下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

演劇

HANA'S MELANCHOLY 〈シアター風姿花伝劇作家支援公演〉『風-the Wind-』@シアター風姿花伝

HANA'S MELANCHOLY 〈シアター風姿花伝劇作家支援公演〉『風-the Wind-』@シアター風姿花伝 Reading「風ーthe Wind-」4月はコロナ禍で中止になった公演の復活上演が目立つがHANA'S MELANCHOLY 『風-the Wind-』(シアター風姿花伝)もそういう1本である。…

MUM & GYPSY 15th anniversary year vol.1「四月生まれの雷」@新宿ルミネ0

MUM & GYPSY 15th anniversary year vol.1「四月生まれの雷」@新宿ルミネ0 「てんとてんを、むすぶせん。からなる、立体。 そのなかに、つまっている、いくつもの。 ことなった、世界。および、ひかりについて。」は2013年に発表してから10年、ヨーロッパや…

批評する行為への批評にも見えた舞台。 ロロ「ロマンティックコメディ」@東京芸術劇場

ロロ「ロマンティックコメディ」@東京芸術劇場 ロロ「ロマンティックコメディ」@東京芸術劇場を観劇。「ロマンティックコメディ」という表題だが、いわゆる「恋愛」が主題であるラブコメディー(少女漫画などではラブコメと総称される)とはまったく異なる…

シベリア少女鉄道『どうやらこれ、恋が始まっている 』@俳優座劇場

シベリア少女鉄道『どうやらこれ、恋が始まっている 』@俳優座劇場 シベリア少女鉄道『どうやらこれ、恋が始まっている 』(4月8~17日、俳優座劇場)は最近テレビのコントやドラマにも脚本を提供している鬼才、土屋亮一による新作。この劇団については「…

芸劇eyes 劇団あはひレパートリー上演『流れる』と『光環(コロナ)』@東京芸術劇場シアターイースト

芸劇eyes 劇団あはひレパートリー上演『流れる』と『光環(コロナ)』@東京芸術劇場シアターイースト 劇団あはひ「流れる」「光環(コロナ)」(4月9日、東京芸術劇場)の2本立てを観劇した。芸劇eyesの企画による過去上演された秀作の再演なのだが、特に…

青年団第92回公演「S高原から」(2回目)@こまばアゴラ劇場

青年団第92回公演「S高原から」(2回目)@こまばアゴラ劇場 平田オリザの作品は特定の文学作品を下敷きにしていることが多いが、「S高原から」はトーマス・マンの長編小説「魔の山」を下敷きにしている。やはり、平田の代表作である「ソウル市民」はトー…

「関係性の演劇」とは? 平田オリザ入門に最適の舞台。青年団第92回公演「S高原から」@こまばアゴラ劇場

青年団第92回公演「S高原から」@こまばアゴラ劇場 青年団「S高原から」(こまばアゴラ劇場)を観劇。1992年初演の作品だが、これまで再演が繰り返されてきた回数は「東京ノート」などと並び上位に入ってくると思われ、平田オリザの代表作と言ってもいい作…

4月のお薦め芝居(2022年)by中西理(改稿掲載)

4月のお薦め芝居(2022年)by中西理(改稿掲載) (復刻版、えんげきのぺーじでおなじみの「お薦め芝居」を復刻)*1 「お薦め芝居」はコロナ禍で公演中止が相次いだ2020年3月以来、中断していたが4月から再開することにした。毎月月末ごろまでに次の月のもの…

ミクニヤナイハラプロジェクト『はじまって、それから、いつかおわる』@吉祥寺シアター

ミクニヤナイハラプロジェクト『はじまって、それから、いつかおわる』@吉祥寺シアター 「日常と非日常、生と死のあわひを描くような内容のものが増えている」と昨年の年間回顧に書いたがミクニヤナイハラプロジェクト『はじまって、それから、いつかおわる…

劇場から外に「ボカン」は今も続く 悪い芝居「愛しのボカン」(2回目)@下北沢本多劇場

悪い芝居「愛しのボカン」(2回目)@下北沢本多劇場 山崎彬の新作である悪い芝居「愛しのボカン」は前回公演*1に続き下北沢本多劇場での公演となった。ただ、緻密に作りこんだ感のあった前作とは違いストロングスタイルの圧倒的パワーで押しまくる「悪い芝…

WhiteプロジェクトSHINSAI10th『震災演劇短編集』@こまばアゴラ劇場

WhiteプロジェクトSHINSAI10th『震災演劇短編集』@こまばアゴラ劇場 東日本大震災以来10年の長きにわたって震災をモチーフにした作品を作りつづけてきたWhiteプロジェクトによる東京公演。この日は短編3本が上演された。この日に上演されたのはRequiem3部…

ももクロあーりんが日替わりゲスト、ヨーロッパ企画がNHK人気番組を舞台化。『チコちゃんに叱られる! on STAGE』~そのとき歴史はチコっと動いた!~ @日本青年館

『チコちゃんに叱られる! on STAGE』~そのとき歴史はチコっと動いた!~ @日本青年館 『チコちゃんに叱られる! on STAGE』~そのとき歴史はチコっと動いた!~はヨーロッパ企画の俳優・諏訪雅が脚本・演出を担当(上田誠は監修)。NHKの人気番組「チコち…

福留麻里×村社祐太朗「とや」@配信(STSPOT)

福留麻里×村社祐太朗「とや」@配信(STSPOT) stspot.jp

演劇とは何なのか?岡本太郎「明日の神話」へのオマージュこめた異色作。悪い芝居「愛しのボカン」(1回目)@下北沢本多劇場

悪い芝居「愛しのボカン」(1回目)@下北沢本多劇場 山崎彬の新作である悪い芝居「愛しのボカン」は前回公演*1に続き下北沢本多劇場での公演となった。この新作は明らかにここ最近山崎彬が手掛けてきたものとは毛色が違う。物語は主人公格の明日野不発(赤…

4月のお薦め芝居(2022年)by中西理

4月のお薦め芝居(2022年)by中西理 (復刻版、えんげきのぺーじでおなじみの「お薦め芝居」を復刻) コロナ禍で公演中止が相次いだことで2020年3月に中断していた「お薦め芝居」を4月から再開することにした。毎月月末までに次の月のものを掲載する予定。最…

英国作家の異色作 ミステリ読みによる完全誤読レポート。演劇集団円「ピローマン The Pillow Man」@俳優座劇場

演劇集団円「ピローマン The Pillow Man」@俳優座劇場 『ピローマン』(The Pillowman)はアイルランド系英国人の劇作家マーティン・マクドナーによる2003年の戯曲。新国立劇場芸術監督でもある小川絵梨子の翻訳を寺十吾が演出した。マーティン・マクドナー…

オフィスコットーネプロデュース 大竹野正典没後10年記念公演 第5弾「サヨナフ―ピストル連続射殺魔ノリオの青春」@シアター711

オフィスコットーネプロデュース 大竹野正典没後10年記念公演 第5弾「サヨナフ―ピストル連続射殺魔ノリオの青春」@シアター711 大竹野正典の作品には悲惨な境遇から自らを持て余して残虐な犯罪に手を染める男たちがよく登場するが、ピストル連続射殺魔永山…

土田英生の新作を見て個人的に考えたこと。MONO第49回公演『悪いのは私じゃない』@吉祥寺シアター

MONO第49回公演『悪いのは私じゃない』@吉祥寺シアター 最初に断りを入れなければならないだろう。これから書く文章は劇評とは言い難く、私の個人的な感想となる。なぜならその内容についての論理的な検証ができないし、このことについて例え作家本人に直接…

東日本大震災からちょうど11年目。「その日」の東京を振り返る。小田尚稔の演劇「是でいいのだ」 “Es ist gut”@三鷹SCOOL

小田尚稔の演劇「是でいいのだ」 “Es ist gut”@三鷹SCOOL 東日本大震災からちょうど11年目を迎えるこの日、震災時の東京の出来事を描いた小田尚稔の演劇「是でいいのだ」を三鷹SCOOLで見ることになった。震災劇と「当事者性」の問題について震災10年の昨年…

同時代リーディングプログラム『ベンチのためのPLAYlist』@吉祥寺シアター

同時代リーディングプログラム『ベンチのためのPLAYlist』@吉祥寺シアター 2022年3月1日(火) 〜 3月28日(月)私たちがそこに座っているために吉祥寺シアターの通りに面した木製のベンチ。このベンチは開館当時から、劇場の利用者だけでなく、多くの方が立ち…

「非当事者」がどのように原爆の悲劇を語りえるのか? 烏丸ストロークロック×五色劇場 「新平和 」@こまばアゴラ劇場

烏丸ストロークロック×五色劇場「新平和」@こまばアゴラ劇場 烏丸ストロークロックといえば近畿大学出身の柳沼昭徳が率いる集団で若手劇団のように感じていたが、1999年の旗揚げだから、設立後二十数年が経過、関西の現代演劇の劇団ではMONOなどを除けば古…

福名理穂が受賞、青年団から7人目。山本卓卓も順当。第66回岸田國士戯曲賞に山本卓卓『バナナの花は食べられる』と福名理穂『柔らかく揺れる』

第66回岸田國士戯曲賞に山本卓卓『バナナの花は食べられる』と福名理穂『柔らかく揺れる』 第66回岸田國士戯曲賞(白水社主催)の選考会が2022年2月28日東京神保町・學士會館にて行なわれ、山本卓卓『バナナの花は食べられる』と福名理穂『柔らかく揺れる』…

演劇&ダンス&アイドルについてのレクチャー&トーク「セミネールinZOOM」開催に向けてリモート茶話会のお知らせ

演劇&ダンス&アイドルについての「セミネールinZOOM」開催に向けてリモート茶話会のお知らせ 演劇&ダンス&アイドルについてのレクチャー&トーク「セミネール」inZOOMの開催に向けて準備のためのリモート茶話会(日程未定)を考えています。レクチャー&…

公益社団法人日本劇団協議会 新進演劇人育成公演 演出家部門「不思議の国のアリス」(別役実作・スズキ拓朗演出・振付)@下北沢ザ・スズナリ

公益社団法人日本劇団協議会 新進演劇人育成公演 演出家部門「不思議の国のアリス」(別役実作・スズキ拓朗演出・振付)@下北沢ザ・スズナリ 公益社団法人日本劇団協議会 新進演劇人育成公演 演出家部門「不思議の国のアリス」を観劇。別役実の「不思議の国…

お布団 CCS/SC 1st Expansion『夜を治める者《ナイトドミナント》』Aプロ@こまばアゴラ劇場

お布団 CCS/SC 1st Expansion『夜を治める者《ナイトドミナント》』Aプロ@こまばアゴラ劇場 Aプロでは病院長であるクローディアスを演じる俳優が男性から女性に代わっていて、これだけで悪人感が薄れていて、だいぶ印象が違うものになっている。こちらがAプ…

数奇な運命 本広克行初演版出演の石渡愛が「転校生」を演出 青年団若手自主企画vol.89 山中企画「転校生」(2回目)@小竹向原・アトリエ春風舎

青年団若手自主企画vol.89 山中企画「転校生」(2回目)@小竹向原・アトリエ春風舎 平田オリザの「転校生」は実は伝説となった青山演劇フェスティバルでの初演を観劇している。さらに「幕が上がる」プロジェクト*1の一環として本広克行が演出したバージョ…

9人バージョンの「転校生」 上演歴に新たな足跡 青年団若手自主企画vol.89 山中企画「転校生」@小竹向原・アトリエ春風舎

青年団若手自主企画vol.89 山中企画「転校生」@小竹向原・アトリエ春風舎 山中企画「転校生」山中企画「転校生」は青年団俳優部所属の山中志歩による自主企画。青年団の場合、松井周(サンプル)、伊藤毅(やしゃご)らのように俳優として青年団に所属し続…

「ハムレット」下敷きにコロナ禍の現代日本の病症を抉り出す。お布団 CCS/SC 1st Expansion『夜を治める者《ナイトドミナント》』Bプロ@こまばアゴラ劇場

お布団 CCS/SC 1st Expansion『夜を治める者《ナイトドミナント》』Bプロ@こまばアゴラ劇場 「死と生の境界線」を描くというのがコロナ禍以降の現代演劇の流れとなっているということを繰り返し書いているが、お布団 CCS/SC 1st Expansion『夜を治める者《…

失恋の巨匠、三浦直之がヒロイン桜井玲香で描いた実らぬ恋 KERA CROSS 「SLAPSTICKS」(2回目)@シアタークリエ

KERA CROSS 「SLAPSTICKS」(2回目)@シアタークリエ KERA CROSS 「SLAPSTICKS」2回目の観劇。前に見たときよりは舞台に近い席で前には見えなかった俳優の細かい表情などが見え、より作品に深く入り込むことができた。ケラの脚本と三浦直之の演出の相性は…

70年安保闘争背景にした原作の色合い強く残す 舞台「ぼくらの七日間戦争」@東京建物 Brillia HALL

舞台「ぼくらの七日間戦争」@東京建物 Brillia HALL 「ぼくらの七日間戦争」は映画版*1を最初に見た後、原作小説*2も読んだはずだが、その記憶はあいまいであった。今回の舞台版を見て初めてこういう設定の物語であったことに気が付いた。それは中学生が自…