下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

演劇

青年団第91回公演『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』@こまばアゴラ劇場

青年団第91回公演『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』@こまばアゴラ劇場 平和ボケした赤穂浪士たちのもとに、突如届いたお家取り潰しの知らせ。 その時、彼らは何を思い、どのように決断したのか? 私たちに最も馴染み深い忠義話の討ち入り決断を、日本人の…

青年団若手自主企画vol.88 宮崎企画「東京の一日」@アトリエ春風舎

青年団若手自主企画vol.88 宮崎企画「東京の一日」@アトリエ春風舎 作・演出:宮崎玲奈 東京の一日。 住んでいる人、やってきた人、深夜のコンビニ、渋谷、部屋、それぞれの場所、若者たちに等しく訪れる朝と夜。数年でも数百年でも数億年でもある、一日の…

うさぎストライプ「みんなしねばいいのにII」@こまばアゴラ劇場

うさぎストライプ「みんなしねばいいのにII」@こまばアゴラ劇場 うさぎストライプ「みんなしねばいいのにII」は今から5年前の2016年に上演された「みんなしねばいいのに」の再演。とはいえ、一部設定に手直しを加え相当に脚本に手が入っているのでver2.0的…

ナンセンスの笑い 困難な現代であえて挑む心意気 ナイロン100℃ 47th SESSION『イモンドの勝負』@下北沢・本多劇場

ナイロン100℃ 47th SESSION『イモンドの勝負』@下北沢・本多劇場 ナイロン100℃はひさびさの生観劇。前回公演46th SESSION『睾丸』はチケットが取れず見ることができなかったので観劇は2018年4月の45th SESSION『百年の秘密』以来となる。 ケラリーノ・サン…

オウム真理教をモデルにした集団描く群像劇。日本のラジオ「カナリヤ」@こまばアゴラ劇場

日本のラジオ「カナリヤ」@こまばアゴラ劇場 日本のラジオ「カナリア」はオウム真理教がモデルで、教団の成り立ちや組織の内部の状況についてはまったくそのままではないにしても私のような当時を知る年代のものにとっては思い当たる節があるような描写がい…

ラカンとデリダの「手紙」解釈を巡って。推理小説の始祖エドガー・アラン・ポーの「盗まれた手紙」を舞台化。劇団あはひ「Letters」@KAAT

劇団あはひ「Letters」@KAAT 「Letters」はエドガー・アラン・ポーの「盗まれた手紙」*1 *2を舞台化という触れ込みではあったけれども、劇団あはひ(作・演出:大塚健太郎)の過去の作品の傾向からすればポーのミステリ小説の筋立てをそのまま上演すること…

「ハムレット」下敷きにコロナ禍の現代日本の戯画描く お布団CCS/SC 1st Expansion 『夜を治める者《ナイトドミナント》』 ワーク・イン・プログレス

お布団CCS/SC 1st Expansion 『夜を治める者《ナイトドミナント》』 ワーク・イン・プログレス シェイクスピアの「ハムレット」を下敷きに「吸血鬼ドラキュラ」「フランケンシュタイン」など19世紀末の怪奇小説の要素を入れ込んで、現在のコロナ禍の状況など…

ぱぷりか「柔らかく搖れる」@こまばアゴラ劇場

ぱぷりか「柔らかく搖れる」@こまばアゴラ劇場 作・演出:福名理穂 いつだって家の近くでは川の音がしていた 朝は爽やかに、夜は誘い込むような音が響き続ける孤独と、後悔と、温もりと、広島に住む家族の物語ぱぷりか 2014年ぱぷりかを旗揚げ、福名理穂が…

早見あかり×大人計画 COCOON PRODUCTION 2021+大人計画 「パ・ラパパンパン」@配信

COCOON PRODUCTION 2021+大人計画 「パ・ラパパンパン」@配信 大人計画チャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」を下敷きにしたミュージカルコメディである。そういう意味ではこの物語も時期的には少し早いが一種のクリスマス・ストーリーだったと…

りゅーとぴあ×杉原邦生 KUNIO10『更地』@世田谷パブリックシアター

りゅーとぴあ×杉原邦生 KUNIO10『更地』@世田谷パブリックシアター 京都造形芸術大学(当時)時代の恩師でもあった太田省吾の作品『更地』を杉原邦生が演出。杉原にとっては9年前にも上演した作品の再演ともなった。おそらく、この上演は見る側の年齢によって…

30年続く恒例の行事。今年も参加できる幸せ。 げんこつ団30周年公演『ファクト・リ』@駅前劇場

げんこつ団30周年公演『ファクト・リ』@駅前劇場 5年前の25周年記念の公演「四半世紀の大失態」*1でこんな風な感想を書いた。 「四半世紀の大失態」は表題通りにげんこつ団の25周年記念公演である。一言で25周年というが、これはある意味驚くべき事だ。「純…

関田育子『霊雨』@三鷹SCOOL(公演延期)

関田育子『霊雨』@三鷹SCOOL(公演延期) クリエーションメンバー久世直樹、黒木小菜美、小久保悠人、関田育子、長田遼、長谷川利穂子公演日程11月5日(金) 13:30~ / 18:00~ 11月6日(土) 13:30~ / 18:00~ 11月7日(日) 13:30~ / 18:00~料金前売り一般 2,000円※…

描かれる社会問題と想像力に委ねる手法にミスマッチ感も ほろびて「ポロポロ、に」@北千住BUoY

ほろびて「ポロポロ、に」@北千住BUoY 「ほろびて」も注目している新鋭劇団のひとつだが、まだ数回の観劇経験しかないこともあり、その表現の方向性を掴みかねている部分がある。最近の若手劇団の表現スタイルの傾向として、会話劇でありながら、例えば平田…

ヌトミック「ぼんやりブルース」(2回目)@こまばアゴラ劇場

ヌトミック「ぼんやりブルース」(2回目)@こまばアゴラ劇場 ヌトミック「ぼんやりブルース」2回目観劇。1回目の観劇レビューで確かめてみたい解釈があると書いたが、どうやら私の勝手な妄想だったようだ。震災のことは直接は出てこないが、途中に出てく…

ヌトミック「ぼんやりブルース」(1回目)@こまばアゴラ劇場

ヌトミック「ぼんやりブルース」(1回目)@こまばアゴラ劇場 ヌトミック(額田大志)はシェイクスピアに挑戦した一昨年ぐらいから額田の流儀での「演劇」への接近を試みてきたように思うが、音楽、美術、映像、声、言語テキストの断片をコラージュのように組…

ぐうたららばい「海底歩行者」(作・演出・音楽:糸井幸之介)@こまばアゴラ劇場

ぐうたららばい「海底歩行者」(作・演出・音楽:糸井幸之介)@こまばアゴラ劇場 こういう作品を見て「泣けるいいお芝居」と評価する人がいるんだろうというのは理解できなくもない。俳優も特に妻役の伊東佐保はいい演技だったと言えなくもないだろうと思う…

妖精大図鑑「YOKOHAMA Ammonite Night」@スタジオHIKARI

妖精大図鑑「YOKOHAMA Ammonite Night」@スタジオHikari 妖精大図鑑の舞台を不思議な作品などと評しても何も言ってないようなものなのだが、そうとしか言いようがないようなこれまで見た劇団にはあまり見たことがないスタイルをもっていて、既存のジャンルの…

「異世界を捏造する演劇」 ロロ並びに三浦直之の新境地 東京芸術祭2021 ロロ『Every Body feat. フランケンシュタイン』 @東京芸術劇場

東京芸術祭2021 ロロ『Every Body feat. フランケンシュタイン』 @東京芸術劇場 メアリー・シェリーの小説も読んでいる。それをもとにした映画も以前に見たことはある。だが、いずれもだいぶ前で記憶があいまいではあるが「こんな話ではなかったはずだ」と思…

特別上映会 太陽劇団シネマアンソロジー 「アリアーヌ・ムヌーシュキン:太陽劇団の冒険」「フォル・エスポワール号の遭難者たち」 

特別上映会 太陽劇団シネマアンソロジー 「アリアーヌ・ムヌーシュキン:太陽劇団の冒険」「フォル・エスポワール号の遭難者たち」 東京芸術祭の目玉となるはずだった太陽劇団の来日がコロナ禍などの理由で中止となり、その代わりに映像作品が上映されること…

愛来(アメフラっシ)が難役を好演。舞台『さよならの幕明け』@中野テアトルBONBON

舞台『さよならの幕明け』@中野テアトルBONBON 昨年9月にオンライン朗読劇として一度だけ、上演され配信された作品を改作して舞台劇として上演。表題も「さよならの幕開け」から「さよならの幕明け」に変更された。 アメフラっシの愛来が出演したのが、観劇…

考えさせられたヘレナとハーミアの美醜巡る解釈。演劇集団 円『夏の夜の夢』@吉祥寺シアター

演劇集団 円『夏の夜の夢』@吉祥寺シアター 「夏の夜の夢」はシェイクスピアのコメディーではあるのだが、結婚祝いの祝祭劇という側面も強く、笑いの密度という意味ではいまひとつという面はあるかもしれない。 パックの魔法の花によって、4人の恋人たちが…

ブランニューオペレッタ『Cape jasmine(ケープ・ジャスミン)』@日本青年館(2回目)

ブランニューオペレッタ『Cape jasmine(ケープ・ジャスミン)』@日本青年館(2回目) 横山由依の演技について「他の登場人物に比べると一見キャラが地味に見える横山だが、そう見えること自体が物語の仕掛けの一部ゆえにここで横山は誰にもまして困難な役割…

中山莉子(私立恵比寿中学)がわがままアイドル役好演、横山由依も難役に挑戦。ブランニューオペレッタ『Cape jasmine(ケープ・ジャスミン)』@日本青年館(1回目)

ブランニューオペレッタ『Cape jasmine(ケープ・ジャスミン)』@日本青年館(1回目) ブランニューオペレッタ『Cape jasmine(ケープ・ジャスミン)』は活動を休止していた劇作家・演出家の根本宗子の復帰第1作である。作演出は根本が担当。音楽を小春(チャ…

堀くるみ(exたこ虹)が初舞台。歌も披露する破格のデビュー。『はい!丸尾不動産です。~本日、家で再会します~ 』@Streaming+(配信)

『はい!丸尾不動産です。~本日、家で再会します~ 』@Streaming+(配信) 関西らしい喜劇で良く出来ていたと思う。配信チケットを購入してまで見たのは堀くるみ(exたこやきレインボー)の初舞台というのがあったからだが、生で見るのに比べる…

スタイリッシュな演出魅力的だが、今回は筋立てにやや疑問も 幻灯劇場「盲年」@こまばアゴラ劇場

幻灯劇場「盲年」@こまばアゴラ劇場 幻灯劇場は以前から気にはなっていたが、観劇したのは初めてである。初観劇の印象はこういう感じなのかであった。映像の使い方やダンスの入れ方、空間づかいなどはスタイリッシュで面白いのだが、「盲年」という作品は物…

ブランニューオペレッタ『Cape jasmine(ケープ・ジャスミン)』@日本青年館(2回目)

ブランニューオペレッタ『Cape jasmine(ケープ・ジャスミン)』@日本青年館(2回目) 【公演日程】 2021年10月6日(水)〜10月7日(木)(全3公演) 10月6日(水)18:30開演 10月7日(木)14:00開演/18:30開演 【会場】 日本青年館ホール 【キャスト】 …

死の世界との境界描く コトリ会議「スーパーポチ」@こまばアゴラ劇場

コトリ会議「スーパーポチ」@こまばアゴラ劇場 コトリ会議は死の世界(彼岸)との境界線を描く。実家で飼われていた愛犬スーパーポチが死んだとの知らせを聞き、久しぶりに故郷である田舎町に住む兄のもとに彼氏とともに帰省する菫が出会う不思議な体験の物語…

燐光群「悪魔をやっつけろ~COVIDモノローグ~」@ 座・高円寺2

燐光群「悪魔をやっつけろ~COVIDモノローグ~」@ 座・高円寺2 英国を代表する劇作家のひとりであるデヴィッド・ヘアが自らコロナ(COVID)ウィルスに感染した体験をモノローグ(独白)の形で語った戯曲を劇作家・演出家の坂手洋二が朗読劇として自分で演じ…

松田龍平のダメ男ぶりが光る、塚圭史野新演出「近松心中物語」。KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「近松心中物語」

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「近松心中物語」 作:秋元松代 演出:長塚圭史 音楽:スチャダラパー 出演:田中哲司/松田龍平、笹本玲奈/石橋静河、綾田俊樹、石橋亜希子、山口雅義、清水葉月、章平、青山美郷、辻本耕志、益山寛司、延増静美、松田洋治…

【こまばアゴラ劇場】うさぎ庵「山中さんと犬と中山くん」@配信

【こまばアゴラ劇場】うさぎ庵「山中さんと犬と中山くん」@配信 うさぎ庵は工藤千夏(渡辺源四郎商店、青年団演出部)の個人ユニット。このところ予定していた公演が立て続けでコロナ禍による非常事態宣言などにより中止となっていたが、今回は予定通りのス…