下北沢通信

中西理の下北沢通信

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屋根裏ハイツ「すみつくす」(2回目)@こまばアゴラ劇場

屋根裏ハイツ「すみつくす」(2回目)@こまばアゴラ劇場


屋根裏ハイツ「すみつくす」では皆が住むシェアハウスが持つ主の老人の老いにともない解体される直前の現在と家主の妻が亡くなって葬儀が行われた10年前の出来事をそれぞれ異なる人物を演じる同じキャストにより、シームレスに交互に描いている。

作・演出:中村大地
あらすじ
多摩郊外の、シェアハウスに改築された古い家。今は別のまちに暮らす家主、宮地達夫の老いによって土地ごと売りに出されることが決まっている。
3月下旬、ある金曜日の夕方、居住者たちが集まるささやかなパーティーがひらかれる。
部屋を見渡すとそこここに、小さな傷あとやしみがあり、そこから家に流れた時間が広がりだす。かつて商店だった頃の記憶、昔暮らしていた家族の姿、街だってどんどんと変わっていった。その全てが混ざりあっていく。
室内の親密な空間に積み重なるやりとりから、想像力を依り代に過去や未来の風景を自在に描き出す屋根裏ハイツ、10周年を記念する最新作。



2013年、仙台を拠点に設立、2018年より活動拠点を東京に移す。主宰の中村は『ここは出口ではない』(2018)で、第2回人間座「田畑実戯曲賞」、「利賀演劇人コンクール2019」で優秀演出家賞一席、観客賞をそれぞれ受賞。過去も未来も、生者も死者もいつの間にかゆるやかに共存する、何気ない会話劇のような「語りの劇」を特徴とする。最終的には家を建てたい。

出演
佐藤駿、関彩葉、辻村優子、福田健人、村岡佳奈、山田薫

スタッフ
作・演出・音響:中村大地
空間設計:iii architects
舞台監督:山澤和幸
照明プラン:植村真
衣裳:村岡佳奈
日本語字幕:得地弘基
手話通訳:立石聡子、村山春佳
制作:屋根裏ハイツ制作部、白石ころ、千田ひなた
宣伝美術:三澤一弥
キービジュアル撮影:小岩井ハナ
Web:渡邉時生
映像記録:小森はるか