)によるミュージカル劇団。これが作品を見るのは初めてだが、キャストに芸大出…

燐光群『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』@下北沢ザ・スズナリ=コロナ感染で中止

燐光群『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』@下北沢ザ・スズナリ もともとは映画として企画された。演劇にするにあたって、俗に言う「バブル」の時代、ゴミ問題を背景に、「リア王」を再生させる試みとなった。80年代には「千石イエス」の「おっちゃ…

不老薬と過疎の村 SF的趣向の現代の寓話 第27班「ハヴ・ア・ナイス・ホリデー」@こまばアゴラ劇場

第27班「ハヴ・ア・ナイス・ホリデー」@こまばアゴラ劇場 埼玉県を拠点とする設立9年目の中堅劇団だが、公演を見たのは初めてだ。不老となる薬が開発された近未来の物語とのSF的設定を知り、SFとしてはちょっと設定が甘いんじゃないかと思ったのだが、SF的…

若い妻役を演じた渡辺菜花の演技に強いインパクト DULL-COLORED POP『岸田國士戦争劇集』赤組@小竹向原・アトリエ春風舎

DULL-COLORED POP『岸田國士戦争劇集』赤組@小竹向原・アトリエ春風舎 白組と赤組のダブルキャストで上演され、配役は総入れ替え。すでに先行して観劇した白組に続きこの日は赤組キャストによる上演を観劇した。この日印象的だったのは『動員挿話』で馬庭の…

「岸田國士はどんな人だったのか」考えさせる「戦争劇」連作 DULL-COLORED POP『岸田國士戦争劇集』白@小竹向原・アトリエ春風舎

DULL-COLORED POP『岸田國士戦争劇集』白@小竹向原・アトリエ春風舎 岸田國士を取り上げる評伝劇上演を予定している谷賢一がそれに向けての準備の一環として岸田國士の「戦争劇」を連続上演を試みたのがDULL-COLORED POP『岸田國士戦争劇集』@小竹向原・ア…