シベリア少女鉄道 vol.37『持続可能彼女』@新宿シアターサンモール
シベリア少女鉄道 vol.37『持続可能彼女』@新宿シアターサンモールを観劇。宇宙空間を漂流する宇宙船に取り残された4人の女性乗組員たちの物語。極限状態に置かれた彼女らに何かの打開策はあるのか。この状態の原因となった事故にはだれかの故意の意志が働いているのではないか。シベリア少女鉄道の舞台作品では表層では謎の真相へ向かっての萩尾望都の「11人いる」を想起させるようなSF的趣向をはらむミステリサスペンスが展開していくが、深層では表面的な物語の流れとは異なる仕掛けへの伏線が配置されていて、途中のある瞬間に仕掛けられたメタシアター的な設定が時限爆弾のように炸裂、怒濤の展開に突入していった。
ひさびさに出演の私立恵比寿中学、安本彩花をはじめ、レギュラーの小関えりから女優陣が魅力的。土屋亮一がアイドル好きということもあってか、シベリア少女鉄道にはアイドルあるいは元アイドルがキャスティングされることは珍しくはないが、シアターシュリンプと題して定期的に公演を行っていたこともあり、エビ中との相性は抜群。今回も安本のとぼけた魅力を上手く引き出していた。最後に予定していた公演がメンバーの急逝で中止になって以来、シアターシュリンプの公演は行われてないが、その後新たなメンバーが加わり、新たな魅力が発揮されるはず。ぜひシアターシュリンプを再開してほしい。
作・演出
土屋亮一